126 / 207
仁義
集結
しおりを挟む
「う~……気持ち、悪ぅい……」
抜ける様な青空の下、タマは天気とは裏腹な蒼い顔をして、口を抑えながら俯いた。
「もう、ツツキを発って五日だぞ?、ほとんどの者が、この独特な揺れにも慣れたというのに――お前だけは、相変らずだな」
苦しむタマの背中を擦るギンは、呆れた物越しその姿を見やり、小さな溜め息を吐いた。
ここは、風聖丸の甲板の上――だが、辺りには港の風景は見えず、代わりに拡がっているのは、遠くに水平線を称えた大海原の波打つ海面である。
そう、ギンの言葉にあった様に、ツツキからは既に発ち、海へと出た航行中の風聖丸の上だ。
「ううっ……アタシ、決めたよ。
もう、この『船』って、乗り物にはぁ……ぜったぁい乗らないって」
その風聖丸に便乗した挙句、船酔いに悩まされているタマは、弱々しく拳を握って、そんな決意を表明する。
「今日中には、目的地であるオウビに着くという話だ、もう少し我慢しろ」
ギンは、また小さく溜め息を吐き、背中を擦る間隔を早めてやった。
「ホントに着くのかなぁ?
ツツキで乗り込んでから、ずぅ~っと海の上を、ユラユラ、ユラユラ気持ち悪く揺れてるだけだよ?
何だか、ソウタに騙された気が――おぇ~~っ!」
タマはついに、我慢の緒が切れ、海面へと――いや、この先を語るのは止めておこう。
「ははは、武勇で鳴らすコケツ衆の若人にも、意外な弱点があったモノだな」
そう、苦しむタマに向けて軽口を叩いたのは、側で見ていたらしいヨシゾウである。
「ううっ、朝ごはんが出ちゃったよぉ……って、おじさんっ!、苦しんでるアタシを、ネタにして笑ってぇっ!、ホント、ムカツ――あっ、ヤバ……」
興奮気味にヨシゾウへ抗議をするタマだったが、更なる嘔吐感に襲われ、また……
「ははは、すまない――そんなつもりで観ていたワケではなかったのだがな」
ヨシゾウはそう言うと、タマの背中を擦る役を買って出て、替わったギンは、船外に身を寄り出している、彼女の小柄な体躯を支える。
ここまで語っておいて愚問ではあるが、ヨシゾウもタマたちと同じく、ツツキの港から乗り込み、彼にとっては取って返す形で、オウビへと再度向かっていた。
ではそろそろ、愚問ついでに何故、この三人――いや、タツゴロウとの乗船交渉の際、"諸々、ざっと十人ぐらいのメンツ"と、ソウタが言った様に、甲板上をよく見ると姿がチラホラと見える――ソウタやシオリ以外に、この航海へと連れ立って乗り込んだ、知った顔の者たちが乗船に至った経緯を語っておこう。
まず――今、タツゴロウと話し込んでいる、シオリの側に立っている女性、これはハルだ。
「――護衛団長であるアタシが、姉様に付いて行くのはトーゼンでしょ!?」
――と、今回のオウビ行きを、査察団の皆に知らせた際、同行者の選抜へ真っ先に手を挙げたのは、彼女であった。
続いて――舳先側の一角に座り、鼻歌を鳴らしながら、何やら帳面に日記の類を記している女性、これは全報記者のハナである。
「御神具継承の占報をするのなら、報道に携わる全報記者のアタシがいた方が、良くありません?」
彼女も、ハルと同様に拙速手を挙げ、意味深に写る笑みを称えながら同行を申し出た。
次に、帆の下で、潜む様に甲板上を注視している男女――これは、アオイとショウゾウ、御傍衆の二人である。
「!?、御傍衆からも、ソウタたちと同行させる者を出せと?」
アヤコの私室に呼ばれ、その指示を聞いたアオイは驚きを隠せず、鸚鵡返しにアヤコの命を反復した。
「ええ、ツツキからも、助力を出す旨を大神官様へ願い出た際――ソウタから、ならば小回りが効く、御傍衆の力を借りられれば、ありがたいのではと言われたのです」
アヤコが、驚くアオイの姿を見やりながら、彼女の返答を待っていると――
「――では、頭領の私が、自ら赴きます。
お許しを……頂けますでしょうか?」
――と、彼女は嬉しそうな笑みを微か覗かせ、アヤコの命を受諾した。
(あのソウタを、不埒な遊郭が軒を連ねているという、オウビの様なトコロにっ!、一人で戻させてはならんっ!
