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徹夜明けなのに急遽行われた怨霊討伐会議。
西条寺さんと堂本さんが天社土御門神道本庁に戻ってきていて、藤堂庁長と都市部の状況を話していて、その話に加わる。
「このままだと……日本、怨霊だらけになるぞ」
駆除し続けてもいっこうに減らない怨霊に、疲れ果てた西条寺さん。
休みなくほぼ全員で怨霊討伐をするも、増える一方。
エブウイルスが再流行し、都内の感染者数は2000人以上で死者が100人以上でている。
変異しやすいウイルスで完治してもまた別の型に感染し、抗体ができにくく、ワクチンが効かない。
病院の入院患者受入病床が足りず、重症患者以外はエブウイルス感染者は自宅療養せざるはおけず、助かる命も亡くなり、B級怨霊化してる。
「国会議員に取り憑いている怨霊を祓って、正気に戻し、オリンピック中止と陰陽省再建をさせて陰陽六行家の力も借りないと、このままだと本当に、マズい!!」
鎌倉将軍10人とその家来が国会議員に取り憑いている事を知った堂本さん。
今すぐにでも国会議事堂に攻め込むべきと提案してくる。
「鎌倉将軍はS級怨霊で家来はA級怨霊ですよ!!オリンピック選手村で討伐した数、数えきれてはいませんが、軽く100体はいたと思います。さすがに、……晴翔くんでも無理だと思います。S級怨霊5体いて、その内3体は特S級怨霊だったと思われます」
予知夢で感じた鎌倉将軍18人の呪力を思い出す。
千里眼で国会議事堂の様子を見て、怨霊の階級と数を探る。
「国会議員の数は…… 713人だよな。その内、何人に怨霊が取り憑いてるか」
「特S級怨霊10体、S級怨霊21体、A級怨霊1000体以上。国会議事堂にいる秘書や官僚にも、ほぼ全員が取り憑かれてる」
晴翔くんに聞かれ、答える。
国会議事堂は怨霊達のアジト化してる。
「……さすがにその数だと結界包囲除霊術を使うのは無理だな。結界ははっても外から除霊するのは無理だ。除霊を体外から引き摺り出し、十二神将と九星九宮を結界内に放って、体から引き離した怨霊を喰わせるか」
悪業罰示式神は怨霊を喰らうけど、神聖な十二神将と九星九宮に邪悪な呪力を喰わせて大丈夫なのか。
「十二神将と九星九宮は怨霊の呪力を陰陽力に変換して取り込む事ができる。俺の陰陽力が無限に近いのは、彼らに常に陰陽力を補給して貰ってるからだ」
体力的頭脳的には疲れていても、陰陽力は漲っている晴翔くんの特性のメカニズムを知る。
「お前も、気づいてないかもしれないが卑弥呼を吸収した事で、祓った怨霊の呪力を陰陽力として吸収してる」
卑弥ちゃんを吸収してから、陰陽力に常に満たされてる気はしてた。
「……陰陽力は問題ないが、流石に徹夜明けだから、休ませてくれ。頭が働かない」
晴翔くんが珍しく休養をとる。
結界包囲除霊術は相当疲れるらしい。
天社土御門神道本庁の離れにある晴翔くん専用の部屋に入っていった。
「美桜さんも休んでおいで。オリンピック選手村の怨霊討伐、お疲れ様!!」
西条寺さんと堂本さんはテレポートで都市部の怨霊討伐パトロールに戻った。
「美桜ちゃん専用のお部屋用意したよ!私の隣の部屋!!」
討伐に出てる間にかぐらちゃんが離れにある空き部屋にベッドとパソコンデスクを置き、私の部屋を作ってくれてた。
A級怨霊が出現するたびに、晴翔くんに全国各地連れ回される生活を送っていて、天社土御門神道本庁にはあまり来ないからゲストルームを使わせて貰ってた。
