政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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発明王のお近づきにはなれない

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「日本の大学院生も……やるな。どこでこんな技術を学ぶんだ……」

年末年始休暇は必ず地元刈谷に長期帰省をし、トミタタウンでエンジン制御装置の研究開発を学んでいる。
夏休みと正月休みは颯人兄さんも帰国して一緒に学ぶんだけど、夏の帰省時から葛城先輩と杉瀬兄妹の事が気になって仕方がないらしく、新しい発明品に釘付けになる。

「葛城先輩はわからないけど、杉瀬先輩はご実家が産業用ロボットの開発設計をしていて、小さい頃から仕事を手伝っていたから制御回路基板製造と制御プログラムを組む事ができるみたいよ!!」

自動車産業と電子部品関係の情報収集はしていても、私は大学生になるまでは専門的な研究開発に一切関わっていなかった。
大学進学のための勉強と語学しか学んでいなかった。

「7nm プロセスだと……やっぱ違うな」

半導体デバイスの微細化は、チップ面積に多くのトランジスタを乗せられることにより高機能化が実現でき、小さなトランジスタにする事で低電圧で動作することからも高速化と省電化、ONとOFFの電圧差が小さくなることで高速のスイッチが可能となる。

ドラえ○んの不思議道具並に高性能なプロジェクター。

「開発に立ち合ってみたいな」

葛城先輩と杉瀬先輩の人柄を知らない颯人兄さんは言う。

研究科のゼミに所属して9ヶ月。
ゼミの研究課題で、私は毎日地獄を見ている。

松波忠久教授はAI時代に向けたLSIのハード・制御ソフト・機械学習から応用・社会実装の研究をされている。

画像認識や物体認識を深層学習で行うために必要な電子部品、CiM、ReRAM(抵抗変化型メモリ)、FeFET(強誘電体FET)の開発。
機械学習を高速・低電力に実行するプロセッサ(AIチップ)の開発。

あまりに高度過ぎる研究内容だから、理解できているのは葛城先輩、ただ1人。

だから、ゼミメンバーは葛城先輩から研究分担や実験を指示され、それをひたすら黙々と熟す。

「三谷、テストレポート完成した?」

「はい」

「じゃ、そのレポート、添付データで俺のアドレスに送って」

葛城先輩は人を寄せつけないブラックオーラがある。
レポート提出後不備や間違いがあると論理的な話し方で追及してくるから恐怖だ。
ゼミに入ってから長期休暇期間以外は研究室にこもってひたすら実験を行い、レポート作成をしている。
時に研究室に泊まり込み徹夜になる事もある。

ゼミメンバー全員が葛城先輩の事を一目置いて尊敬はしていても、恐れている。

葛城先輩とまともに会話ができるのは、杉瀬先輩だけ。

そのせいか、2人はデキてるという噂が流れてたりする。


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