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第4唱 ラピスにメロメロ
その頃のアカデミー派とゴルト街到着
「襲撃は失敗に終わったようです」
「くそっ! アシュクロフトに備えて、頭数は充分そろえたはずだぞ!?」
秘書が読み上げた報告にアカデミー総長のエルベンが脂汗を光らせながら怒鳴ると、ヒラー所長が眉根を寄せた。
「失敗の要因があるとすれば、グレゴワールの防御魔法しか考えられんな。数の不利を覆すほど強力な」
「またあいつか! 少しは衰えんのか、奴の魔法は!」
アカデミー本部にて、襲撃計画の失敗を伝え聞いた幹部たちは、焦燥を隠せずにいた。
彼らは何十年も前のクロヴィスしか知らない。
クロヴィスがどんな魔法を使えるのか、その全貌を知るはずもない。
それでも結局、数を増やして物理攻撃をぶつければ、魔法など脆いものだろうと高を括っていた。いくら第三騎士団の団長が強くても、数の有利には敵わないだろうと。
しかしその予測は、あっさり覆された。
このままではまずい。
クロヴィスは、わざわざ彼らに『弟子に手を出すな』と警告しに来たのだ。
なんのダメージも与えられぬままクロヴィスの弟子が栄誉を掴むことになれば、クロヴィスの発言力がますます高まる。
アカデミー派の不正を知るクロヴィスに、アカデミー派を敵視するクロヴィスに、そんな力を与えてはならない。
学長のタイバーが、凝り固まった疲労をにじませ、秘書に尋ねた。
「計画はまだ続いているのだろう?」
「盗賊の奇襲ならば、二度目も手配済みです」
「期待はしないほうがいいかもな……」
実際、このときすでに二度目の襲撃も防がれていたのだが、伝書鳩からの報告なので時差があり、エルベンたちはまだ把握していなかった。
エルベンが「見張りは貼りついているのだな!?」と問うと、秘書が「報告が上がっております」と読み上げた。
「すべての報告で『見失いました』とのことです」
「また!? また見失ったと!?」
「原因はやはり魔法か?」
エルベンとヒラーに急かされて、秘書は書類をめくっていく。
「原因は、グレゴワール氏の魔法による混乱が五件。『弟子の少年があまりに可愛くて良い子なので、もう悪いことはやめようと思った』が十件です」
「……はああぁぁ!?」
「なんだそれは。それが理由か。そういう魔法にかかったのか?」
「そういう魔法ってどういう魔法だ。『良い子魔法』か」
「……疲れた……」
怒りと、驚愕と、呆れと、疲労。さまざまな感情と反応で騒然とする、その部屋の外。
人影が扉の前をゆらりと移動し、暗い廊下の奥へと消えていった。
☆ ☆ ☆
ジークたちは盗賊送致の手配をしたり、ラピスのために野宿せず済むよう、なるべく宿のある村を経由してくれたりで、余計に時間はかかったものの、一行は無事ゴルト街へと至った。
それを待っていたかのように、空から白いものが舞い降りてくる。
「雪だぁ!」
馬車の窓から見つめるラピスの視線の先、粉糖をふりかけたように、街並みが白く染まり始めた。
久し振りに見る大きな街だ。
大型の馬車がすれ違うことを前提とした広い石畳の大通り。
道の両側には四階建てや五階建ての立派な建物がずらりと並び、賑やかに行き交う人々にも活気がある。
ずっと冬枯れの山や森や荒れ地を横目に旅してきたから、久々の都市部の光景は見ているだけで楽しくなった。
が、さすがにこれまでで最北の街だけあって、寒い。全身にぷるりと震えが走って、ラピスは頭から毛布にくるまった。
『竜王の城』が在るとされるのは、北方の壁ことレプシウス山脈。
ゴルト街はその地に至る前の最後の大都市であり、ここより北には、点在する小さな町村しかないと聞く。運が良ければ狩猟民族の移動住居に出会うこともあるが、基本は露宿となるようだ。
