37 / 71
始まり
しおりを挟むあぁ、ダメだ.......死ぬかと思った.......。誰だよジェットコースターなんて考えたやつ.......俺は絶対に許さんからな。恐らくジェットコースターを考えた人は、既に亡くなられてしまっているのだろうが俺はそれでも絶対に許さないと決めた。決めたったら決めたのだ!
「和哉くん.......ぎゃああって、ぎゃああって言ってた.......」
「.......笑いすぎだろ」
みゆはジェットコースターを降りたらどころか、ジェットコースターに乗ってい時から今に至るまでずっと笑っていた。.......おのれジェットコースターめ。ジェットコースターを終えてなお俺をコケにするのか.......。絶対にお前になんか一生乗ってやらないからな!
「もしかして、拗ねてるの?」
「.......拗ねてない」
「思いっきり拗ねてるよね? もう笑わないし絶叫系に乗ろうなんて言わないから機嫌直して?」
そう言ってみゆは少し背伸びをしながら俺の頭を撫でてくる。.......なんか、めっちゃ子供扱いをされている気がする。最近みゆは俺の事を子供っぽいとからかってくることが増えたがこれもその延長線なのだろうか? けどなんかこれ落ち着くって.......落ち着いちゃダメだろ。なんで俺は同級生に母性を感じてるんだ。下手したら犯罪だぞ?
「そろそろ撫でるのやめてもらっていいか? 普通に恥ずい」
「むぅ.......和哉くんがそう言うなら」
「それで、次は何に乗る?」
「私はなんでもいいよ?」
そういうことなら何か仕返しの出来そうなアトラクションは無いものだろうか? このままみゆに馬鹿にされっぱなしというのも気に食わないし.......。そう思いながら園内マップを見て何があるかを確認する。
「なんか、和哉くん子供みたいなこと考えてない?」
「ん? 気のせいだろ」
「.......そう?」
「あぁ」
さてさて、どうしたものかと.......お化け屋敷か。みゆってホラー系とか大丈夫なのだろうか? 女子って大抵怖くなかったとしてもこういったところに行くとキャーキャー喚くイメージがあるから分かんないんだよなぁ.......まぁ、みゆに普通の女子というものを当てはめていいものかも分からないし.......絶対にみゆって怖くてもキャーキャー喚いたりしたいだろうから。
「和哉くん。私の方をじっと見て今度はなにか失礼なこと考えてない?」
「いや、考えてないと思うぞ?」
「.......なんで疑問形なの。まぁ、いいや。それで、決まったの?」
「お化け屋敷とかどうだ?」
「残念だけど私、お化けとかは平気だよ?」
完全に見透かされていた。それにやっぱり平気だったかぁ.......まぁ、そんな感じするしなぁ.......。けどまぁ、ここでやめたらそれこそ子供っぽいし俺が行きたかったということにして行くとしようか。どうせ、乗りたいアトラクションも特に無いしな。
「普通に俺が行ってみたいだけだ」
「また、ぎゃああってなっても知らないよ?」
「.......うるせぇ。俺はホラー系の映画とかも普通に見れるから大丈夫だよ」
「ふーん」
それから俺とみゆはお化け屋敷へと向かう。ここのお化け屋敷は実際にあった病院を改装してお化け屋敷としているためすごく怖いと話だけは聞いたことがあったが、実際目の前にすると本当に少しだが怖そうだな.......。
「それじゃあ、行くか.......」
「和哉くん。本当にさっきみたいにぎゃああってなっても知らないよ?」
「さっきからしつこいぞってまさか、怖いのか?」
「.......そんなわけない」
「おやおやおや。どうしてそこで目を逸らすのですか?」
「.......うるさい。早く行く」
そう言ってみゆは俺の手を取って、ずんずんとお化け屋敷の中に入っていく。このお化け屋敷は何人かのグループ事に屋敷内の順路に従って進んでいく形式らしく、そのための受付を屋敷に入ってすぐの受付で済ませる。そうするとカードが渡されそのカードにはメスと書いてあった。つまり、俺達はメスグループだそうだ。グループ名がアナウンスされたら所定の場所に集まるように言われた。
「メスって何?」
「性別の事じゃないか?」
『麻酔グループの皆さんは、オペ室に集合してください。繰り返します麻酔グループの皆さんは、オペ室に集合してください』
「メスって医療器具のメスなんだね.......」
「変なところで凝ってるな.......」