そっ、それにぃ……ソウタと旅が出来る機会など、なかなか無い事ゆえな……)
潜んでいる様な面持ちで、船上に居るアオイだが――内心の士気(※別の意味での)は、かなり高い様だ。
ちなみに――残るショウゾウの参加は、暗衆としての腕を買った、ソウタの指名の結果である。
そのアオイの熱っぽい視線の先に居るソウタに、あれやこれやと世話を焼こうとしている女――これはヒカリだ。
「えっ!?、私も……ですか?」
「そうよ、貴女はソウタを除けば、このツツキにおける"最強戦力"と言っても良い程の界気使い。
この世界規模の一大事に、翼域の一領主として関わる以上、戦力の出し惜しみをした助力をしては、次世大巫女様に非礼でしょう?
それに――あなたにとっては、せっかく"イロイロな事情を持つ”、ソウタと再会出来たというのに、これで再度の別れでは……可哀想かと思いますしね♪」
――と、からかう様な尾ひれも付いたが、ヒカリも"ツツキ代表"として、オウビへと赴く事となった。
「ほら、ソウちゃんっ!、港に着いたら直ぐ、街の偉い人と会うんでしょ?、
着物を替えないと、失礼になっちゃうっ!」
ラフな恰好をしているソウタに、船室へと促して着替えを迫る様などは、以前アオイが"もはや、夫婦と同様"と言っていたが、そんな言葉どおりな風景が展開されていた。
さて、いよいよ先に登場していた三人――まずは、ヨシゾウの経緯を語ろう。
「私を――で、ございますか?」
「ええ、取って返させる様で、申し訳ないのだけれど――助力を願いたいのです」
急なオウビへの送還を、アヤコに願われたヨシゾウは、困惑気味に怪訝とした表情を浮べた。
「御傍のショウゾウから聞きました――貴方はかつて、コクエに潜んでいたスヨウの暗衆であったと。
しかも、若くして一線を退いたのが惜しい程、達者と評判な腕の持ち主――"袖下のヨシゾウ"という異名で知られていたとも」
アヤコは、含み笑いを覗かせながら、彼が常に暗器を隠しているという、着物の袖の下を見やる。
「響きの悪い、通り名ではありましたが――『ハクキの隠牙』殿に、知られていたのは光栄ですな」
ヨシゾウは、バツが悪そうにアヤコから目を逸らし、渋い表情を浮べた。
彼が言う『ハクキの隠牙』とは――暗衆界隈でのショウゾウの通り名である。
ショウゾウは、そんな異名が界隈に轟いている程、旧ハクキが秘める凄腕の暗衆として、各国暗衆を震え上がらせていた、傑出した実力者なのである。
「――ソウタからの要請を請けて、そのショウゾウも同行する事が決まったのですが……そのショウゾウが是非、貴方もと申しますので、承知いただけませんか?」
嫋やかな笑みを見せ、同意の証として握手を求めるアヤコに、ヨシゾウは――
「あのショウゾウ殿からの指名と成れば、それもまた、刀聖様の意を察しての事なのでしょう。
解かりました――"昔取った何とやら"でもよろしければ、同行をお引き受け致しましょう」
――と、そんな意味深な言葉も沿えながら、平伏して依頼を受諾した。
最後に、タマとギンの亜人種コンビの経緯――これは、有志隊に参加した時と同じく、ソウタの勧誘染みた要請だったのだが――
「――きぃ~~~~っ!、ソウタがグズグズしてるからっ!、サトコたちが負けちゃったじゃないっ!!!!!!」
――と、それはタツゴロウとの交渉の帰路、ソウタの姿を視認したタマが、午前に観たコウオウの敗戦を告げるサトコの占報を観て、怒り狂っている彼女が食って掛かって来た時だった。
「――早くっ!、オウクに帰って、サトコたちを助けに行かないとっ!