だからここらを旅する人は、この街で改めて旅の準備を万端整え、旅の拠点ともするらしい。
そのためだろう。道行く人の中には、見おぼえのあるアカデミーの外套姿も目立つ。集歌の巡礼に出た者たちにとってもありがたい街だ。
そのとき、速度を落としていた馬車が止まった。
今夜の宿に着いたのかとラピスが窓外を覗くと、ジークと同じ制服の騎士たちが集まってきて、言葉を交わしているのが見えた。
かと思うとすぐに馬車の扉がひらかれ、ジークが顔を覗かせたが、頭からすっぽり毛布にくるまっていたラピスを見ると目を瞠り、「寒かったな……」と腕を伸ばしてきた。
素直にその腕につかまって立ち上がりながら、ラピスは首を横に振る。
「僕は馬車の中だから大丈夫です。ジークさんたちのほうが寒いです」
「俺たちも『焼き石』をもらってるから、大丈夫だ……」
彼の言う『焼き石』とは、石を熱しただけの一般的な保温石とは違い、クロヴィスがいくつか持たせてくれた特製の保温道具である。ラピスの手におさまるほど小さいが、火の魔法を使うと長時間蓄熱され、一日中でもじんわりと全身を温め続けてくれる優れもの。
加護魔法を施された衣服や馬車にも保温効果が付与されているようで、ディードが「大魔法使い本気の守護魔法は弟子への溺愛が過ぎて、もはや面白い」と感心していた。
おかげでここまでずいぶん助けられているのだが、それでも本場の北国の寒さは厳しかった。冷気が足下から這いのぼってくる。
「ちょうど第三騎士団の団員が街の詰所にいる。馬の面倒は任せて、先に宿に入ろう……」
ジークはちょっとだけ、今までより多く喋ってくれるようになった。
けれど今までと変わらず、ラピスを抱っこして馬車から降ろす。真面目な騎士団長としては抱っこも護衛の内と考えているのかもしれない。
と、抱えられたまま外に出た途端、「キャーッ!」と黄色い声が飛んできた。
びっくりしてそちらを見れば、アカデミー所属らしき女子の一団が、こちらを注視している。
「くそっ! アシュクロフトに備えて、頭数は充分そろえたはずだぞ!?」
秘書が読み上げた報告にアカデミー総長のエルベンが脂汗を光らせながら怒鳴ると、ヒラー所長が眉根を寄せた。
「失敗の要因があるとすれば、グレゴワールの防御魔法しか考えられんな。数の不利を覆すほど強力な」
「またあいつか! 少しは衰えんのか、奴の魔法は!」
アカデミー本部にて、襲撃計画の失敗を伝え聞いた幹部たちは、焦燥を隠せずにいた。
彼らは何十年も前のクロヴィスしか知らない。
クロヴィスがどんな魔法を使えるのか、その全貌を知るはずもない。
それでも結局、数を増やして物理攻撃をぶつければ、魔法など脆いものだろうと高を括っていた。いくら第三騎士団の団長が強くても、数の有利には敵わないだろうと。
しかしその予測は、あっさり覆された。
このままではまずい。
クロヴィスは、わざわざ彼らに『弟子に手を出すな』と警告しに来たのだ。
なんのダメージも与えられぬままクロヴィスの弟子が栄誉を掴むことになれば、クロヴィスの発言力がますます高まる。
アカデミー派の不正を知るクロヴィスに、アカデミー派を敵視するクロヴィスに、そんな力を与えてはならない。
学長のタイバーが、凝り固まった疲労をにじませ、秘書に尋ねた。
「計画はまだ続いているのだろう?」
「盗賊の奇襲ならば、二度目も手配済みです」
「期待はしないほうがいいかもな……」
実際、このときすでに二度目の襲撃も防がれていたのだが、伝書鳩からの報告なので時差があり、エルベンたちはまだ把握していなかった。
エルベンが「見張りは貼りついているのだな!?」と問うと、秘書が「報告が上がっております」と読み上げた。
「すべての報告で『見失いました』とのことです」
