150 / 207
世界への宿題
世界への宿題(後編)
しおりを挟む
「――"刀聖様からの宿題"、ですと?」
モトハルは、ノブユキが言った突拍子の無い比喩に対し、怪訝とした表情を交え、そう問い質す。
「実は――占報の前、それこそ昨日……この様な書状が届いたのです。
大神官――いや、次世大巫女シオリ様と、我らハクキにおける"真なる国守"――"白半玉の宗家様"から」
「!?、なっ……!!!!!」
質問をはぐらかす様な入りで、ノブユキは懐から2通の書状を取り出し、意味深な口調でモトハルにそれを見せると、彼は先程よりも驚いて色めき立ち、畏まって諂いながら、書状を掲げたまま受け取る。
敬謙な萬神道信者が多いとされるハクキでは、正式な儀はまだであるにしろ、もはや大巫女として扱うべきシオリと、国守という立場からは失しても、国の"守護者"である事は変わっていない、アヤコからの書状は――ある意味、神託に等しき書状である。
まず、シオリからの書状の内容はこうだった。
『紫珠輪を継いだ私と、その承認を下さった当世刀聖様は、今の動乱渦巻く翼域の有り様と、それを良しとする人々の思慮無き心根の行き先を危惧しております。
滅びの執行者たる刀聖様が、それを正す事へと動かれるとなれば、先導者たる立場を継いだ私は、その滅びの拡がりを、最小限に抑える様に動くのが肝要と心得ております。
故に、ハクキ合衆連邦、統領殿に御進言致します。
今のツクモの雰囲気の異に気付き、この世界が民に相応しい有り様へと、戻る事を望む民たちを、守り援ける立場であった欲しいと』
そして、アヤコからの書状には――
『――皇、退きしコウオウが地は、もはや聖地に非ず』
――という、一文だけが記されていた。
「――なるほど。
統領が今の指図と、先程までのオウクでの事態――全ては、次世大巫女様と宗家様、そして、刀聖様の手の中にござったか!」
書状の中身を読み終えたモトハルは、書状を持つ手を震わせながら、そう呟いて思わず唸った声を漏らす。
「書状のみでは、半信半疑で眉唾だと思いながら、総大将殿を呼び出した次第ではありましたが……今の占報にて、全てに合点が行き申した。
これは先の大戦で『邪』と断じられた、我らハクキが民にとっては汚名返上の機会っ!、『武』と『文』の象徴――刀聖様と大巫女様、調律者たる皇様の尖兵として!、コウオウが地をあるべき姿へと立ち戻らせる事に、心血を注ぐべき局面であると!」
ノブユキは、興奮に震えるその手を掲げ、ツクモ図を睨み付ける。
「――国対国としての降伏は成立していても、公然と反旗を掲げて抵抗して見せたオウビの流者たちを筆頭に、南コクの支配がコウオウ全域に行き渡っているとは言い難い。
そこで、我らハクキがコウオウ北部を抑え――いざ奪還というその時には、皇様以下を諸手を挙げて迎え入れる事が出来る体勢を構築したい――そう仰るか?」
「ええ――思えば、先の大戦の結果が、我らハクキの失策が……この現状を招いてしまったと言っても過言ではない……民たちの"余計な目覚め"という名の『邪』を生んでしまったのは、我らハクキが罪と言えましょう。
故に、その新たな『邪』を断じる手助けをする事で、それを最大の贖罪とすべきと思うのです」
ノブユキは、モトハルの瞳を見据えながらそんな熱弁を振るう。
「議会工作については、私が死力を尽くします!
ですから、此度の占報に呼応し、コウオウからの難民流入が本格的に始まる前に、件の地域を抑えるために動けるよう、派兵の準備と策の用意をお願いしたい!
私たちの様な、旧体然とした宗家の存在を尊ぶ主義の者は、この国にはまだまだ息衝いている――こんな私が、未だに統領の任に着いていられるのが何よりの証拠。
先の占報にもあった様に、何も誰もが、コクエらの思想に染まっているワケではないと実感した今ならば、策謀渦巻く議会とて、一枚岩となり得る余地はまだ残っている!」
ノブユキは力強くそう宣言し、その勢いのままモトハルに握手を求める。
「――文民統制という、ある意味では独裁下よりも息苦しさを感じる体制に身を置いてはいても……貴方の様に、成すべき事を心得ておる方の下ならば、それも悪くはないな」
モトハルは目を瞑り、得々とそう語ると、目を開けると同時に口元を緩め、また大きな牙を晒しながら、ノブユキからの握手に応じた。
この様に――ソウタたちの公開裁判への乱入と、その衝撃度は現状を揺るがすに易く足りるモノであった。
「――ユキムネ、貴様を光刃の裁きに殉じた、英霊マサノリの後任として、三軍将に任ずる」
「――はっ!」
公開裁判の占放から三日後――スヨウでは、ホウリ平原からの敗走後、再編が滞っていた第三軍の将に、第一軍所属でノブタツの軍師であった黒い仮面の男、ユキムネをスライドさせる形で任命し、三軍の再編への着手し――
「――重ねて、皇様が民を連れて退き、空白地となった『旧』コウオウ南部と、南コクエ東端への侵攻を命ずっ!」
――コウオウ南部地域の再制圧と、此度の事で大幅に求心力と戦力を失った南コクエへの牽制として、コレを足掛かりに、南コクエへ侵攻する事を決断したのだった!
(ふふ……次世大巫女とアヤコめ、随分と酔狂な趣向を組んで来たモノだ♪)
――と、ユキムネへの着任式を催しながら、ノブタツは心中でそんな事を呟いていた。
その理由は――ノブユキへ届いたモノとほぼ同内容の書状が、二人から届いていたからだ。
更に、アヤコからのモノには、『~もはや聖地に非ず』の後に、こんな下句が付いていた――
『戦果次第に候』
――つまり、南コクエに侵され、皇も去ってしまった以上、好きに侵攻すれば良いという意味である。
(ふっ……ふははははっ!、さしずめ"脚本"を書いたのは刀聖――ソウタではあろうが、なかなかに乙な役どころを用意してくれたモノよ♪
良いだろう――うぬらが望む様に、我らスヨウも踊ってやろうではないか!)
ノブタツは、任を命じたユキムネの顔を見据え、ほのかにほくそ笑んでみせる。
「承知にございます――御家方様、我らが頭に君主を掲げる事を、散々愚弄してきた南コクエに、私と新たな第三軍が、怒りの鉄槌を喰らわす様を御覧に入れまする」
ユキムネは、マサノリの下に着いていた、コウオウ戦役の敗残兵たちをそのまま登用しながら、自分の息がかかった新顔も加え、新生三軍を組織し、その副将には――
(――おじいちゃんが遺言に、絶対に気を許すなと言い残した、あの黒面男が……まさか、私たち三軍の将に据えられるだなんてね……)
――ユキムネの後ろに畏まり、下目から彼の背を凝視しているリノが、そのまま着いていた。
(おじいちゃんが死んじゃったから、もう退役を申し出るべきかと思ってたけど――この黒面が三軍将になるんなら、遺言を直に聞いたアタシが、この黒面がナニを企んで、ナニをしようとしているのかを、側に付いて見極める必要がある!)
リノは、力強い表情で唇を噛み、決意に満ちた表情で、謁見の間の中空を見上げていた。
「くっくっくっ――あの芸人さんも、珠には良い仕事をしてくれたモノです♪」
――と、またも場面は替わり、北コクエの都、キョウカにある民政館では、ヒコザは笑みを浮かべ、ご機嫌にそう呟いていた。
「そうですね――これで南の求心力は失墜、彼らが掲げる共営社会の確立は水疱に帰し、後は体制の崩壊を待つばかりでしょうね」
それを聞いていた、側近のサキチも、ヒコザの意見に同調して深く頷く。
「これで、我らコクエの民が最も望んでいる――分裂した南北の統一への足掛かりが出来ました。
確かに、先日観たあの芸人――刀聖の禍々しき強さは恐ろしいモノでしたが、統一が成り、重ねて天警士団をも加えた強力無比の軍勢を構築出来れば、少なくとも簡単にはコチラに手出し出来ない。
