寒空の下、君を買う ~君が死ぬことは俺が許さない~

白浜 海

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恋人関係

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 みゆとの恋人関係となり早くも1週間が経過していた。

「それじゃあ、行ってくるね」

「あぁ、行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 そう言ってみゆはバイトに出かけて行った。今日は俺が早朝シフトでみゆがお昼からのシフトだったので今日はこうして入れ違った形となっていた。うん、実にいつも通りだ。そう、いつも通り過ぎるのだ! みゆとの恋人関係になり、これからどんな日常を送ることになるのかワクワクしていた時期が俺にはありました。けど、よくよく考えてみると俺とみゆは付き合う前から既に俺とみゆは交際関係である男女のような生活を送っていたのだ。というか、高校生の断面交際のレベルを超えているかもしれない。2人暮らしとかしちゃってるし.......。

「まぁ、変わったこともあるけど.......それも全部今までの延長線上でしかないんだよなぁ.......」

 確かにみゆとの関係も変わったことで変化はいくつか起こった。例えば、2人で買い物に行く時は手を繋ぐようになったし、よく笑うようにもなった気がする。あとは、夜寝る時も布団を離していたのをくっつけて寝るようになった。.......布団をくっつけるまでは良かったんだけど、みゆが俺の腕に抱きついてくることもあるんだがあれをされると俺が寝れないんだよな。起こそうにも幸せそうな顔でみゆが寝るもんだから起こせないし、腕を動かすとどことは言わないがみゆの女性的な部分が腕に当たっているので.......これ以上は想像に任せるが大体分かってくれるよな? 俺も男子的に大変なんだ.......主に理性とか理性とか理性が.......。

「けどまぁ、今までにも手を繋ぐことはあったし同じ部屋で寝ていたのだから今更布団の位置くらいでどうこう思うこともそんなに無いし.......腕に抱きつくのだけは今はまだやめて欲しいが.......」

 今までにもこういったことが結構あるってのもおかしな話なような気もする? もしかして、みゆって俺が気付いていなかっただけで色々とアピールをしてくれていたということなのだろうか?

「そう考えると申し訳ない気がしてきた.......」

 いやまぁ、俺にだって言い分はあるわけですよ? まさか、親に捨てられて泣いている子を無理やり家に連れ帰ったような犯罪者予備軍みたいな俺の事を好きになっているなんて思わないじゃん? .......まぁ、それで私は救われたと言ってくれていたし、みゆとしてはそんなこと微塵も思ってもいないんだろうなぁ。そうなると完全に俺の言い訳でしかないな.......。

「そうなるとこれか俺はどういう対応をしていけばいいんだろうか?」

 みゆに聞いたなら、和哉くんはそのままでいいよとか言ってくれると思うが、さすがにそれは良くないように思える。というか、俺が嫌だ。せっかく恋人となったのだからもっとそれらしい事をしていきたいと思う。.......キスだとか、ゆくゆくはその先も.......まぁ、これらは長い月日に身を委ねていくつもりだが俺のことだしヘタレちゃうんだろうなぁ.......。けど、いざという時は俺からいこう。これでみゆから迫られたりしたら男として情けなすぎる。もう既にだいぶ手遅れなところまで来てしまっているのだから。

「そうと決まれば何か恋人らしいことをしたい気もするが何があるのだろうか?」

 まず思いつくのはデートだが、それはもうデートと言っていいのか分からないが付き合う前から2人で買い物に行ったり遊園地にも行った。2人でご飯も食べに行ったりもしたし.......何もなくね? いや、諦めるな俺。なにか.......きっと何かあるはずだ.......非リアにはなくてリア充にはあるものがきっと.......

「あっ、記念日か?」

 よくTwitterなどを見ていると1年記念日みたいなツイートが流れてきたりする。うん、正直見る度になんだこの頭の悪いツイートはなどと思っていたが、リア充といえば記念日を大事にしている気がする。.......知らんけど。リア充な友達なんていないし。

「けどまぁ、付き合った記念ということでご飯を食べに行くのはありかもしれない」

 2人でご飯を食べに行ったりもしたことあるが、結局は考え方の問題なのだろう。きっとそうに違いない。というか、俺が今そう決めた。思い立ったが吉日ということでみゆが帰ってくるまでにここら辺にある小洒落たお店でも調べておこう。

 それから俺はみゆが帰ってくるまでの間に俺の住む家付近のお店をひたすらリサーチし続けていたのだった。
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