天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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一夜の過ち犯す 1

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「涼真先生、綾音先生、ご結婚おめでとうございます」

涼真先生44歳、益岡綾音先生40歳。
2人は結婚する事になった。

6月28日大安の土曜日。

仕事柄、病院からオンコールがかかってくるかもしれない事から、近くの格式高いホテルで結婚披露宴が行われ、一輝先生と母と瀬戸父先生と一緒に出席をした。


優秀な子供を作る事しか考えてなさそうな涼真先生。

『25歳の時からグレードがいい卵子を凍結してるって話したら、両親連れて実家にきて、縁故結婚するはめになった……』

綾音先生の凍結卵子が目的で結婚を決め、アラフォーで子供を産み育てるなら早い方がいい事から早急に話を進み、お見合いをしてから3ヶ月後に夫婦になった。

経営状態が悪い実家の産婦人科医院に対し最先端不妊治療技術のサポートと提携を持ちかけ、縁故結婚をした。


『凍結卵子と凍結精子で顕微受精してハイグレードな3AAの胚盤胞できたからって胚移植され、妊娠中。年齢的に仕方がないけど、体外受精ではなく好きな人と自然なカタチで子供を授かりたかった』

綾音先生から3日前に妊娠報告を受けた時、自身のお腹をさすってる姿が悲しそうだった。

「綾音先生、涼真先生と結婚して幸せになれるかな?」

「安達の目的は優秀な子供……だからな」

二次会が終わり、一輝さんとBARに移動して2人で飲み直す。
飲み直すといっても今日は緊急手術はないけど、明日はオンコールで呼び出されたら対応しないといけないからノンアルコールを頼み、口にする。

友人代表スピーチを私と一輝先生が引き受けたのもあり、瀬戸父先生が母を連れてオンコールで府立病院に行ってくれた。
お酒を飲むつもりなかったけれど、注がれて気づかずに飲んでしまい、少し酔ってる。

「綾音先生、体外受精ではなく、好きな人と自然かカタチで子供を授かりたかったって言ってた」

男性と付き合った事が無いから普通に妊娠したいという感覚がわからない。
人間の本能的な欲求で子供を作りたいという事だけはわかる。

私はとんでもない実験の体外受精でできたハイグレード6AAの胚盤胞。
一輝先生と涼真先生は選りすぐられた卵子と精子を顕微受精させてできたハイグレード3AAの胚盤胞。

自然なカタチではなく科学的に作られた人間。

「俺も精子凍結はしてるけど、できるなら自然に子供を授かりたい。年齢的にできにくく、元気な子供が産まれないかもしれないが」

涼真先生は体外受精で産まれた事を誇りに思っているけれど、私と一輝先生は違う。
健康面や見た目、運動能力や知能、体力は優れてるけど、虚しさを感じる。

母から愛情を注がれて育った気がしないからかもしれない。


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