112 / 207
樹海のヌシ
オロチ狩り
しおりを挟む
世断ちの樹海の奥深く――そこは、道と呼べる道は無く……人が歩を進める度に、草木を踏み倒す音が響く程の鬱蒼とした森林が犇く場所だ。
「――さて、そろそろ"アイツ"の生息地域だな」
そんな――如何にも『秘境』と言った様子の最中を行く、ソウタは慣れた手付きで木々を掻き分け、周りの様子を窺う。
「ソウちゃんも、"好き"だよねぇ~……"帰って来てから、直ぐに"だなんて」
そう言って、彼の側に近付いて来たのは……嬉しそうでご機嫌なヒカリだった。
「まあ、気持ちは解るよ……私も"好き"だしね♪」
言葉の後には――可愛げ満々なウインクまで付けて。
「ヒカリ――お前がソウタに対して、"そういうセリフ"を吐くのは……何だか、"生々しい"から止めろ……」
同じく、二人の側に居るアオイは眉間にシワを寄せ、引き攣った表情でヒカリの発言を諌める。
「えっ?、どうして?」
アオイの指摘に、ヒカリは不思議そうに首を傾げた。
「いや、良い……」
ヒカリの様子とその疑問に、アオイは呆れ顔で目を逸らす。
(こーいう、男女の機微に疎い娘の方が――ソウタの好みなのだろうなぁ)
――と、アオイは悔しげに、心中でそんな事を思いながら、自分とヒカリの姿を見比べた。
「今は『アイツ』も、冬眠に備えて喰い溜めを謀る頃だ。
ココまで来たら、デート気分で、気を抜いては居られんぞ?、二人とも」
アオイは、二人の態度をそう皮肉ると、袖に忍ばせた暗器を出し入れして、辺りを警戒する。
ここまでの話ぶりで、ソウタたちが言う『アレ』や『アイツ』が――冬眠をする性質を持つ、獣の類なのが解る。
ソウタが喰いたくて、アヤコが振舞いたいという"アレ"とは、どうやら獣の肉の事で、3人はその獣を狩りに、樹海へとやって来たのだ。
いや――その前に、一つ訂正がある。
「いよいよ!、いよいよ見られるのねっ!
『樹海のヌシ』とも言われる、伝説の怪物――八つ首の大蛇、"オロチ"の姿をっ!」
――と、興奮気味に三人の会話に割って入って来たのは、ハル。
そう――訂正とは、彼女も共に居るという事だ。
そして、その美味であると評判の獣の肉とは――ハルが言う、オロチの肉なのである!
「まったく――オロチを狩りに行くと聞いたら、フツーは恐ろしくて腰を抜かすモノだぞ?
それに、着いて行きたいと言い出すとは――天警士団とは、変質者の集まりなのか?、ソウタよ」
鼻息荒く、拳を力強く握りながら喜ぶハルの姿を、アオイは奇異なモノを見る様に眺め、話をソウタに振った。
「まあ……否定はしねぇな。
ハルに関しては、特に」
応じたソウタも、ハルの様子には呆れ、苦笑いを見せている。
「だってっ!、"あの"オロチだよ?!
その昔――樹海の調査のために派兵された、旧ハクキ第五軍一千名。
その内、九百九十一名が、一匹の獣に喰い殺された――で、命からがら逃げて帰って来た残りの九人は、その時の恐怖が原因で、軒並み廃人と化したという逸話。
有名な昔話――『人喰い大蛇』のオロチだよ?!、これはコーフンするでしょっ!」
ハルは、講談師の様に膝を叩き、また鼻息を荒げた。
「……いや、恐怖のせいでコーフンするなら納得するが、喜んでコーフンするのは、立派な変質者だろうよ?
樹海は、見世物小屋じゃねぇ」
ソウタは、完全にハルの様子に呆れ、溜め息を吐く。
「う~ん……確かに、オロチはとっても危険な獣だけど、あの逸話って、ちょっと大袈裟だよね?」
色めき立つハルを他所に、ヒカリは平然とソウタにそう言った。
「そうだな――ツツキで暮らした俺たちにとっては、オロチと言ったら"新年祝いのご馳走"って印象しかねぇよな?」
「……えっ?」
ヒカリとソウタの軽々しいやり取りを聞いたハルは、凍りついた様に固まる。
「オロチの肉が……新年の祝い膳にぃ~~~~~~っ!?
