Get back together 〜バリキャリなわたしは復縁なんてありえない!!〜

鳴宮鶉子

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回想〜課長との昔の関係〜

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新人時代、建築設計第1課に配属されてからの2年間、わたしは当時係長をしていた東條課長の下で意匠設計と構造設計を学んだ。

東條課長は仕事面については天才建築士といわれ、東條課長の建築デザインは必ず採用されてしかも世界中で話題になるぐらいできる人。

その東條課長に、新人時代の2年間鍛えて貰えたから、今のわたしがいる。

気難しい東條課長だから1人で意匠設計を担当していて、そこに新人のわたしがサポートにつけられた。
毎日不当な残業と厳しすぎるぐらいの完璧さを求められ、意匠設計士として鍛えられた。
そして、東條課長の下で働くようになって半年後ぐらいに男女関係になり、プライペートでも一緒にいるようになった。

でも、わたしは東條課長の恋人ではなく、性奉仕と家事手伝い付きの部下でしか無かった。

東條課長は仕事もでき、容姿も極上にいい。
性格には難ありだけど、馬島建設で【結婚したい男抱かれたい男No.1】といわれていて、いつも女性社員が東條課長の近くをちょろちょろし手作り弁当か手作りお菓子を渡そうとしてそわそわしてる。

「社内恋愛は面倒臭い」と仕事に関係ない話をしてくる女性社員に対して完全無視している東條課長。

わたしなんかよりスタイルよくてきれいな婚活女子がたくさんいるのに、なんでわたしに食事を作らせ性のはけ口に使っていたのか理解できない。

わたしは「好き」だとか「愛してる」どころか、「可愛い」とか「きれいだ」という言葉を東條課長から言われた事もなく、プライペートも東條課長の部下としてお世話をしてた。

入社3年目に福岡にわたしが転勤する事が決まり、わたしに総合職から一般職になって設計アシスタントになれと強要してきて、しばらく仕事以外関係を絶っていたら、社内コンパで酔った勢いで受付嬢をしてる吉永理香子(よしながりかこ)とワンナイトラブをしでかし、孕ませてでき婚する事になった。

本当にワンナイトラブだったのかは不明……。
むしゃくしゃしたら、社内の滅多に人がこない資料室にわたしを連れ出し、そこでただ挿して抜くだけの行為をしていた最低男だったから。
財布と鞄にゴムを入れてる男だから避妊には抜かりは無かったとは思うけど、社内1の美女との一夜に種付けしてものにしようとしでかしたのかもしれない。

東條課長がわたしに、「愛してる。俺のそばにいて欲しい。総合職から一般職に結婚してくれ」と言ってくれてたら言われた通りにしてたかもしれない。
将来の約束もなく、総合職からキャリアを捨てて俺専属の一般職の設計アシスタントになれといわれて従うなんてあり得ない。

東京本社に戻ってきて、嫌でも東條課長の部下として仕事面は従わないといけない。

でも、絶対に昔みたいに男女関係だけにはならないと心に決めてる。


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