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出生の経緯  1

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「心愛さん、もう35歳だよ。健康な子供が産まれにくくなるからさ、俺と結婚して子作りしよう!!」

43歳の涼真さんは安達病院の跡取りなのもあり、結婚に焦っている。

「府立病院の産婦人科か小児内科の若手女医さんを紹介しましょうか?」

優秀な遺伝子でできあがってるからなのか若々しく、容姿も整ってるから婚活したらすぐに相手は見つかると思う。

「……心愛さんがいい。籍入れて書類上の夫婦でいいから!!子供は1人、体外受精で作って産んでくれたらいいから!!」

「無理無理。結婚出産なんてしてる余裕ない!!」

博士課程1年目が終わる。
府立病院での勤務時間以外はずっと大学院で研究をしているから多忙極まりない生活を送ってる。

「子供の面倒は俺がみるから、心愛さんは府立病院で夜間休日医しながら大学で研究して、家に毎日帰って来ないでいいから!!」

「涼真先生とは無理です!!婚活でもして結婚相手を見つけて下さい!!」


3月12日の誕生日。
昼休憩の時間帯に涼真先生がわざわざお祝いを伝えに来て、院内でとんでもないプロポーズをしてきたから頭にきた。


日勤で仕事を終え、実家に帰る。
母が私のバースデーパーティーを企画し、救急母体搬送がなく瀬戸父先生と一輝先生も駆けつけてくれた。
格式高いホテル内のケータリングサービスを利用し和洋のご馳走を注文してくれていて、美味しいご馳走に舌鼓を打つ。

「心愛ちゃん、お誕生日おめでとう!!」

サプライズで母が安達ファミリーを招待していたから、思わず顔が引き攣る。

涼真先生が府立病院に来て、しつこくプロポーズしてくるから、同僚の医師や看護師から冷やかされ、恥ずかしい思いをしてる。

「涼真、心愛ちゃんに相当嫌われちゃってるわね」

涼真先生を睨みつけてる私を見て、真弓副院長が苦笑いを浮かべた。

母と瀬戸父先生は私と一輝先生に対して結婚を急かす事を言ってこない。

「心愛ちゃん、うちに嫁いできてくれない?」

「真弓、心愛は涼真くんの事をそういう相手とは思えないみたいだからごめん」

真弓副院長が私に涼真先生と結婚するよう迫ってきた時に、母が強く拒絶してくれた。



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