オペ室というのは、先程言っていた所定の場所のことで受付のすぐ隣くらいにある扉の向こうがそうらしい。それから、30分ほどするとメスグループの集合がかけられた。オペ室に入るとそこには、俺とみゆを含め10人ほどのグループとなっていた。
「メスグループの皆さんですね? カードと引替えにそれぞれ、サージカルヘッドライトをお渡ししますので取りに来てください」
サージカルヘッドライトというのは、よく医療系のドラマで手術するお医者様がおでこに付けているものであった。スタッフの人にメスと書かれたカードとサージカルヘッドライトを交換してもらい装着する。光量は足元を照らすとギリギリ見えるくらいに調節されていた。
「皆さんライトの装着は完了しましたか? 完了したということで説明させてもらいます.......」
みたいな感じでスタッフからの説明があったが、要するに順路に従って進めだの、前の人を押すなということや走るなといったことだった。これだけ聞いていると、防災訓練を連想してしまう。
「最後にですが、この先で何があったとしてもそれは自己責任となりますのでここから先に進む方はそちらに同意したということになります。もし、今からでもやめたいと言う方がいらっしゃるのならそちらの出口から退場してください」
何それ.......このお化け屋敷ってどんだけ怖いの? 何があったとしてもって何があるんだよ.......。
「誰も退場しないということでよろしいですか? .......よろしいみたいなのでそちらの扉から順路に従って進んでください」
そう言って一礼したスタッフさんが扉を開けてくれるので進んでいく。俺とみゆは最後尾として前の人達について行くことにした。.......別にびびった訳ではないからな!
「ねぇ、和哉くん.......」
「.......なんだ?」
「手繋いで欲しい.......」
「やっぱり、怖かったのか?」
「.......和哉くんの意地悪」
そうは言いつつも俺はみゆの手を握ってやる。別に俺が怖くてみゆの手を繋いだけではない。みゆがどうしてもと言うから繋いでやっただけだ。それ以上でもそれ以下でもないとだけ言っておく。.......本当だよ?
それから、俺とみゆは最後尾を2人並んで前の人について行く。前の人が先に驚いてくれるので先に何かがあることは心構え出来たので俺としては正直そこまで怖くはなかったが、みゆはそういうわけにもいかないらしく手を繋ぐどころかガッツリ俺の腕にしがみついていた。そのまま、少しの間歩いていると
「なんだろ? って、きゃぁぁあああ!!!」
みゆが下を向いたと思ったら急に叫び始めたのでなんだと思って下を見るとそこには生首が落ちていた.......。
「ぎゃぁぁぁぁああ!!!!」
いや、これはダメだろ.......いくら模型といっても下を向いたら生首って.......恐らくみゆは何かが足に当たったと思って下を向いたらところそれは生首であったのだろう。そりゃ、叫んじゃうよ。俺も叫んじゃったし.......。
「なんだ、なんだって、うわぁぁぁあ!!」
「く、くびぃぃぃぃ!」
「もうやだぁぁぁ!!!」
などと叫んで同じメスグループの人達はみんな逃げるように先に進んでいく。俺もそれに続こうとしたのだが、
「和哉くん.......どうしよう.......腰抜けちゃった.......」
「.......まじですか」
まぁ、仕方ないとは思うけど何でよりによってこのタイミングなんだよ.......。完全に俺とみゆはメスグループの人達に置いていかれてしまったらしくこの場には俺とみゆしかいない。
「立てそうにないのか?」
「.......うん」
「はぁ.......仕方ねぇな」
そう言って俺はみゆの前に背を向けてしゃがみこむ。下を見るとそこには生首が落ちていたが少しビクついたくらいで2度目になるとさすがに悲鳴をあげたりはしなかった。
「.......和哉くん何してるの?」
「何っておんぶだよ。このままずっとここにいる訳にもいかないだろ」
「.......ごめん。ありがとう」
そう言って、みゆはおずおずといった感じではあるが俺の背中に身を預けてくれる。そのまま、俺は立ち上がるもそのあまりの軽さに驚く。それに何とは言わないが、女の子独特の柔らかさが背中に.......。
それから俺はみゆを背中に抱えたまま、一刻も早くこのお化け屋敷から立ち去るべく歩き始めるのだが.......ことある事に悲鳴をあげてしまう俺。その度にビクビクと背中で反応してしまうみゆ。うん、みゆには申し訳ないとは思うけど顔を俺の背中に埋めて何も見ようとしないのはずるいのではないでしょうか? そんなこんなで何とか俺は出口まで辿り着くことが出来たのでそこでみゆを背中から下ろしてやる。