「テレポートですぐに来れるし、ホテルとか神社に泊まらずにここに帰っておいでよ!!」
ふかふかのお布団に枕、可愛いネグリジェも置いてあり、気持ちが上がる。
ネグリジェに着替えて布団に入り、休む。
ぐっすりと眠る時は予知夢を見る事が多い。
ーー今日だけは楽しい夢を見て、幸せな気持ちになりたい。
****
「頼朝、……なんで、わらわだけでは満足できないのですか!!」
梅色の壺装束の着物姿の女性が、浅葱色の小袖と白い袴を着た男性に泣きながらしがみつく。
「………」
夢の中、私は鎌倉時代にタイムスリップした。
源頼朝が浮気をして、北条政子がそれを責めてる姿が見える。
亀の前、大進局、丹後局、妙悟尼。
未遂で終わった祥寿姫。
浮気をし、その相手に子供まで産ませた頼朝に、北条政子は毎日泣いていた。
源頼朝は恋多い男。
北条政子と夫婦になる前に愛していたけど別れさせられた女性の利根局、八重姫の事が忘れず、女遊びを繰り返し、北条政子を泣かせてた。
過去に遡り、北条政子の『朝廷を守るためというスタンスで平家を滅ぼしなさい』という助言で平家を滅ぼし、朝廷から征夷大将軍に任命される事になった源頼朝の姿が映る。
天才的な政治家で優れた策略家と言われたのは、全て、北条政子の助言と陰陽力のおかげだった。
なのに……源頼朝は浮気をし、北条政子を悲しませる。
北条政子は呪力で源頼朝を支えたと卑弥ちゃんは言ってたけど、陰陽力で戦を有利に持っていってた。
マインドリーディングで他人の感情や考えを読み取り、マインドコントロールで家臣を操り、敵を自滅に追い込んた。
神通力の予知ではなく、陰陽力。
それが、度重なる源頼朝の浮気で心を病み、無念に亡くなった落武者の怨念を身体に吸収する呪力の使い手になってしまった。
北条政子は……可哀想過ぎてならなかった。
西条寺さんと堂本さんが天社土御門神道本庁に戻ってきていて、藤堂庁長と都市部の状況を話していて、その話に加わる。
「このままだと……日本、怨霊だらけになるぞ」
駆除し続けてもいっこうに減らない怨霊に、疲れ果てた西条寺さん。
休みなくほぼ全員で怨霊討伐をするも、増える一方。
エブウイルスが再流行し、都内の感染者数は2000人以上で死者が100人以上でている。
変異しやすいウイルスで完治してもまた別の型に感染し、抗体ができにくく、ワクチンが効かない。
病院の入院患者受入病床が足りず、重症患者以外はエブウイルス感染者は自宅療養せざるはおけず、助かる命も亡くなり、B級怨霊化してる。
「国会議員に取り憑いている怨霊を祓って、正気に戻し、オリンピック中止と陰陽省再建をさせて陰陽六行家の力も借りないと、このままだと本当に、マズい!!」
鎌倉将軍10人とその家来が国会議員に取り憑いている事を知った堂本さん。
今すぐにでも国会議事堂に攻め込むべきと提案してくる。
「鎌倉将軍はS級怨霊で家来はA級怨霊ですよ!!オリンピック選手村で討伐した数、数えきれてはいませんが、軽く100体はいたと思います。さすがに、……晴翔くんでも無理だと思います。S級怨霊5体いて、その内3体は特S級怨霊だったと思われます」
予知夢で感じた鎌倉将軍18人の呪力を思い出す。
千里眼で国会議事堂の様子を見て、怨霊の階級と数を探る。
「国会議員の数は…… 713人だよな。その内、何人に怨霊が取り憑いてるか」
「特S級怨霊10体、S級怨霊21体、A級怨霊1000体以上。国会議事堂にいる秘書や官僚にも、ほぼ全員が取り憑かれてる」
晴翔くんに聞かれ、答える。
国会議事堂は怨霊達のアジト化してる。
