政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

文字の大きさ
3 / 30

オンボロ83、購入する

しおりを挟む
「岡田さん、お疲れ様です!!」

車から岡田先輩がなかなか出て来ないから、走り屋仲間の男性が運転席のドアを開けた。

「……失神してる!!どうやってここまで降りて来たんだ!!」

普段時速120~180kmで走ってるコースをその2倍以上のスピードで走る。
コーナーだらけの峠の下りを走るのは恐怖でしかないと思う。

「事故でもされて死なれたら困るから、自動運転機能をつけた。おかげで画像認識装置とか部品代が余計にかかってしまった」

自動運転装置の研究開発が世界各国の自動車メーカーでされてるが、まだ実用化可能まではいってない。

「……時速380kmで自動運転」

自動車部品メーカーの創業者一族の娘として産まれたから、そういう情報は毎日必ずチェックして把握している。

「岡田さん、750万、一括で払って下さいよ!!」

失神している岡田先輩に杉瀬先輩が肩をゆすって起こす。

「……さすがにこんな危険な車は」

「自動運転機能付きだから危なくないですよ。対向車を察知したら自動で速度が落ちて停車する機能もついてるから、事故の心配も無いです」

杉瀬先輩が岡田先輩に必死に売りつけようとする。
開発費に300万円以上かかってたら、買って貰わないと困るだろう。

「……750万円で私が買います!!」

オンボロ83に取りつけた自作ECUの仕様が気になり、思わず、立候補してしまった。

「えっ、三井、本気か!?ゼミメンバーに750万出させるのは悪だろ。450万円ね」

杉瀬先輩が名乗り出た私に驚くも、購入させてくれた。


***

「オンボロ83の購入者様ですね、どうぞ!!」

次の日の朝、購入手続きで杉瀬先輩の自宅にお邪魔した。

インターフォンを鳴らすと150cmぐらいの可愛い女の子が出てきて、古びた町工場の中にある事務所に案内してくれた。

「兄を呼んできますね!!」

杉瀬先輩は家族経営していた町工場が不渡りで借金を抱え、それを苦に両親が自殺し、妹と2人暮らしをしてる。

「三井、早かったな!!契約書にサインと支払い、クレジットカード決済……ブラックカード!!」

父から家族カードを渡されてる。
自作ECU改造車で自動運転安全装置付きで時速380km出る事を父に話したら、購入した事を許してくれた。

450万円の価値はある。

引き落とし額は伝えてないけど、許してくれるはず。

「国立大学大学院に通う学生さんって裕福な方が多いんですね」

450万円を一括購入した私に、妹さんは驚くではなく引いてるようだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

初恋のひとに告白を言いふらされて学園中の笑い者にされましたが、大人のつまはじきの方が遥かに恐ろしいことを彼が教えてくれました

3333(トリささみ)
恋愛
「あなたのことが、あの時からずっと好きでした。よろしければわたくしと、お付き合いしていただけませんか?」 男爵令嬢だが何不自由なく平和に暮らしていたアリサの日常は、その告白により崩れ去った。 初恋の相手であるレオナルドは、彼女の告白を陰湿になじるだけでなく、通っていた貴族学園に言いふらした。 その結果、全校生徒の笑い者にされたアリサは悲嘆し、絶望の底に突き落とされた。 しかしそれからすぐ『本物のつまはじき』を知ることになる。 社会的な孤立をメインに書いているので読む人によっては抵抗があるかもしれません。 一人称視点と三人称視点が交じっていて読みにくいところがあります。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

処理中です...