政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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修士論文に四苦八苦 1

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ナノ3半導体製造設備が完成したとデンタの半導体研究開発センター朝から連絡が入ったのが10月1日。

設備が完成した事を葛城先輩に伝えたら、

『じゃ、早速だけど、このAIチップを作成してきてくれない?』

AIチップの設計図とUSBメモリを渡され、即日、車を走らせ、研究開発センターに持っていき、発注をかける。

納期最短で14日に完成連絡が入り、その日のうちに受け取りに車を走らせる。

『バグあるから、回路変更するから作り直して』

『……はい』

修士課程2年目。
卒業論文の論文題目届を11月10日までに提出しないといけないのに、何かと伝書鳩如く使われ、自分の研究ができていない。

「電力制御システムの微細化による飛躍的高効率・低コスト化の研究ってどう?」

研究室で白紙の論文題目届を机の上に置き、呆然としている私に、杉瀬先輩が神の如く助言を下さった。

「せっかく3nm以下半導体開発に携わってるんだから、使えるもんは使いなよ!!」

納期半年でナノ3半導体製造設備を完成させるのは、かなりが無理あった。
葛城先輩は3nm以下半導体対応の電子部品、トランジスタ、コンデンサ、抵抗などを48種類設計した。
トミタ関連でも微小化電子部品は製造できる設備がある子会社、協力会社は限られている。

最先端半導体技術開発製造成功のポジションと発明家チーム葛城の信頼を得る事を狙って、和雄おじさんは最優先で開発製造をさせた。

私は、発明家チーム葛城とデンタの研究の架け橋を繋いだだけ。

伝書鳩にしかなってない。


「……微細化半導体で飛躍的高効率・低コスト化が見込めるのは理論的にはわかりますが、それを実験して結果を出して論文に仕上げるのは無理です」

修士論文は所属した研究室、ゼミで継続的に行っている実験や調査の一部を担うことが多い。
これまでの過程を理解し指導教官の指示のもと実験・調査を行い、その結果や考えられることを文章化していくことが求められる。
なお、引き継ぎの研究も多いことから、それを継続研究として行う事もできる。

松波教授の研究室に在籍しているから、半導体技術に関する論文をまとめないといけないけれど、難易度が高過ぎて、理解できてなかったりする。

葛城先輩が教授の指示で行なった研究に関し、丁寧すぎるぐらいにまとめて製本してあるが、それは早いもの勝ちで、他の研究室のメンバーにとられてしまった。

葛城先輩は人間味があるコミュニケーション能力が高いAI人工知能を開発する事を目論んでいる。
そのために微細化半導体が必要と松波教授と話していた。

微細化半導体の研究は研究室で行なっていない。
ナノ3半導体は高価で、日本で基盤の製造ができない事から大学院の研究でも手を出す事は難しかった。

「実験から論文作成まで、俺が面倒見るよ。今から取りかかるとなると、早々に実験を行わないといけないな」

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