……えっ?、オウビまで、早く着ける『船』っていう乗り物がある?、よしっ!、アタシとギンも乗るよっ!」
――と、ギンにもソウタにも、タマが相談ナシに、問答無用で乗船を決め、無理矢理付いて来たのである。
「――では、船頭殿、よしなにお願い致します」
タツゴロウと話し込んでいたシオリが話を終え、踵を返してみると――後ろに控えていたハルが、何やら甲板上の面々を見渡していた。
「?、ハルちゃん?、どうかしました?」
黙ったまま、何とも言い難い表情で居るハルに、シオリは不思議そうに尋ねた。
「いえ……こうして、ざっと見てると、凄いメンツだなって、思いましてね……」
ハルは、苦笑いを見せながらそう言うと、指折り数える体で――
「――アタシが見た、遠隔飛び道具使いの御傍頭領、氷結界気を使える侍女……それに加えて、コウオウ戦役勲金等二人に、"ハクキの隠牙"や元スヨウの凄腕暗衆も居て……トドメとばかり、それらを選り集めたのは、武の象徴たる刀聖様……」
――と、指を折りながら、言葉と相応する顔を順に見渡し、先程までの解説染みた語りを知ってか知らずか、端的に顔触れを並べる。
「あっ――ある意味、この人数でも既に"士団一隊分を悠に凌ぐ戦力"と言える……ソウタさんは、翼域にこんな"とんでもない"戦力を連れて戻って、一体、ナニをする気なのよぉ……」
ハルは、こめかみに冷や汗を垂らし、蒼ざめた表情をして、眼前に揃った面々を見やった。
抜ける様な青空の下、タマは天気とは裏腹な蒼い顔をして、口を抑えながら俯いた。
「もう、ツツキを発って五日だぞ?、ほとんどの者が、この独特な揺れにも慣れたというのに――お前だけは、相変らずだな」
苦しむタマの背中を擦るギンは、呆れた物越しその姿を見やり、小さな溜め息を吐いた。
ここは、風聖丸の甲板の上――だが、辺りには港の風景は見えず、代わりに拡がっているのは、遠くに水平線を称えた大海原の波打つ海面である。
そう、ギンの言葉にあった様に、ツツキからは既に発ち、海へと出た航行中の風聖丸の上だ。
「ううっ……アタシ、決めたよ。
もう、この『船』って、乗り物にはぁ……ぜったぁい乗らないって」
その風聖丸に便乗した挙句、船酔いに悩まされているタマは、弱々しく拳を握って、そんな決意を表明する。
「今日中には、目的地であるオウビに着くという話だ、もう少し我慢しろ」
ギンは、また小さく溜め息を吐き、背中を擦る間隔を早めてやった。
「ホントに着くのかなぁ?
ツツキで乗り込んでから、ずぅ~っと海の上を、ユラユラ、ユラユラ気持ち悪く揺れてるだけだよ?