「また!? また見失ったと!?」
「原因はやはり魔法か?」
エルベンとヒラーに急かされて、秘書は書類をめくっていく。
「原因は、グレゴワール氏の魔法による混乱が五件。『弟子の少年があまりに可愛くて良い子なので、もう悪いことはやめようと思った』が十件です」
「……はああぁぁ!?」
「なんだそれは。それが理由か。そういう魔法にかかったのか?」
「そういう魔法ってどういう魔法だ。『良い子魔法』か」
「……疲れた……」
怒りと、驚愕と、呆れと、疲労。さまざまな感情と反応で騒然とする、その部屋の外。
人影が扉の前をゆらりと移動し、暗い廊下の奥へと消えていった。
☆ ☆ ☆
ジークたちは盗賊送致の手配をしたり、ラピスのために野宿せず済むよう、なるべく宿のある村を経由してくれたりで、余計に時間はかかったものの、一行は無事ゴルト街へと至った。
それを待っていたかのように、空から白いものが舞い降りてくる。
「雪だぁ!」
馬車の窓から見つめるラピスの視線の先、粉糖をふりかけたように、街並みが白く染まり始めた。
久し振りに見る大きな街だ。
大型の馬車がすれ違うことを前提とした広い石畳の大通り。
道の両側には四階建てや五階建ての立派な建物がずらりと並び、賑やかに行き交う人々にも活気がある。
ずっと冬枯れの山や森や荒れ地を横目に旅してきたから、久々の都市部の光景は見ているだけで楽しくなった。
が、さすがにこれまでで最北の街だけあって、寒い。全身にぷるりと震えが走って、ラピスは頭から毛布にくるまった。
『竜王の城』が在るとされるのは、北方の壁ことレプシウス山脈。
ゴルト街はその地に至る前の最後の大都市であり、ここより北には、点在する小さな町村しかないと聞く。運が良ければ狩猟民族の移動住居に出会うこともあるが、基本は露宿となるようだ。
だからここらを旅する人は、この街で改めて旅の準備を万端整え、旅の拠点ともするらしい。
そのためだろう。道行く人の中には、見おぼえのあるアカデミーの外套姿も目立つ。集歌の巡礼に出た者たちにとってもありがたい街だ。
そのとき、速度を落としていた馬車が止まった。
今夜の宿に着いたのかとラピスが窓外を覗くと、ジークと同じ制服の騎士たちが集まってきて、言葉を交わしているのが見えた。
かと思うとすぐに馬車の扉がひらかれ、ジークが顔を覗かせたが、頭からすっぽり毛布にくるまっていたラピスを見ると目を瞠り、「寒かったな……」と腕を伸ばしてきた。
素直にその腕につかまって立ち上がりながら、ラピスは首を横に振る。
「僕は馬車の中だから大丈夫です。ジークさんたちのほうが寒いです」
「俺たちも『焼き石』をもらってるから、大丈夫だ……」
彼の言う『焼き石』とは、石を熱しただけの一般的な保温石とは違い、クロヴィスがいくつか持たせてくれた特製の保温道具である。ラピスの手におさまるほど小さいが、火の魔法を使うと長時間蓄熱され、一日中でもじんわりと全身を温め続けてくれる優れもの。
加護魔法を施された衣服や馬車にも保温効果が付与されているようで、ディードが「大魔法使い本気の守護魔法は弟子への溺愛が過ぎて、もはや面白い」と感心していた。
おかげでここまでずいぶん助けられているのだが、それでも本場の北国の寒さは厳しかった。冷気が足下から這いのぼってくる。
「ちょうど第三騎士団の団員が街の詰所にいる。馬の面倒は任せて、先に宿に入ろう……」
ジークはちょっとだけ、今までより多く喋ってくれるようになった。
けれど今までと変わらず、ラピスを抱っこして馬車から降ろす。真面目な騎士団長としては抱っこも護衛の内と考えているのかもしれない。
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