「もう立てそうか?」
「うん、大丈夫。ごめんね?」
「いや、いいよ。俺がお化け屋敷に行きたいって言い出したんだし.......」
みゆを怖がらせるという当初の目的は達成したが、それ以上に俺が怖がってしまっていた.......。まじでホラー映画なんかとは比べものにならないくらい怖かった.......。
「とりあえず、どこかで休むか?」
「うん」
お化け屋敷を出ると外はもう夕方であった。俺とみゆは少し歩いたところにあったベンチに並んで座る。.......なんか、アトラクションの後の度にベンチに座ってるな。まぁ、2つだけなんだけど.......。
「あと、乗れて1つくらいだけど何にする?」
「最後は観覧車に乗ってみたい」
「観覧車か.......それはいいな.......あれは、平穏そうだ」
「和哉くん、またぎゃああってなってたもんね」
「うるせぇ。腰を抜かしてたやつにだけは言われたくねぇ」
俺とみゆは5分ほどベンチで休んだあと、観覧車の方へと向かった。もう夕方ということで、家族連れの人達が帰って人が減ったからか観覧車には10分ほど並ぶだけで乗ることができた。
「観覧車って思ったよりゆっくり上がって行くんだね」
「だなぁ。けど、これくらい平和な方がいいよ」
「こらなら、ぎゃああってならなさそうだもんね」
「.......まだ言うか」
「ふふ。和哉くんをからかうのは楽しいから」
それから俺とみゆは観覧車が頂上付近に来るまでお互いに無言で観覧車の窓から見える外の景色を眺めていた。夕焼け空の街並みといった感じですごく綺麗に見えていた。
「もうすぐ頂上だね」
「だな」
「ねぇ、和哉くん」
「なんだ?」
「ありがとね」
なんで、俺はお礼を言われているのだろうか? まださっきのお化け屋敷でのことを気にしているのか?
「なんのことだ?」
「全部だよ。さっきのお化け屋敷の時のことも含めて、私を家に連れ帰ってくれたり私のために倒れるまで働いてくれたことも全部についてのありがとうだよ」
「.......いきなりどうしたんだ?」
「和哉くんがいなかったら私、今頃死んじゃってたかもしれないから。けど、今私はこうして遊園地に来られている。全部、和哉くんのおかげだから」
確かに初めて話しかけた日のみゆは今にも消えてしまいそうに見えたし、あのまま放っておくとみゆは死んでいてもおかしくないほど肉体的というより精神的に弱っていた。
「あれは、俺が勝手にしたことだから気にするな」
「それは無理だよ。私は和哉くんに救われちゃったんだから」
「.......そうか」
「だから、私が和哉くんのことを好きになっちゃうのも仕方ないんだよ」
「え?」
今、みゆはなんて言ったんだ? 俺のことが好き? 本当にそう言ったのか? いやいやいや、落ち着け俺.......いや、落ち着けないだろ。
「ねぇ、和哉くん。和哉くんは私の事嫌い?」
「い、いや。そんなわけないだろ」
「うん、ありがとう。私も和哉くんのことは大好きだよ」
大好きっか.......面と向かって、言われるとすごく恥ずかしいな.......。けど、俺はどうなのだろうか? そんなもの、考える必要はなかった。みゆに好きだと言われた瞬間、恥ずかしくもあったけど何よりもとても嬉しかったのだ。つまり、俺の中ではもう答えが出ていたのだろう.......まさか、みゆから告白されてから自分の気持ちに気付くことになるなんてな.......。はぁ、俺は自分で思っていた以上にみゆの言う通り子供だったのかもしれないな.......。
「.......俺もだよ」
「え?」
「俺もみゆのことは好きだって言ったんだよ」
「それじゃあ、」
「あぁ。良かったら俺と付き合ってくれないか?」
これだけはみゆの口からは言わせてはいけないと思った。今更どの口が言ってんだ感は否めないが、それでもこれは男の俺が言うべきだと思ったのだ。
「はい。.......まさか、こんなに幸せに思える日が来るなんて.......私、和哉くんに出会えて本当に良かった」
そう言って微笑むみゆは、俺がみゆのことを好きだということを自覚したからか観覧車の窓から見える夕焼け空や街並みなど比べものにならないほど美しかった。
こうして、俺とみゆの恋人関係が始まったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる