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草食系男子が実はロールキャベツ系男子だった
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「颯太、父さんに連れて行って貰うから先に行って」
結婚までの先が長いとわかってから、颯太と一緒にいるのが辛くて、颯太を避けるようになった。
いつもわたしから予定を決めてぐいぐいいってたけど、わたしから歩み寄らなくなったら完全にすれ違うようになった。
仕事あがりも1人でJRでさっさと帰る。
颯太もわたしと通勤しなくなったから早朝出勤深夜退社してる。
ベランダのベランダ隔て板の穴はわたしは通れるけど颯太は通れない。
颯太から結婚の時期を明確に言われた日から、その穴を通って颯太のところに行かなくなった。
わたしと颯太の間に距離感ができても、颯太が癌手術医療ロボットの開発に専念してるからと両親達は思ってる。
颯太とのすれ違い生活。
わたしが週に1~2回開発棟の受付をしてる時に、同僚達を連れてランチに声にかけにきたけど、その時だけしか顔を合わせなかった。
週末もわたしが『体調が悪い』とデートに誘われても断るからか颯太は休日出勤するようになった。
「一花、助かった!!来てくれてありがとう!!」
中高一貫校時代の友達から恒例の女子会に呼ばれて駆けつけるとベンチャー企業の若い起業家との合コンだった。
「あれっ、辻井の猫ちゃんじゃん!!」
合コンに参加してるメンバー5人のうち2人が颯太の親友で顔が引きつる。
「すみません。この子、頭数合わせなんで狙わないで下さいね」
かなり着飾ってる友人達の中でアプワイザーリッシェのオフィス仕様の淡いブルーのブラウスにベージュのスカートとシャネルの白いパンプスを合わせてるわたし。
「辻井が猫ちゃんを野放しにしてるなんてな。飼い猫もたまに家出したい時もあるよな……」
颯太の親友2人が面白がってわたしに話しかけてくる。
颯太はわたしの友達に忠犬ハチ公扱いされて、わたしは颯太の親友に飼い猫扱いされてる。
「辻井に猫ちゃんが合コンに参加してるってLINEしたら、あいつ、血相変えて駆けつけてくるな」
「.……だな。久しぶりにアイツに会いたいし、猫ちゃんを餌にアイツを呼び出す?」
「いいね!!」
合コン参加の男性陣が颯太の大学時代のゼミ繋がりの知り合いらしく、ふざけてスマホでわたしと写真を撮り、颯太にLINEメッセージで送った。
店の地図も丁寧に添付し、“猫ちゃんは預かった!!”と、かなり悪ノリしてた。
癌手術医療ロボットの開発で颯太はそれどころじゃないはずだからLINEメッセージに気づかないと思ってたらすぐに既録になった。
メッセージの返信はないけれど、『辻井、すぐに来るな!!』と颯太の親友達が話していて、最近、颯太とまともに顔を合わせてなかったから少し怖かった。
「……早かったな!!」
20分後、LINEメッセージを見て車を飛ばして駆けつけてきた颯太。
わたしの隣にどかっと座り、親友達を睨みつけた。
「……俺ら、親切に飼い猫ちゃんが家出してますよって教えただけだろ!!」
「……ごめんなさい。頭数要員に一花を呼んですみません」
わたしの友達も颯太から漂うブラックオーラにたじろぐ。
「最近、仕事に集中していて一花と時間取れてなかったから。一花は浮気とかする子じゃないから」
久しぶりの合コンという名の飲み会を楽しみ、その後、2次会でカラオケに行き、深夜0時過ぎに解散した。
「また飲み会しような!!」
わたしの友達と颯太の親友という繋がりがあるから、次回の開催を約束しお開きにした。
*****
「一花、おいで……」
マンションに帰ると思ってたのに、京都駅横のグランドプリンセスホテルに連れて行かれた。
1ヶ月半ぶりぐらいに颯太と2人きりで夜を過ごすのに緊張する。
いつもよりいい部屋をとっていて、窓から夜景を見てた。
先にシャワーを浴びて出てきた颯太がバスローブ姿で後ろからわたしを抱きしめてきた。
「……シャワー浴びてくる」
「その前に、一花、左手出して」
颯太の方を振り向くと、颯太がわたしの左手を左手で掴み、そして右手でキラキラ光る宝石がついた指輪をわたしの薬指にはめた。
「一花、俺と結婚して下さい」
跪いて左手薬指にキスを落とし、わたしの方を見上げプロポーズしてくれた。
「……癌手術医療ロボットの開発は?」
「なんとか形になった。これから現場で実用テストをして量産していく段階に入るからどうなるかはわからないけど……。
一花を奥さんにしたい。
一花、俺の奥さんになって」
ここのところずっと、颯太は職場にこもってた。
わたしと早く結婚したくて頑張ってくれた。
「……颯太、ありがとう。わたしを颯太の奥さんにして下さい」
わたしがそういうと、颯太が立ち上がってわたしを抱きしめ、そして、久しぶりにキスをし、そのまま、抱かれた。
いつもわたしから颯太を襲ってたのに、わたしをキングサイズのベッドに押し倒して、着ている服を剥ぎ取り、わたしの身体を喜ばす颯太。
1ヶ月半ぶりの逢瀬。
草食系男子と思ってた颯太は、わたしの前では草食系のふりをしていて、中身は肉食系なロールキャベツ系男子だった。
颯太の親友達がわたしを颯太の飼い猫扱いしても仕方がないぐらい、仕事の時以外はわたしを常に側におき、甘やかした。
毎日、ゴロゴロ喉を鳴らして飼い主に甘える飼い猫のようにわたしは颯太に甘え、颯太もわたしを溺愛した。
結婚までの先が長いとわかってから、颯太と一緒にいるのが辛くて、颯太を避けるようになった。
いつもわたしから予定を決めてぐいぐいいってたけど、わたしから歩み寄らなくなったら完全にすれ違うようになった。
仕事あがりも1人でJRでさっさと帰る。
颯太もわたしと通勤しなくなったから早朝出勤深夜退社してる。
ベランダのベランダ隔て板の穴はわたしは通れるけど颯太は通れない。
颯太から結婚の時期を明確に言われた日から、その穴を通って颯太のところに行かなくなった。
わたしと颯太の間に距離感ができても、颯太が癌手術医療ロボットの開発に専念してるからと両親達は思ってる。
颯太とのすれ違い生活。
わたしが週に1~2回開発棟の受付をしてる時に、同僚達を連れてランチに声にかけにきたけど、その時だけしか顔を合わせなかった。
週末もわたしが『体調が悪い』とデートに誘われても断るからか颯太は休日出勤するようになった。
「一花、助かった!!来てくれてありがとう!!」
中高一貫校時代の友達から恒例の女子会に呼ばれて駆けつけるとベンチャー企業の若い起業家との合コンだった。
「あれっ、辻井の猫ちゃんじゃん!!」
合コンに参加してるメンバー5人のうち2人が颯太の親友で顔が引きつる。
「すみません。この子、頭数合わせなんで狙わないで下さいね」
かなり着飾ってる友人達の中でアプワイザーリッシェのオフィス仕様の淡いブルーのブラウスにベージュのスカートとシャネルの白いパンプスを合わせてるわたし。
「辻井が猫ちゃんを野放しにしてるなんてな。飼い猫もたまに家出したい時もあるよな……」
颯太の親友2人が面白がってわたしに話しかけてくる。
颯太はわたしの友達に忠犬ハチ公扱いされて、わたしは颯太の親友に飼い猫扱いされてる。
「辻井に猫ちゃんが合コンに参加してるってLINEしたら、あいつ、血相変えて駆けつけてくるな」
「.……だな。久しぶりにアイツに会いたいし、猫ちゃんを餌にアイツを呼び出す?」
「いいね!!」
合コン参加の男性陣が颯太の大学時代のゼミ繋がりの知り合いらしく、ふざけてスマホでわたしと写真を撮り、颯太にLINEメッセージで送った。
店の地図も丁寧に添付し、“猫ちゃんは預かった!!”と、かなり悪ノリしてた。
癌手術医療ロボットの開発で颯太はそれどころじゃないはずだからLINEメッセージに気づかないと思ってたらすぐに既録になった。
メッセージの返信はないけれど、『辻井、すぐに来るな!!』と颯太の親友達が話していて、最近、颯太とまともに顔を合わせてなかったから少し怖かった。
「……早かったな!!」
20分後、LINEメッセージを見て車を飛ばして駆けつけてきた颯太。
わたしの隣にどかっと座り、親友達を睨みつけた。
「……俺ら、親切に飼い猫ちゃんが家出してますよって教えただけだろ!!」
「……ごめんなさい。頭数要員に一花を呼んですみません」
わたしの友達も颯太から漂うブラックオーラにたじろぐ。
「最近、仕事に集中していて一花と時間取れてなかったから。一花は浮気とかする子じゃないから」
久しぶりの合コンという名の飲み会を楽しみ、その後、2次会でカラオケに行き、深夜0時過ぎに解散した。
「また飲み会しような!!」
わたしの友達と颯太の親友という繋がりがあるから、次回の開催を約束しお開きにした。
*****
「一花、おいで……」
マンションに帰ると思ってたのに、京都駅横のグランドプリンセスホテルに連れて行かれた。
1ヶ月半ぶりぐらいに颯太と2人きりで夜を過ごすのに緊張する。
いつもよりいい部屋をとっていて、窓から夜景を見てた。
先にシャワーを浴びて出てきた颯太がバスローブ姿で後ろからわたしを抱きしめてきた。
「……シャワー浴びてくる」
「その前に、一花、左手出して」
颯太の方を振り向くと、颯太がわたしの左手を左手で掴み、そして右手でキラキラ光る宝石がついた指輪をわたしの薬指にはめた。
「一花、俺と結婚して下さい」
跪いて左手薬指にキスを落とし、わたしの方を見上げプロポーズしてくれた。
「……癌手術医療ロボットの開発は?」
「なんとか形になった。これから現場で実用テストをして量産していく段階に入るからどうなるかはわからないけど……。
一花を奥さんにしたい。
一花、俺の奥さんになって」
ここのところずっと、颯太は職場にこもってた。
わたしと早く結婚したくて頑張ってくれた。
「……颯太、ありがとう。わたしを颯太の奥さんにして下さい」
わたしがそういうと、颯太が立ち上がってわたしを抱きしめ、そして、久しぶりにキスをし、そのまま、抱かれた。
いつもわたしから颯太を襲ってたのに、わたしをキングサイズのベッドに押し倒して、着ている服を剥ぎ取り、わたしの身体を喜ばす颯太。
1ヶ月半ぶりの逢瀬。
草食系男子と思ってた颯太は、わたしの前では草食系のふりをしていて、中身は肉食系なロールキャベツ系男子だった。
颯太の親友達がわたしを颯太の飼い猫扱いしても仕方がないぐらい、仕事の時以外はわたしを常に側におき、甘やかした。
毎日、ゴロゴロ喉を鳴らして飼い主に甘える飼い猫のようにわたしは颯太に甘え、颯太もわたしを溺愛した。
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