そのためにも、抵抗を続ける残りの士団員たちを早急に屈服させ、翼域全域の併合を終えれば――国力の面でも、我らコクエが他国を凌駕する存在となり、刀聖に組する者たちも、否応無しに我らコクエの偉大さに、平伏する事となるでしょう……くっくっくっ!、くっくっくっ……」
ヒコザは、相変らずの下卑た笑い声と共に、自分の野望が成された、浅はかな妄想を楽しんでいた…
ソウタが、シオリが、皆に示した世界への宿題。
それぞれが選んだその答えの内、どれが正しいかどうかは別にして――各々のその選択が、この世界の大きな分岐点となった事は間違いない。
モトハルは、ノブユキが言った突拍子の無い比喩に対し、怪訝とした表情を交え、そう問い質す。
「実は――占報の前、それこそ昨日……この様な書状が届いたのです。
大神官――いや、次世大巫女シオリ様と、我らハクキにおける"真なる国守"――"白半玉の宗家様"から」
「!?、なっ……!!!!!」
質問をはぐらかす様な入りで、ノブユキは懐から2通の書状を取り出し、意味深な口調でモトハルにそれを見せると、彼は先程よりも驚いて色めき立ち、畏まって諂いながら、書状を掲げたまま受け取る。
敬謙な萬神道信者が多いとされるハクキでは、正式な儀はまだであるにしろ、もはや大巫女として扱うべきシオリと、国守という立場からは失しても、国の"守護者"である事は変わっていない、アヤコからの書状は――ある意味、神託に等しき書状である。
まず、シオリからの書状の内容はこうだった。
『紫珠輪を継いだ私と、その承認を下さった当世刀聖様は、今の動乱渦巻く翼域の有り様と、それを良しとする人々の思慮無き心根の行き先を危惧しております。
滅びの執行者たる刀聖様が、それを正す事へと動かれるとなれば、先導者たる立場を継いだ私は、その滅びの拡がりを、最小限に抑える様に動くのが肝要と心得ております。
故に、ハクキ合衆連邦、統領殿に御進言致します。
今のツクモの雰囲気の異に気付き、この世界が民に相応しい有り様へと、戻る事を望む民たちを、守り援ける立場であった欲しいと』
そして、アヤコからの書状には――
『――皇、退きしコウオウが地は、もはや聖地に非ず』
――という、一文だけが記されていた。
「――なるほど。
統領が今の指図と、先程までのオウクでの事態――全ては、次世大巫女様と宗家様、そして、刀聖様の手の中にござったか!」
書状の中身を読み終えたモトハルは、書状を持つ手を震わせながら、そう呟いて思わず唸った声を漏らす。
「書状のみでは、半信半疑で眉唾だと思いながら、総大将殿を呼び出した次第ではありましたが……今の占報にて、全てに合点が行き申した。
これは先の大戦で『邪』と断じられた、我らハクキが民にとっては汚名返上の機会っ!、『武』と『文』の象徴――刀聖様と大巫女様、調律者たる皇様の尖兵として!、コウオウが地をあるべき姿へと立ち戻らせる事に、心血を注ぐべき局面であると!」
ノブユキは、興奮に震えるその手を掲げ、ツクモ図を睨み付ける。
「――国対国としての降伏は成立していても、公然と反旗を掲げて抵抗して見せたオウビの流者たちを筆頭に、南コクの支配がコウオウ全域に行き渡っているとは言い難い。
そこで、我らハクキがコウオウ北部を抑え――いざ奪還というその時には、皇様以下を諸手を挙げて迎え入れる事が出来る体勢を構築したい――そう仰るか?」
「ええ――思えば、先の大戦の結果が、我らハクキの失策が……この現状を招いてしまったと言っても過言ではない……民たちの"余計な目覚め"という名の『邪』を生んでしまったのは、我らハクキが罪と言えましょう。
故に、その新たな『邪』を断じる手助けをする事で、それを最大の贖罪とすべきと思うのです」
ノブユキは、モトハルの瞳を見据えながらそんな熱弁を振るう。
「議会工作については、私が死力を尽くします!
ですから、此度の占報に呼応し、コウオウからの難民流入が本格的に始まる前に、件の地域を抑えるために動けるよう、派兵の準備と策の用意をお願いしたい!
私たちの様な、旧体然とした宗家の存在を尊ぶ主義の者は、この国にはまだまだ息衝いている――こんな私が、未だに統領の任に着いていられるのが何よりの証拠。
先の占報にもあった様に、何も誰もが、コクエらの思想に染まっているワケではないと実感した今ならば、策謀渦巻く議会とて、一枚岩となり得る余地はまだ残っている!」
ノブユキは力強くそう宣言し、その勢いのままモトハルに握手を求める。
「――文民統制という、ある意味では独裁下よりも息苦しさを感じる体制に身を置いてはいても……貴方の様に、成すべき事を心得ておる方の下ならば、それも悪くはないな」
モトハルは目を瞑り、得々とそう語ると、目を開けると同時に口元を緩め、また大きな牙を晒しながら、ノブユキからの握手に応じた。
この様に――ソウタたちの公開裁判への乱入と、その衝撃度は現状を揺るがすに易く足りるモノであった。
「――ユキムネ、貴様を光刃の裁きに殉じた、英霊マサノリの後任として、三軍将に任ずる」
「――はっ!」
公開裁判の占放から三日後――スヨウでは、ホウリ平原からの敗走後、再編が滞っていた第三軍の将に、第一軍所属でノブタツの軍師であった黒い仮面の男、ユキムネをスライドさせる形で任命し、三軍の再編への着手し――
「――重ねて、皇様が民を連れて退き、空白地となった『旧』コウオウ南部と、南コクエ東端への侵攻を命ずっ!」
――コウオウ南部地域の再制圧と、此度の事で大幅に求心力と戦力を失った南コクエへの牽制として、コレを足掛かりに、南コクエへ侵攻する事を決断したのだった!
(ふふ……次世大巫女とアヤコめ、随分と酔狂な趣向を組んで来たモノだ♪)
――と、ユキムネへの着任式を催しながら、ノブタツは心中でそんな事を呟いていた。
その理由は――ノブユキへ届いたモノとほぼ同内容の書状が、二人から届いていたからだ。
更に、アヤコからのモノには、『~もはや聖地に非ず』の後に、こんな下句が付いていた――
『戦果次第に候』
――つまり、南コクエに侵され、皇も去ってしまった以上、好きに侵攻すれば良いという意味である。
(ふっ……ふははははっ!、さしずめ"脚本"を書いたのは刀聖――ソウタではあろうが、なかなかに乙な役どころを用意してくれたモノよ♪
良いだろう――うぬらが望む様に、我らスヨウも踊ってやろうではないか!)
ノブタツは、任を命じたユキムネの顔を見据え、ほのかにほくそ笑んでみせる。
「承知にございます――御家方様、我らが頭に君主を掲げる事を、散々愚弄してきた南コクエに、私と新たな第三軍が、怒りの鉄槌を喰らわす様を御覧に入れまする」
ユキムネは、マサノリの下に着いていた、コウオウ戦役の敗残兵たちをそのまま登用しながら、自分の息がかかった新顔も加え、新生三軍を組織し、その副将には――
(――おじいちゃんが遺言に、絶対に気を許すなと言い残した、あの黒面男が……まさか、私たち三軍の将に据えられるだなんてね……)
――ユキムネの後ろに畏まり、下目から彼の背を凝視しているリノが、そのまま着いていた。
(おじいちゃんが死んじゃったから、もう退役を申し出るべきかと思ってたけど――この黒面が三軍将になるんなら、遺言を直に聞いたアタシが、この黒面がナニを企んで、ナニをしようとしているのかを、側に付いて見極める必要がある!)
リノは、力強い表情で唇を噛み、決意に満ちた表情で、謁見の間の中空を見上げていた。
「くっくっくっ――あの芸人さんも、珠には良い仕事をしてくれたモノです♪」
――と、またも場面は替わり、北コクエの都、キョウカにある民政館では、ヒコザは笑みを浮かべ、ご機嫌にそう呟いていた。
「そうですね――これで南の求心力は失墜、彼らが掲げる共営社会の確立は水疱に帰し、後は体制の崩壊を待つばかりでしょうね」
それを聞いていた、側近のサキチも、ヒコザの意見に同調して深く頷く。
「これで、我らコクエの民が最も望んでいる――分裂した南北の統一への足掛かりが出来ました。
確かに、先日観たあの芸人――刀聖の禍々しき強さは恐ろしいモノでしたが、統一が成り、重ねて天警士団をも加えた強力無比の軍勢を構築出来れば、少なくとも簡単にはコチラに手出し出来ない。
そのためにも、抵抗を続ける残りの士団員たちを早急に屈服させ、翼域全域の併合を終えれば――国力の面でも、我らコクエが他国を凌駕する存在となり、刀聖に組する者たちも、否応無しに我らコクエの偉大さに、平伏する事となるでしょう……くっくっくっ!、くっくっくっ……」
ヒコザは、相変らずの下卑た笑い声と共に、自分の野望が成された、浅はかな妄想を楽しんでいた…
ソウタが、シオリが、皆に示した世界への宿題。
それぞれが選んだその答えの内、どれが正しいかどうかは別にして――各々のその選択が、この世界の大きな分岐点となった事は間違いない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる