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互いの赤心
順位
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「――ふむ、コレで、大まかな"進み具合"が解かりましたね。
"幾度"で、ユキが最も"深い仲"――ヒカリが"一度"で次点、裸を見せたシオリ、押し倒されたアオイ――と言った順でしょうかね?」
アヤコは一旦、話を纏めようと、指折り数えて、自分が知る限りのソウタとの遍歴を確認してみせる。
「シオリの裸――っ!?、ああ、継承の儀がありましたものね……」
(……あっ、"コレ"を観た後なんだと思うと、仮にこれから"いざ"となっても、脱ぎ難いかもなぁ……)
例の継承騒動を知らない、アヤコとシオリ以外の面々が驚いてみせた後に、次第に心当たりがあるサトコは、渋々と言った様で納得し、ヒカリはシオリの肢体を改めて凝視し、自分の"イロイロ"と見比べながら、愕然とした表情を浮かべた。
「――みっ!、皆さん……アヤコ様から望まれた話題とはいえ、いつまでも続けていては、はしたなく思いますよ?」
――と、シオリは尤もらしく、アヤコの次に年長である事を幅に効かせ、諭す態で話題を閉じようと画策する。
「ふん――御家方様、その順に対して、幾分の異議がございます。
いくら"稀代の宝物級"の裸体を晒したとはいえ、"自分の想いを秘めたまま"の御方より、私と彼奴の仲が下目に置かれるのは、少々納得しかねまする」
まず鼻を鳴らし、そう異論を唱えたのはアオイ――彼女は、シオリの方にチラリと目を向けた後、そんな不満を挙げて、件の順位の変更を願う。
「そうよね……明らかに気持ちは"バレバレ"なのに、いつまでも告白には及ばないどころか、こんな詳らかにしようという集いに至ってまで、隠し通そうと黙っているのは……卑怯な態度とも言えますよね?」
――と、アオイの意見に同調を示したのはサトコ。
彼女も、一瞥の意味合いを纏った目線を、シオリへと浴びせる。
「ううっ……そもそも私は神職者、萬の神々に尽くす事を決心した身の上であり、大巫女という重責まで担う事となった立場。
仮にそれらの事を省いても、私は"四歳も年上"なのです――年下の男性相手の恋愛は、このツクモにおいては"種間の禁忌"に次ぐ、倫理感を問われてしまう所業……明かせと仰られるは、些か後生にございましょう?」
シオリが、何かに付けてソウタとの年齢差を気にしている理由が、まさにコレである。
ツクモでは、女性側が年上のケースのカップリングを忌避する風習、風潮が存在しているのだ。
理由となる由来としては――まだ、神話の内とも言える三世皇の頃、当初に皇夫として見初められた者が、皇よりも年下だった。
その男は、なんと子も出来ぬまま結婚後三年で早逝――その後の"二人も"また年下だったが、なんとなんと、その二人も、三~四年余りの結婚生活の末に亡くなり、三世皇を深く悲しませた。
以来、ツクモには、『いわゆる"姉さん女房"は不吉』という言説が拡がり、それを忌避する風習、風潮が芽生えたのだった。
それから数千年を経た今では、ただの迷信と化しているのだが――敬虔な萬神道信徒を中心に、未だ忌避する傾向は根強く、シオリの様な孤児院育ちな者などは、特に気にしていると言って良い。
「――やはり、そうでしたか……そういう"ホンネ"が、聞きたかったのですよ」
アヤコは、嫋やかに微笑んで、シオリの肩に手を置き、決心して明かした事を労ってみせる。
「それ故に、気持ちを押し殺してはいるが、ホンネでは"ソウタを好いている"――そう、受け取っても良いのですね?」
「……はい」
アヤコから確認に、シオリは躊躇い気味に身を捩りながら、顔を伏せ、囁く様な声音でそう言い漏らす。
「あ~あ~っ!、早めに諦めておいて正ぇ~解っ!、世界一の美女が相手じゃ、勝ち目無いモンねぇ~っ!」
――と、シオリの明言を目の当たりにしたタマは、脱力する体で手を拡げ、湯の水面に浮かんでみせる。
「内面とて、熟れかかった芳しい色香を纏いながら、乙女が如き瑞々しさも湛えている果実の様なモノですものね……
武人のソレに例えれば、宛ら光刃を二刀、携えて戦場に立っている様なモノ……反則ですよ」
「うう~っ!、皇様ぁ~……言い様に因っては、"うら若き殿方に、年甲斐もなく焦がれる年増女"とも言えるのですよぉ~!」
冷酷な眼差しを向けて、冷静に得々とシオリの利点を言い列ねるサトコに向けて、当のシオリは、両手で顔を覆いながら、自虐全開の自評を挙げる。
(――幼馴染も、旅の最中であった人たちも、皇様や大巫女様だって、私と大して変わらない感じで、ソウタさんの事が好きなんだなぁ……)
――と、皆のやり取りを端から観ていたレンは、そんな風に微笑ましく思いながら、薄っすらと笑みを浮べて、側に浮かべていた手ぬぐいで、首筋の汗を拭う。
「――さて、残るは貴女だけですよ?、えっと……レンさん?」
――そこに、話をレンへと振って来たのは、丁度真っ直ぐに相対する構図となっていたサトコ。
彼女は、したり顔を覗かせながらそう言って、レンへ向けて片手の平を向ける。
「――えっ!?、わっ!、私にございますか?!」
「ええ――貴女だって、この場に呼ばれたという事は、"お仲間"のはずでしょう?
ヒカリやアオイからは、再会の折に"熱い抱擁"を交わす程の親密ぶりであったと聞き及んでいますし……」
すっかり、油断していたレンが、強く狼狽してみせている最中、サトコはズイっとにじり寄りながら、彼女に返答を迫る。
「確かに――この場に居る者の中で、最も"どの程度の親密さ"であるかが、読めぬ相手とも言えるな……」
「――"ヤマカキ事変、唯一の生存者"……正直に言えば、私たちが知るのは、そこまでの事情のみですし……」
「――そだね、戦絡みの頃は、あんまり顔を合わせてなかったし……」
――とは、そうしてサトコの主張に強く賛同してみせた、アオイやシオリ、タマの声。
彼女らも、レンの方へと顔を向け、彼女の返答を待っている……
――レンは、表情を硬直させ、些か後ずさりもみせていた。
何せ、眼前にしている内の二人は、この世界、随一のVIP二名である――改めて、自分はとんでもない交友関係を持つ者に魅かれてしまったモノだと、後悔染みた意味で思い知らされていた……
「わっ、私は――恐らく"最下位"だと思います……一晩、野宿を御一緒しただけですし」
レンが、モジモジとしながらそう答えると、先に問うたサトコを始め、場の殆どの者が彼女に"ジト目"を向ける。
「そんなはずが無かろぉ~う!?
命の恩人という点を盾に、"アレ"や"コレ"やをされた挙げ句――操を捧げてしまったが故に、惚れぬワケには行かなくなり……」
――特に、アオイは根も葉もない偏見も混ぜて、レンへ真相を迫ってみせる。
「レンちゃんは、嘘を言っていないと思います……"界気の色"からして」
そう言って、レンを援護に出たのはユキ。
彼女は、レンを自分の側へと引き寄せて、庇う恰好でアオイから遠ざける。
「ぐっ……そう言えば、そんな"神々の慰み"を賜っているのだったな……」
アオイは、ユキの言葉にハッとなって、詰め寄るのを止めてみせる
「ええ、嘘を見抜くのは朝飯前――それにソウタさんは、そーいう見返りを求める様な御方では……」
「――だね、ソウちゃんって、あんまり"助平"ではないと思うよ?
私とだって、再会してから、結局一度も"ナニも無い"のが、何よりも良い証拠だよぉ……」
ユキの主張を補足する様に、ヒカリは目を虚ろに泳がせながら、寂しげな声音でそう呟く。
「――っ!?、"ナニも無い”……戦絡みの忙しさがあったにせよ、まったくあの子は……」
――と、それを聞いていたアヤコは頭を抱え、大きく溜息を吐いた。
「――しかし、コレならば、余計に"頼み易い”のは確かね……」
アヤコは、独り言気味にそう呟くと、レンの方へと身を向けて――
「ところでレン――貴女に一つ、頼みたい事があるのだけれど……」
――と、嫋やかな笑みを浮かべながら、レンの肩へ手を置く。
「はい、なんでしょう……?」
「ソウタと一冬、"同棲"して貰いたいのです♪」
――という、場の皆が、温泉に浸かっては居ても、凍り付いてしまう様な衝撃的な一言を告げるために。
"幾度"で、ユキが最も"深い仲"――ヒカリが"一度"で次点、裸を見せたシオリ、押し倒されたアオイ――と言った順でしょうかね?」
アヤコは一旦、話を纏めようと、指折り数えて、自分が知る限りのソウタとの遍歴を確認してみせる。
「シオリの裸――っ!?、ああ、継承の儀がありましたものね……」
(……あっ、"コレ"を観た後なんだと思うと、仮にこれから"いざ"となっても、脱ぎ難いかもなぁ……)
例の継承騒動を知らない、アヤコとシオリ以外の面々が驚いてみせた後に、次第に心当たりがあるサトコは、渋々と言った様で納得し、ヒカリはシオリの肢体を改めて凝視し、自分の"イロイロ"と見比べながら、愕然とした表情を浮かべた。
「――みっ!、皆さん……アヤコ様から望まれた話題とはいえ、いつまでも続けていては、はしたなく思いますよ?」
――と、シオリは尤もらしく、アヤコの次に年長である事を幅に効かせ、諭す態で話題を閉じようと画策する。
「ふん――御家方様、その順に対して、幾分の異議がございます。
いくら"稀代の宝物級"の裸体を晒したとはいえ、"自分の想いを秘めたまま"の御方より、私と彼奴の仲が下目に置かれるのは、少々納得しかねまする」
まず鼻を鳴らし、そう異論を唱えたのはアオイ――彼女は、シオリの方にチラリと目を向けた後、そんな不満を挙げて、件の順位の変更を願う。
「そうよね……明らかに気持ちは"バレバレ"なのに、いつまでも告白には及ばないどころか、こんな詳らかにしようという集いに至ってまで、隠し通そうと黙っているのは……卑怯な態度とも言えますよね?」
――と、アオイの意見に同調を示したのはサトコ。
彼女も、一瞥の意味合いを纏った目線を、シオリへと浴びせる。
「ううっ……そもそも私は神職者、萬の神々に尽くす事を決心した身の上であり、大巫女という重責まで担う事となった立場。
仮にそれらの事を省いても、私は"四歳も年上"なのです――年下の男性相手の恋愛は、このツクモにおいては"種間の禁忌"に次ぐ、倫理感を問われてしまう所業……明かせと仰られるは、些か後生にございましょう?」
シオリが、何かに付けてソウタとの年齢差を気にしている理由が、まさにコレである。
ツクモでは、女性側が年上のケースのカップリングを忌避する風習、風潮が存在しているのだ。
理由となる由来としては――まだ、神話の内とも言える三世皇の頃、当初に皇夫として見初められた者が、皇よりも年下だった。
その男は、なんと子も出来ぬまま結婚後三年で早逝――その後の"二人も"また年下だったが、なんとなんと、その二人も、三~四年余りの結婚生活の末に亡くなり、三世皇を深く悲しませた。
以来、ツクモには、『いわゆる"姉さん女房"は不吉』という言説が拡がり、それを忌避する風習、風潮が芽生えたのだった。
それから数千年を経た今では、ただの迷信と化しているのだが――敬虔な萬神道信徒を中心に、未だ忌避する傾向は根強く、シオリの様な孤児院育ちな者などは、特に気にしていると言って良い。
「――やはり、そうでしたか……そういう"ホンネ"が、聞きたかったのですよ」
アヤコは、嫋やかに微笑んで、シオリの肩に手を置き、決心して明かした事を労ってみせる。
「それ故に、気持ちを押し殺してはいるが、ホンネでは"ソウタを好いている"――そう、受け取っても良いのですね?」
「……はい」
アヤコから確認に、シオリは躊躇い気味に身を捩りながら、顔を伏せ、囁く様な声音でそう言い漏らす。
「あ~あ~っ!、早めに諦めておいて正ぇ~解っ!、世界一の美女が相手じゃ、勝ち目無いモンねぇ~っ!」
――と、シオリの明言を目の当たりにしたタマは、脱力する体で手を拡げ、湯の水面に浮かんでみせる。
「内面とて、熟れかかった芳しい色香を纏いながら、乙女が如き瑞々しさも湛えている果実の様なモノですものね……
武人のソレに例えれば、宛ら光刃を二刀、携えて戦場に立っている様なモノ……反則ですよ」
「うう~っ!、皇様ぁ~……言い様に因っては、"うら若き殿方に、年甲斐もなく焦がれる年増女"とも言えるのですよぉ~!」
冷酷な眼差しを向けて、冷静に得々とシオリの利点を言い列ねるサトコに向けて、当のシオリは、両手で顔を覆いながら、自虐全開の自評を挙げる。
(――幼馴染も、旅の最中であった人たちも、皇様や大巫女様だって、私と大して変わらない感じで、ソウタさんの事が好きなんだなぁ……)
――と、皆のやり取りを端から観ていたレンは、そんな風に微笑ましく思いながら、薄っすらと笑みを浮べて、側に浮かべていた手ぬぐいで、首筋の汗を拭う。
「――さて、残るは貴女だけですよ?、えっと……レンさん?」
――そこに、話をレンへと振って来たのは、丁度真っ直ぐに相対する構図となっていたサトコ。
彼女は、したり顔を覗かせながらそう言って、レンへ向けて片手の平を向ける。
「――えっ!?、わっ!、私にございますか?!」
「ええ――貴女だって、この場に呼ばれたという事は、"お仲間"のはずでしょう?
ヒカリやアオイからは、再会の折に"熱い抱擁"を交わす程の親密ぶりであったと聞き及んでいますし……」
すっかり、油断していたレンが、強く狼狽してみせている最中、サトコはズイっとにじり寄りながら、彼女に返答を迫る。
「確かに――この場に居る者の中で、最も"どの程度の親密さ"であるかが、読めぬ相手とも言えるな……」
「――"ヤマカキ事変、唯一の生存者"……正直に言えば、私たちが知るのは、そこまでの事情のみですし……」
「――そだね、戦絡みの頃は、あんまり顔を合わせてなかったし……」
――とは、そうしてサトコの主張に強く賛同してみせた、アオイやシオリ、タマの声。
彼女らも、レンの方へと顔を向け、彼女の返答を待っている……
――レンは、表情を硬直させ、些か後ずさりもみせていた。
何せ、眼前にしている内の二人は、この世界、随一のVIP二名である――改めて、自分はとんでもない交友関係を持つ者に魅かれてしまったモノだと、後悔染みた意味で思い知らされていた……
「わっ、私は――恐らく"最下位"だと思います……一晩、野宿を御一緒しただけですし」
レンが、モジモジとしながらそう答えると、先に問うたサトコを始め、場の殆どの者が彼女に"ジト目"を向ける。
「そんなはずが無かろぉ~う!?
命の恩人という点を盾に、"アレ"や"コレ"やをされた挙げ句――操を捧げてしまったが故に、惚れぬワケには行かなくなり……」
――特に、アオイは根も葉もない偏見も混ぜて、レンへ真相を迫ってみせる。
「レンちゃんは、嘘を言っていないと思います……"界気の色"からして」
そう言って、レンを援護に出たのはユキ。
彼女は、レンを自分の側へと引き寄せて、庇う恰好でアオイから遠ざける。
「ぐっ……そう言えば、そんな"神々の慰み"を賜っているのだったな……」
アオイは、ユキの言葉にハッとなって、詰め寄るのを止めてみせる
「ええ、嘘を見抜くのは朝飯前――それにソウタさんは、そーいう見返りを求める様な御方では……」
「――だね、ソウちゃんって、あんまり"助平"ではないと思うよ?
私とだって、再会してから、結局一度も"ナニも無い"のが、何よりも良い証拠だよぉ……」
ユキの主張を補足する様に、ヒカリは目を虚ろに泳がせながら、寂しげな声音でそう呟く。
「――っ!?、"ナニも無い”……戦絡みの忙しさがあったにせよ、まったくあの子は……」
――と、それを聞いていたアヤコは頭を抱え、大きく溜息を吐いた。
「――しかし、コレならば、余計に"頼み易い”のは確かね……」
アヤコは、独り言気味にそう呟くと、レンの方へと身を向けて――
「ところでレン――貴女に一つ、頼みたい事があるのだけれど……」
――と、嫋やかな笑みを浮かべながら、レンの肩へ手を置く。
「はい、なんでしょう……?」
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