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魔法使いに弟子入りしようとしたら、魔法使いが弟子になった件 入門編一
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本日晴天、絶好のYouTube日和なり。
メインキャスト兼リーダーの俺、カメラマン兼最高顧問のなかつ、動画編集兼カンペ係のオタ。
そして、七番街冒険者組合所属アテナファミリアの主神兼雑用係のアテナ。
新たなメンバーとして加入したアテナは、先日の一件によりなかつに頭が上がらない状態へと陥っている。
ともあれ、この四人で今後は動画をバシバシ撮っていくつもりである。
「では早速本日の動画いきたいと思います。今回の動画はズバリ魔法ってあるの?という疑問についてズガンと検証していきます。ズバリ魔法検証シリーズであります」
異世界に来たら何がしたいか、と考えた時に最初に浮かんだのはとりあえず魔法使ってみてぇ、だった。
なんか雷とか炎を手から出したり、自力で空を飛んだりとかその辺は異世界ならではだろう。
よくある◯◯やってみたなどの検証動画とは相当に一線を画する、ファンタジー感溢れる素敵動画が撮れると既に俺の中では確信している。
「まずは舞空術いきたいよねぇ。DBみたいに気を操ってなんとかするのか、それとも風を纏って浮くのかその辺を検証していきます」
「おい待て、ダンジョンに行くと約束したろ!この世界の秩序と安寧のために戦うと昨日誓ったばかり───もがもがうん、甘いな」
なかつがアテナの口にオタが持ってきたおやつ用の饅頭を放り込み黙らせる。
この神様の年齢は予想できないが、精神年齢でいえば10歳程度じゃないかと、俺の中では確定しつつある。
ともかくそんな小競り合いの続く場を改めるべく、というわけで、と前置きをして急いで今回呼んだゲストを手招きして呼ぶ。
背は低く160cmくらい(といっても背がだいぶ曲がっているので、伸ばせば俺と同じ176cmくらいはある)の見るからに怪しそうなお爺さん。
なにせ黒いフード付きのローブを着た、まんま魔法使いの格好をしたお爺さんなのだ。
ハリポタに出ても違和感のないお爺さんだが、もちろんコスプレやこの世界のファッションなどではない。
「実は今回お呼びしたこの男性、なんと実は……魔法が使えるんです。空を飛んで火の玉を飛ばし少し先の未来を予測し、最近は盆栽と家の庭にある畑で野菜を作るのが趣味とか。その名もカイナム老師!元冒険者で今は後進の育成もしてるそうです」
昨日冒険者組合に行って組合所属の美人受付嬢であるツェーレに、魔法を覚えたいので教えてくれそうな人を紹介してくれ、と頼んだところこのカイナム老師を紹介してくれた。
ちなみに、「え?でもケン様は魔法使えますよね?」とツェーレに意味不明なことも言われたわけだが。
どうやら飛竜討伐やら四神祭での出来事を魔法で解決したのだと思われていたらしい。
可愛いから許すが、ツェーレは少しせっかちで勘違いしがちな性格らしい。もう一度言うがもちろん可愛いから許すのである。
それに既視感というか少し似た性格の人間が昔馴染みにいるので、慣れたとは言いたくないが多少の耐性はついているのだろう。
まぁ、それは今はどうでもいいと、頭の中を切り替える。
とにかく何十年も前に冒険者を引退し、その後魔法塾のようなものを開き、ダンジョン攻略に多大な貢献を果たしている、いわば魔法を教えるプロフェッショナルを紹介してもらえたのである。
「せっかくなんで魔法について色々聞きたいんですけど、まず魔法って誰でも使えるんですかね。僕魔法の才能とかなさそうなんですけど」
この世界の住人は元から魔法を使う才能があるから、誰でも練習すればできると言われて仕舞えば終わりだ。
