政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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時速380kmで峠を暴走するオンボロ83

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「葛城、手伝ってくれ!!」

半導体システムを研究している松波忠久教授のゼミにはとんでもない先輩方がいる。

「改造83かfcで時速350km出たら750万出すって岡田がいってたんだが……」

経済学研究科にいるイヲンの御曹司、岡田誠也は車オタクだ。
関東の峠という峠を夜な夜な回っているらしい。

「……できなくはないが、純正ECUのプログラム書き換えでこの速度は無理だから、ECUを自作する必要あるな」

ECUとは、自動車を構成する部品の中でも「走る・曲がる・止まる」という基本的な車本来の機能を電子的に制御する、極めてメカニカルな部品で、車の「頭脳」に当たる。
ATやCVTに代表されるトランスミッションやガス燃料エンジン制御、ストップ&スタートやパワーステアリングなど100を超える数のECUが搭載されている。

「トランスミッション制御ECU、ガス燃料用エンジン制御ECU、パワーステアリング制御ECU、エンジン制御ECU、ADAS用ECUを自作する。22~25ナノプロセスで製作する」

「……葛城、無理いうなよ。俺のじいちゃんが残した装置だと40ナノプロセスが最小だぞ!!」

「材料揃えれば組めるだろっ。やるぞっ!!」

学費と半導体製作所起業資金を稼ぐために、杉瀬凛太郎先輩は葛城雅樹先輩ととんでもないものを製造している。

1ヶ月後、葛城先輩設計、杉瀬先輩製造でトミタ83年式スプリンター・トレノの改造車が完成した。

見た目オンボロな初代83。
カローアレビン スプリンタートレノのレッド。

完成した車の試乗でゼミメンバー総動員で神奈川県の走り屋スポット、長尾峠にやってきた。
標高911mの富士や箱根の自然を満喫できるドライブコース。

「三井さん、車好きなんだ」

「……は、はい」

私がデンタの創業者一族の娘だという事は、誰にも知られていない。

車載電子部品開発のメーカーで研究開発をするなら車の運転ができないと話にならないと、大学入学の祝いとしてトミタ スープロをプレゼントされた。

「三井さん、対戦相手やってよ!!」

「……無理です。デザインが好きで乗ってるだけなんです!!」

ドーンブルーメタリックの走り屋仕様の愛車を見て、ゼミメンバーに引かれてしまった。


岡田先輩が走り屋仲間を連れて到着した。
83に乗り込み下りでタイムを測る。

中古で購入したオンボロ83は210万円。
ECUなどをカスタマイズに100万円近くかかったらしい。

「1分28秒!!……時速380km!!」

スタートからゴールまでが異様な速さで、全員が驚き声を失う。
3分峠といわれる短いコースだけど、コーナーがぐねぐねと続き、急カーブなところもある。

「机上の計算では420キロ超えだったんだがな、空気の壁は想像以上だな」

葛城先輩は見た目はオンボロ、中身はレーシングカーなとんでもない車を開発した。



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