天才小児外科医から溺愛されちゃいました

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「倉沢先生は結婚考えてた人いた？」

「いないな。ずっとダブルワークしてたし、今も大学院に通っていて研究があるから男性と付き合ってる暇無ない。結婚とか出産とか、私、考えた事ない」

男性から全くアプローチされなかったわけではない。
32歳ぐらいまでは仕事で一緒になった若手男性医師から何かとちょっかい出されてた。
36歳になると結婚対象になる男性医師はほぼ結婚していて、相手にされない。

「倉沢先生、自分の子供、欲しくないの？」

「……欲しいとは思うけど、相手いないし産んで育てる時間無いから」

母が凍結していた誰の子がわからない胚盤胞を胚移植した理由がこの歳になってわかった。
母も小児科医としてキャリアを積み、先天性疾患を持った子供に寄り添い治療に時間を費やしていたから結婚相手を見つける事ができなかった。

「ちょっと前にね不妊治療で業績がいい産婦人科医院の跡取りとお見合いしたんだけどさ、結婚無しで卵子と精子を体外受精させて子供だけ作る計画出産を持ちかけられて猛烈に腹が立った。男は精子提供だけで済むけど女は妊娠期間あるし産んでからしばらくは授乳必要でどう考えても不公平。授乳期間終わったら産んだ子を引き渡せ的な事を言われて、その男に思いっきりビンタしたわ！！」

打算的計画出産で跡取りだけ作ろうと目論み、女医とお見合いをしている涼真先生。

子供は欲しいけど、涼真先生とは無い。