世断ちの樹海に踏み込んで、もし、オロチの首を一本持って帰ったら――武人として、大武会十六傑並みの誉れだって、士団員たちは教わったモノだよぉ~?!」
ハルは、悲鳴を上げる様にそう叫ぶと、大口を開けて啞然とする。
「ああ――毎年、年暮れが近付いたら、師匠と一緒に、オロチ狩りに狩り出されたモンだったな……」
ソウタは、さっきのヒカリ以上に平然と、まるで当たり前の様にオロチ狩りについて語る。
「まあ――流石に、たった二人でオロチを狩れるのは、刀聖師弟ぐらいではあるがな」
「うん、リョウゴ様がお亡くなりになって、ソウちゃんが旅に出ちゃった後は――御傍の皆が、総出で首一本がやっとだから、ここ三年は、あのとろける様な舌触りの美味しいお肉は、ほんの少ししか食べられなかったんだよねぇ……」
アオイは、悔しげに自分の小太刀の柄を撫で、ヒカリは、遠くを眺めて、オロチ狩りの大変さと、その肉の味について呟く。
「ヒカリ――ソウタが居れば、首一本とは言わず、二、三本は容易いだろうから、今回の内に年の瀬の分も獲っておこう。
お前が居れば、直ぐに"氷結の界気"で、冷凍出来るから、腐り易いオロチの肉でも、日持ちが効くだろうからな」
「あ~……それはダメだよ。
去年、試してみたけど、私の界気で凍らせても、鮮度を保てるのは、十日が限度だったからね。
一番良いのは……ソウちゃんが、年末まで居てくれるコトなんだけどなぁ~?」
アオイとの会話尻に、ヒカリはニヤッと不敵な笑みを浮べて、ソウタの顔を懇願する様に覗く。
「――ちょっと待って!」
――と、ヒカリの言葉に応じたのは、尋ねられたソウタではなく、啞然としたままのハルだった。
「ひょっ……"氷結界気"って、めっちゃ高難度の界気術のはずだよっ?!
かっ!、風の神と水の神、二柱の元素神へ同時に願う事になるから……必要な界気が多いし、水が風で冷えて凍る瞬間って、神様たちに伝えるのも難しいから、使える人はとっても限られるはず……」
ハルは、驚愕の表情のまま、唇を震わせて、そうヒカリに告げた。
「――うん、そうらしいんだけど……練習してたら、出来ちゃったんだよね」
――と、ヒカリは照れ隠しにペロッと舌を出して、モジモジと恥ずかしそうに俯いた。
ツツキの様な僻地に居る故、本人に実感は無いが――ヒカリは、天才的な界気使いと言っても、過言ではない資質を秘めている。
実は、その資質を僻地に眠らせておくのは惜しいと、アヤコはヒカリに天警士団への入団を薦め、推薦状も書くと言ったのだが――
『孤児の私を引き取って、今まで育ててくれた――アヤコ様の下で、私は働きたいんです。
この力を使うのなら、私はツツキの皆のために使いたい』
――と、薦めを固辞し、一人の侍女として生きる事を選んだのだった。
ハルはもちろん、この事を知らないが――もし、ヒカリがあの時、士団員となる事を選んでいたら、彼女の驚き様からすれば、今は相応の立場に着いていたかもしれないと推測出来る。
「はは、ははははは……
刀聖様や、遠隔飛び道具が使える暗衆……氷結界気を使う侍女が居て、伝説の怪物が年始のご馳走?
どーなってんのよぉ!?、このツツキってトコはぁっ?!」
続いて呆れたのは、翼域で暮らしでのジョーシキを、続々と覆されたハルの方。
彼女は、木々の合間から覗く中空の太陽へと向けて、ヒステリックにそう叫んだ。
ソウタは、そんな連れ立って来た女性陣の楽しげな雰囲気を見やり――
(オオカミ様が言った、"樹海で迷っている猫と狼"は多分――俺に、サトコの窮地を伝えるために追って来た、タマとギンの事。
んで、"近道するために"ってぇ事は、オロチを筆頭に、ヤバい獣がウヨウヨ居る樹海の南部――翼域北方との境、聖狭間から入ったんだろう)
――と、ココまでやって来た真の経緯を振り返る。
(アヤコ様には、サトコや大巫女様の事を、皆には伝えるのは機会を待つべきと言われた。
きっと、その"猫と狼"が、それらのメッセンジャーなんだろうって。
それには俺も納得だが――知らずにはしゃいでいるハルを観ると、もどかしくて、申し訳なくて……腹立たしさもある、妙な気分だぜ……)
ソウタは、苦虫を噛んだ体で、強く歯軋りをした。
「――さて、そろそろ"アイツ"の生息地域だな」
そんな――如何にも『秘境』と言った様子の最中を行く、ソウタは慣れた手付きで木々を掻き分け、周りの様子を窺う。
「ソウちゃんも、"好き"だよねぇ~……"帰って来てから、直ぐに"だなんて」
そう言って、彼の側に近付いて来たのは……嬉しそうでご機嫌なヒカリだった。
「まあ、気持ちは解るよ……私も"好き"だしね♪」
言葉の後には――可愛げ満々なウインクまで付けて。
「ヒカリ――お前がソウタに対して、"そういうセリフ"を吐くのは……何だか、"生々しい"から止めろ……」
同じく、二人の側に居るアオイは眉間にシワを寄せ、引き攣った表情でヒカリの発言を諌める。
「えっ?、どうして?」
アオイの指摘に、ヒカリは不思議そうに首を傾げた。
「いや、良い……」
ヒカリの様子とその疑問に、アオイは呆れ顔で目を逸らす。
(こーいう、男女の機微に疎い娘の方が――ソウタの好みなのだろうなぁ)
――と、アオイは悔しげに、心中でそんな事を思いながら、自分とヒカリの姿を見比べた。
「今は『アイツ』も、冬眠に備えて喰い溜めを謀る頃だ。
ココまで来たら、デート気分で、気を抜いては居られんぞ?、二人とも」
アオイは、二人の態度をそう皮肉ると、袖に忍ばせた暗器を出し入れして、辺りを警戒する。
ここまでの話ぶりで、ソウタたちが言う『アレ』や『アイツ』が――冬眠をする性質を持つ、獣の類なのが解る。
ソウタが喰いたくて、アヤコが振舞いたいという"アレ"とは、どうやら獣の肉の事で、3人はその獣を狩りに、樹海へとやって来たのだ。
いや――その前に、一つ訂正がある。
「いよいよ!、いよいよ見られるのねっ!
『樹海のヌシ』とも言われる、伝説の怪物――八つ首の大蛇、"オロチ"の姿をっ!」
――と、興奮気味に三人の会話に割って入って来たのは、ハル。
そう――訂正とは、彼女も共に居るという事だ。
そして、その美味であると評判の獣の肉とは――ハルが言う、オロチの肉なのである!
「まったく――オロチを狩りに行くと聞いたら、フツーは恐ろしくて腰を抜かすモノだぞ?
それに、着いて行きたいと言い出すとは――天警士団とは、変質者の集まりなのか?、ソウタよ」
鼻息荒く、拳を力強く握りながら喜ぶハルの姿を、アオイは奇異なモノを見る様に眺め、話をソウタに振った。
「まあ……否定はしねぇな。
ハルに関しては、特に」
応じたソウタも、ハルの様子には呆れ、苦笑いを見せている。
「だってっ!、"あの"オロチだよ?!
その昔――樹海の調査のために派兵された、旧ハクキ第五軍一千名。
その内、九百九十一名が、一匹の獣に喰い殺された――で、命からがら逃げて帰って来た残りの九人は、その時の恐怖が原因で、軒並み廃人と化したという逸話。
有名な昔話――『人喰い大蛇』のオロチだよ?!、これはコーフンするでしょっ!」
ハルは、講談師の様に膝を叩き、また鼻息を荒げた。
「……いや、恐怖のせいでコーフンするなら納得するが、喜んでコーフンするのは、立派な変質者だろうよ?
樹海は、見世物小屋じゃねぇ」
ソウタは、完全にハルの様子に呆れ、溜め息を吐く。
「う~ん……確かに、オロチはとっても危険な獣だけど、あの逸話って、ちょっと大袈裟だよね?」
色めき立つハルを他所に、ヒカリは平然とソウタにそう言った。
「そうだな――ツツキで暮らした俺たちにとっては、オロチと言ったら"新年祝いのご馳走"って印象しかねぇよな?」
「……えっ?」
ヒカリとソウタの軽々しいやり取りを聞いたハルは、凍りついた様に固まる。
「オロチの肉が……新年の祝い膳にぃ~~~~~~っ!?
世断ちの樹海に踏み込んで、もし、オロチの首を一本持って帰ったら――武人として、大武会十六傑並みの誉れだって、士団員たちは教わったモノだよぉ~?!」
ハルは、悲鳴を上げる様にそう叫ぶと、大口を開けて啞然とする。
「ああ――毎年、年暮れが近付いたら、師匠と一緒に、オロチ狩りに狩り出されたモンだったな……」
ソウタは、さっきのヒカリ以上に平然と、まるで当たり前の様にオロチ狩りについて語る。
「まあ――流石に、たった二人でオロチを狩れるのは、刀聖師弟ぐらいではあるがな」
「うん、リョウゴ様がお亡くなりになって、ソウちゃんが旅に出ちゃった後は――御傍の皆が、総出で首一本がやっとだから、ここ三年は、あのとろける様な舌触りの美味しいお肉は、ほんの少ししか食べられなかったんだよねぇ……」
アオイは、悔しげに自分の小太刀の柄を撫で、ヒカリは、遠くを眺めて、オロチ狩りの大変さと、その肉の味について呟く。
「ヒカリ――ソウタが居れば、首一本とは言わず、二、三本は容易いだろうから、今回の内に年の瀬の分も獲っておこう。
お前が居れば、直ぐに"氷結の界気"で、冷凍出来るから、腐り易いオロチの肉でも、日持ちが効くだろうからな」
「あ~……それはダメだよ。
去年、試してみたけど、私の界気で凍らせても、鮮度を保てるのは、十日が限度だったからね。
一番良いのは……ソウちゃんが、年末まで居てくれるコトなんだけどなぁ~?」
アオイとの会話尻に、ヒカリはニヤッと不敵な笑みを浮べて、ソウタの顔を懇願する様に覗く。
「――ちょっと待って!」
――と、ヒカリの言葉に応じたのは、尋ねられたソウタではなく、啞然としたままのハルだった。
「ひょっ……"氷結界気"って、めっちゃ高難度の界気術のはずだよっ?!
かっ!、風の神と水の神、二柱の元素神へ同時に願う事になるから……必要な界気が多いし、水が風で冷えて凍る瞬間って、神様たちに伝えるのも難しいから、使える人はとっても限られるはず……」
ハルは、驚愕の表情のまま、唇を震わせて、そうヒカリに告げた。
「――うん、そうらしいんだけど……練習してたら、出来ちゃったんだよね」
――と、ヒカリは照れ隠しにペロッと舌を出して、モジモジと恥ずかしそうに俯いた。
ツツキの様な僻地に居る故、本人に実感は無いが――ヒカリは、天才的な界気使いと言っても、過言ではない資質を秘めている。
実は、その資質を僻地に眠らせておくのは惜しいと、アヤコはヒカリに天警士団への入団を薦め、推薦状も書くと言ったのだが――
『孤児の私を引き取って、今まで育ててくれた――アヤコ様の下で、私は働きたいんです。
この力を使うのなら、私はツツキの皆のために使いたい』
――と、薦めを固辞し、一人の侍女として生きる事を選んだのだった。
ハルはもちろん、この事を知らないが――もし、ヒカリがあの時、士団員となる事を選んでいたら、彼女の驚き様からすれば、今は相応の立場に着いていたかもしれないと推測出来る。
「はは、ははははは……
刀聖様や、遠隔飛び道具が使える暗衆……氷結界気を使う侍女が居て、伝説の怪物が年始のご馳走?
どーなってんのよぉ!?、このツツキってトコはぁっ?!」
続いて呆れたのは、翼域で暮らしでのジョーシキを、続々と覆されたハルの方。
彼女は、木々の合間から覗く中空の太陽へと向けて、ヒステリックにそう叫んだ。
ソウタは、そんな連れ立って来た女性陣の楽しげな雰囲気を見やり――
(オオカミ様が言った、"樹海で迷っている猫と狼"は多分――俺に、サトコの窮地を伝えるために追って来た、タマとギンの事。
んで、"近道するために"ってぇ事は、オロチを筆頭に、ヤバい獣がウヨウヨ居る樹海の南部――翼域北方との境、聖狭間から入ったんだろう)
――と、ココまでやって来た真の経緯を振り返る。
(アヤコ様には、サトコや大巫女様の事を、皆には伝えるのは機会を待つべきと言われた。
きっと、その"猫と狼"が、それらのメッセンジャーなんだろうって。
それには俺も納得だが――知らずにはしゃいでいるハルを観ると、もどかしくて、申し訳なくて……腹立たしさもある、妙な気分だぜ……)
ソウタは、苦虫を噛んだ体で、強く歯軋りをした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる