胃袋掴んだら御曹司にプロポーズされちゃいました

彼女の家庭環境に同情 side 雅人

「……自由になりたいんだろうな、咲良は」

外食チェーンアークライクはオアシスアマミヤにとって、大切なクライアント。
飲食店新店舗建設で、業務用冷凍冷蔵庫や食洗機などの設備導入で、関わりがある。

オアシスアマミヤは安価な価格で勝負している。
外食チェーンからの設備投資依頼で成り立っている。

「咲良に関しては、会長も社長も諦めてる。天宮くんが嫁に迎えてくれたら、助かる」

長谷咲良の2歳年上のあーくらいくで副社長をしている兄からの言葉に、絶句する。

長谷咲良は、家族と疎遠になっていた。
オアシスアマミヤで働きたいよりも、あーくらいくから逃れたかっだのかもしれない。

YouTuborに本気でなろうとしてるのか、現実逃避の旅なのか、休職期間に日本一周旅行を計画した彼女の動向に不安があるから探偵を2人雇った。

カプセルホテルとインターネットカフェに宿泊する彼女の身の安全保護を探偵が守ってくれた。

自由奔放にYouTubor生活をさせたら、危ない。

彼女が日本一周極貧旅行を達成して自宅に帰ってきた日に、職場復帰の話し合い含め、会いに行った。

地区が同じだから宅急便の配達時間は予測できる。

日本一周極貧旅行でやつれた彼女に、これ以上無理をさせたくないと思った。

かなり強引に彼女のウチに入り込み同棲し、リアルな彼女の極貧生活にのめり込み、抜け出せなくなる。


あーくらいくの御令嬢がリアルにインスタントラーメン食べていて、値引き商品を買い漁り、週で食費の予算管理をしていた事に驚く。

生活費を50万円渡したらもらい過ぎと20万円返され、質素過ぎる食事がきになるからふるさと納税で肉類や魚類、フルーツなどを定期的に購入して、贈りつける。
ふるさと納税で食材と生活用品を購入し、YouTuboのPR依頼でも食材などが貰えるから、生活費がかからなくなった。

極貧OL YouTuborらしくなくなり、登録者数が激変したとかで、咲良は落ち込んでいたけど、そろそろYouTuborを引退して欲しくて、そっと見守る。

1人にしたら何をするかわからない　不安から、出社日はなるべく彼女も連れ出し、家に残す時は、こっそり取り付けた隠しカメラで監視と、探偵に外出しないか見張らせた。

出張には秘書として同行させ、常に俺の側に置いた。


「雅人くん、私たちの関係は単なる同居人だからね」

「………」

部屋が狭く、布団を敷くスペースがないから、セミダブルのベッドで一緒に寝てる。
咲良が153cmで華奢だからスペース的には2人で寝ても問題ないが、毎日、雄の本能を理性でなんとか抑えている現状の辛さに、応えてる。

咲良にとって、俺は同居人でしかない。


「そんなに貯蓄して、何か目的があるの？」

と咲良に聞いたら、

「老後、独りで生きていける資金を貯めときたい！！」

と言われ、咲良は生涯独身でいるつもりで、俺とのこの同居生活は、今の生活を守るために受け入れただけで、両親にバレたくなくて受け入れてるだけなのかもしれない。

同居人から恋人になり、夫になるにはどうしたらいいか、頭を抱えている。