「……さすがにその数だと結界包囲除霊術を使うのは無理だな。結界ははっても外から除霊するのは無理だ。除霊を体外から引き摺り出し、十二神将と九星九宮を結界内に放って、体から引き離した怨霊を喰わせるか」
悪業罰示式神は怨霊を喰らうけど、神聖な十二神将と九星九宮に邪悪な呪力を喰わせて大丈夫なのか。
「十二神将と九星九宮は怨霊の呪力を陰陽力に変換して取り込む事ができる。俺の陰陽力が無限に近いのは、彼らに常に陰陽力を補給して貰ってるからだ」
体力的頭脳的には疲れていても、陰陽力は漲っている晴翔くんの特性のメカニズムを知る。
「お前も、気づいてないかもしれないが卑弥呼を吸収した事で、祓った怨霊の呪力を陰陽力として吸収してる」
卑弥ちゃんを吸収してから、陰陽力に常に満たされてる気はしてた。
「……陰陽力は問題ないが、流石に徹夜明けだから、休ませてくれ。頭が働かない」
晴翔くんが珍しく休養をとる。
結界包囲除霊術は相当疲れるらしい。
天社土御門神道本庁の離れにある晴翔くん専用の部屋に入っていった。
「美桜さんも休んでおいで。オリンピック選手村の怨霊討伐、お疲れ様!!」
西条寺さんと堂本さんはテレポートで都市部の怨霊討伐パトロールに戻った。
「美桜ちゃん専用のお部屋用意したよ!私の隣の部屋!!」
討伐に出てる間にかぐらちゃんが離れにある空き部屋にベッドとパソコンデスクを置き、私の部屋を作ってくれてた。
A級怨霊が出現するたびに、晴翔くんに全国各地連れ回される生活を送っていて、天社土御門神道本庁にはあまり来ないからゲストルームを使わせて貰ってた。
「テレポートですぐに来れるし、ホテルとか神社に泊まらずにここに帰っておいでよ!!」
ふかふかのお布団に枕、可愛いネグリジェも置いてあり、気持ちが上がる。
ネグリジェに着替えて布団に入り、休む。
ぐっすりと眠る時は予知夢を見る事が多い。
ーー今日だけは楽しい夢を見て、幸せな気持ちになりたい。
****
「頼朝、……なんで、わらわだけでは満足できないのですか!!」
梅色の壺装束の着物姿の女性が、浅葱色の小袖と白い袴を着た男性に泣きながらしがみつく。
「………」
夢の中、私は鎌倉時代にタイムスリップした。
源頼朝が浮気をして、北条政子がそれを責めてる姿が見える。
亀の前、大進局、丹後局、妙悟尼。
未遂で終わった祥寿姫。
浮気をし、その相手に子供まで産ませた頼朝に、北条政子は毎日泣いていた。
源頼朝は恋多い男。
北条政子と夫婦になる前に愛していたけど別れさせられた女性の利根局、八重姫の事が忘れず、女遊びを繰り返し、北条政子を泣かせてた。
過去に遡り、北条政子の『朝廷を守るためというスタンスで平家を滅ぼしなさい』という助言で平家を滅ぼし、朝廷から征夷大将軍に任命される事になった源頼朝の姿が映る。
天才的な政治家で優れた策略家と言われたのは、全て、北条政子の助言と陰陽力のおかげだった。
なのに……源頼朝は浮気をし、北条政子を悲しませる。
北条政子は呪力で源頼朝を支えたと卑弥ちゃんは言ってたけど、陰陽力で戦を有利に持っていってた。
マインドリーディングで他人の感情や考えを読み取り、マインドコントロールで家臣を操り、敵を自滅に追い込んた。
神通力の予知ではなく、陰陽力。
それが、度重なる源頼朝の浮気で心を病み、無念に亡くなった落武者の怨念を身体に吸収する呪力の使い手になってしまった。
北条政子は……可哀想過ぎてならなかった。
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