何だか、ソウタに騙された気が――おぇ~~っ!」
タマはついに、我慢の緒が切れ、海面へと――いや、この先を語るのは止めておこう。
「ははは、武勇で鳴らすコケツ衆の若人にも、意外な弱点があったモノだな」
そう、苦しむタマに向けて軽口を叩いたのは、側で見ていたらしいヨシゾウである。
「ううっ、朝ごはんが出ちゃったよぉ……って、おじさんっ!、苦しんでるアタシを、ネタにして笑ってぇっ!、ホント、ムカツ――あっ、ヤバ……」
興奮気味にヨシゾウへ抗議をするタマだったが、更なる嘔吐感に襲われ、また……
「ははは、すまない――そんなつもりで観ていたワケではなかったのだがな」
ヨシゾウはそう言うと、タマの背中を擦る役を買って出て、替わったギンは、船外に身を寄り出している、彼女の小柄な体躯を支える。
ここまで語っておいて愚問ではあるが、ヨシゾウもタマたちと同じく、ツツキの港から乗り込み、彼にとっては取って返す形で、オウビへと再度向かっていた。
ではそろそろ、愚問ついでに何故、この三人――いや、タツゴロウとの乗船交渉の際、"諸々、ざっと十人ぐらいのメンツ"と、ソウタが言った様に、甲板上をよく見ると姿がチラホラと見える――ソウタやシオリ以外に、この航海へと連れ立って乗り込んだ、知った顔の者たちが乗船に至った経緯を語っておこう。
まず――今、タツゴロウと話し込んでいる、シオリの側に立っている女性、これはハルだ。
「――護衛団長であるアタシが、姉様に付いて行くのはトーゼンでしょ!?」
――と、今回のオウビ行きを、査察団の皆に知らせた際、同行者の選抜へ真っ先に手を挙げたのは、彼女であった。
続いて――舳先側の一角に座り、鼻歌を鳴らしながら、何やら帳面に日記の類を記している女性、これは全報記者のハナである。
「御神具継承の占報をするのなら、報道に携わる全報記者のアタシがいた方が、良くありません?」
彼女も、ハルと同様に拙速手を挙げ、意味深に写る笑みを称えながら同行を申し出た。
次に、帆の下で、潜む様に甲板上を注視している男女――これは、アオイとショウゾウ、御傍衆の二人である。
「!?、御傍衆からも、ソウタたちと同行させる者を出せと?」
アヤコの私室に呼ばれ、その指示を聞いたアオイは驚きを隠せず、鸚鵡返しにアヤコの命を反復した。
「ええ、ツツキからも、助力を出す旨を大神官様へ願い出た際――ソウタから、ならば小回りが効く、御傍衆の力を借りられれば、ありがたいのではと言われたのです」
アヤコが、驚くアオイの姿を見やりながら、彼女の返答を待っていると――
「――では、頭領の私が、自ら赴きます。
お許しを……頂けますでしょうか?」
――と、彼女は嬉しそうな笑みを微か覗かせ、アヤコの命を受諾した。
(あのソウタを、不埒な遊郭が軒を連ねているという、オウビの様なトコロにっ!、一人で戻させてはならんっ!
そっ、それにぃ……ソウタと旅が出来る機会など、なかなか無い事ゆえな……)
潜んでいる様な面持ちで、船上に居るアオイだが――内心の士気(※別の意味での)は、かなり高い様だ。
ちなみに――残るショウゾウの参加は、暗衆としての腕を買った、ソウタの指名の結果である。
そのアオイの熱っぽい視線の先に居るソウタに、あれやこれやと世話を焼こうとしている女――これはヒカリだ。
「えっ!?、私も……ですか?」
「そうよ、貴女はソウタを除けば、このツツキにおける"最強戦力"と言っても良い程の界気使い。
この世界規模の一大事に、翼域の一領主として関わる以上、戦力の出し惜しみをした助力をしては、次世大巫女様に非礼でしょう?
それに――あなたにとっては、せっかく"イロイロな事情を持つ”、ソウタと再会出来たというのに、これで再度の別れでは……可哀想かと思いますしね♪」
――と、からかう様な尾ひれも付いたが、ヒカリも"ツツキ代表"として、オウビへと赴く事となった。
「ほら、ソウちゃんっ!、港に着いたら直ぐ、街の偉い人と会うんでしょ?、
着物を替えないと、失礼になっちゃうっ!」
ラフな恰好をしているソウタに、船室へと促して着替えを迫る様などは、以前アオイが"もはや、夫婦と同様"と言っていたが、そんな言葉どおりな風景が展開されていた。
さて、いよいよ先に登場していた三人――まずは、ヨシゾウの経緯を語ろう。
「私を――で、ございますか?」
「ええ、取って返させる様で、申し訳ないのだけれど――助力を願いたいのです」
急なオウビへの送還を、アヤコに願われたヨシゾウは、困惑気味に怪訝とした表情を浮べた。
「御傍のショウゾウから聞きました――貴方はかつて、コクエに潜んでいたスヨウの暗衆であったと。
しかも、若くして一線を退いたのが惜しい程、達者と評判な腕の持ち主――"袖下のヨシゾウ"という異名で知られていたとも」
アヤコは、含み笑いを覗かせながら、彼が常に暗器を隠しているという、着物の袖の下を見やる。
「響きの悪い、通り名ではありましたが――『ハクキの隠牙』殿に、知られていたのは光栄ですな」
ヨシゾウは、バツが悪そうにアヤコから目を逸らし、渋い表情を浮べた。
彼が言う『ハクキの隠牙』とは――暗衆界隈でのショウゾウの通り名である。
ショウゾウは、そんな異名が界隈に轟いている程、旧ハクキが秘める凄腕の暗衆として、各国暗衆を震え上がらせていた、傑出した実力者なのである。
「――ソウタからの要請を請けて、そのショウゾウも同行する事が決まったのですが……そのショウゾウが是非、貴方もと申しますので、承知いただけませんか?」
嫋やかな笑みを見せ、同意の証として握手を求めるアヤコに、ヨシゾウは――
「あのショウゾウ殿からの指名と成れば、それもまた、刀聖様の意を察しての事なのでしょう。
解かりました――"昔取った何とやら"でもよろしければ、同行をお引き受け致しましょう」
――と、そんな意味深な言葉も沿えながら、平伏して依頼を受諾した。
最後に、タマとギンの亜人種コンビの経緯――これは、有志隊に参加した時と同じく、ソウタの勧誘染みた要請だったのだが――
「――きぃ~~~~っ!、ソウタがグズグズしてるからっ!、サトコたちが負けちゃったじゃないっ!!!!!!」
――と、それはタツゴロウとの交渉の帰路、ソウタの姿を視認したタマが、午前に観たコウオウの敗戦を告げるサトコの占報を観て、怒り狂っている彼女が食って掛かって来た時だった。
「――早くっ!、オウクに帰って、サトコたちを助けに行かないとっ!
……えっ?、オウビまで、早く着ける『船』っていう乗り物がある?、よしっ!、アタシとギンも乗るよっ!」
――と、ギンにもソウタにも、タマが相談ナシに、問答無用で乗船を決め、無理矢理付いて来たのである。
「――では、船頭殿、よしなにお願い致します」
タツゴロウと話し込んでいたシオリが話を終え、踵を返してみると――後ろに控えていたハルが、何やら甲板上の面々を見渡していた。
「?、ハルちゃん?、どうかしました?」
黙ったまま、何とも言い難い表情で居るハルに、シオリは不思議そうに尋ねた。
「いえ……こうして、ざっと見てると、凄いメンツだなって、思いましてね……」
ハルは、苦笑いを見せながらそう言うと、指折り数える体で――
「――アタシが見た、遠隔飛び道具使いの御傍頭領、氷結界気を使える侍女……それに加えて、コウオウ戦役勲金等二人に、"ハクキの隠牙"や元スヨウの凄腕暗衆も居て……トドメとばかり、それらを選り集めたのは、武の象徴たる刀聖様……」
――と、指を折りながら、言葉と相応する顔を順に見渡し、先程までの解説染みた語りを知ってか知らずか、端的に顔触れを並べる。
「あっ――ある意味、この人数でも既に"士団一隊分を悠に凌ぐ戦力"と言える……ソウタさんは、翼域にこんな"とんでもない"戦力を連れて戻って、一体、ナニをする気なのよぉ……」
ハルは、こめかみに冷や汗を垂らし、蒼ざめた表情をして、眼前に揃った面々を見やった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる