政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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デンタに必要な人

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「卒論が無事に通って博士課程に進めて良かったな」

2月半ばに行われた口頭試問。
松波教授が主査で、修士論文の内容に関連した学問分野の先生が5名副査された。
半導体研究といえば微細化が最先端研究で1番求められている研究。
だから根掘り葉掘り、所要時間30分のとこがオーバーで1時間超えの口頭試問になり、地獄だった。

杉瀬先輩が口頭試問対策で、教授達が聞いてきそうな試問とそのベストアンサーを紙に書いて渡してくれた。

半導体の微細化による飛躍的高効率・低コスト化。

同じ設計で組んでの違いで比較だから、大した事はしていない。
集積密度、集積回路の動作周波数、動作周波数当たりの消費電力。

微細化させる事で基盤が小型化され、動作が速く、消費電力も少なくすむ。
バッテリーとメモリーの容量を増やす事ができ、機能追加で小型なのに画面分割で2番組視聴も可能になる。

画期的な研究内容ではないけれど、独自性、実証性、論理性を評価された。

修士論文は不合格者は少ない。
だけど、100ページ近くのボリュームがある論文作成はかなりきつかった。

修士課程の学位授与式を終え、地元に戻り、両親へ報告する。

「白百合、葛城雅樹を夫に迎え、デンタに連れてこい」

葛城先輩の完璧な設計図のおかげで、デンタでナノ3半導体を製造する事ができるようになった。

私の父は厳格な人。
私の教育に関し、厳しかった。

物心ついた頃には習い事でスケジュールが埋まっていた。
学校のテストや塾の模試はトップ層にいないといけない。
資格や検定は1発合格しないといけない。

母の兄である和雄おじさんが何かと声をかけてくれて、颯人兄さんと兄妹のように育てられたから救われたけれど、苦しかった。


「……葛城先輩は、恋愛に全く興味無さそうだからな」

頭脳明晰、眉目秀麗、将来有望な葛城先輩に寄りつく女性は多い。

だけど、大学に入ってから、彼女がいた事は1度もないらしい。

「葛城先輩に……どうやってお近づきになればいいのか」

デンタとの共同開発で関わりはあるけれど、葛城先輩とは必要最低限の会話もできてなかった。

父から言われた事は必ず成功させないといけないが、葛城先輩と恋仲になれる気はしない。

杉瀬先輩の事が本気で好きになっているこの気持ちを封印して、葛城先輩にどうアプローチすれば良いのか全くわからない。

恋愛に関して、私は無知である。

学校で習ってないし、入試対策で読んだ恋愛絡みの小説にも、攻略方法は描いてなかった。



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