異世界人の俺ではどうにもならないと、今回の動画はお蔵入りになる可能性すらあり、ほんの僅かな緊張を孕みながら尋ねる。
「……。」
返事がない、ただの屍のようだ。
と、いつもの調子で言いたくなるが、お年寄り相手にそれを言ったら縁起でもないぞとクレームが来そうなのでやめておく。
単に耳が遠いのだろう。
「あのー!カイナム老師!魔法の基本を教えてください!」
「……。ほぉほぉ、盆栽に興味があるのか?若いのに珍しいのぉ」
「いやいや、魔法!魔法を教えて欲しいの」
「……おぉ、干し芋。ちょうどええ按配の干し芋ができる頃じゃて、お前も食いに来いオズワルド」
「オズ、え?僕の名前は健太ですけど」
オズワルドとは俺のことらしい、確かに教えを請う立場でありながら名乗り忘れていたのは礼を失していたが、一体誰と勘違いしたら俺をそんな洋名と勘違いするものだろうか。
というか、このおじいちゃん完全にボケが来てしまっている。
そんな不安に駆られていたちょうどその時だった。
目の前から明らかにこちらに向かってくる一人の痴女がいた。
痴女といっても普通の痴女などではない、魔女風の格好の痴女である。
全体的に黒い服装で鍔広で頭部が尖った所謂魔女の帽子に、胸元は大胆に露出しヘソも惜しげも無く晒し、下はかなり際どいミニスカート。
髪と瞳はこの世界では珍しい黒。
大変美人で色気も凄まじく、嗅ぎ慣れない甘い匂いの香水も香りもした。
ハロウィンで盛り上がるコスプレ女子を引っ張って来たような場違い感である。
かける言葉が見つからず立ち尽くしていた俺の前まで来ると女性は止まった。
そして色気のある艶やかな唇を開き、ねっとりとした甘い声で話し始める。
「ごめんなさいねぇ、でもお爺ちゃんに魔法を教わる無理よぉ。もう何年も前に魔法塾も引退しちゃってぇ」
「あぁ、通りで」
真面目なのは認めるけど、やはりツェーレは相当におっちょこちょいだったようだ。
後で文句を言いに行かねばなるまい、そしてそのままお茶に誘って親睦を深めるとしよう。
そんなことを考えてると、痴女ではなく魔女らしき女性のジッと見つめる視線と交錯した。
「えっと……俺の顔になんかついてました?」
彼女はしばらく間を置き、ゆっくりと口を開いた。
「あなたぁ、飛竜討伐をしたっていぅ冒険者よねぇ?四神祭の時に見たからぁ、間違いないと思うんだけどぉ」
「その冒険者で間違いないですけど」
彼女は上から下まで訝しそうに視線を動かす。
何が不審なのかという問いしようと口を開きかけたところで、彼女のほうが先に口を開いた。
「魔法習いたいって話なのよねぇ?でもあなたぁ、爆裂の魔法を使うかなりの使い手と聞いていたのだけれどぉ。どういう風の吹き回しかしらぁ」
「えー、その、なんだ。そうそう爆裂魔法以外は苦手でして、折角なんで色んな魔法覚えてみようかなぁ、なんて」
勘違いさせとけば後で交渉に使えるかもしれないから極力黙ってたほうがいい、というなかつからのアドバイスを思い出し、適当に話を誤魔化した。
自慢ではないが俺は嘘をつくのがかなり下手だと自負している。
嘘をつく時は自分でもわかるくらいにたどたどしく話してしまうからだ。
しかし彼女は特に疑う風もなく、妙に納得したように頷き、さらにはいいことを思いついたと手を叩く。
「なら私が魔法を教えてあげるわぁ。あたしの家なら魔法の修行もし易いものぉ。ほら、お爺ちゃんもお家に帰るわよ、お婆ちゃん心配してたんだから」
「おー、すまんなカナリア。それじゃあ一緒にダンジョンに行くか」
「私の名前はカナリスよ、カナリアはお婆ちゃんの名前でしょ。それとダンジョンじゃなくてお家に帰るのよ」
そう言って痴女もといカナリスはカイナム老師の肩を支えるようにして元来た方向へと歩き出す。
カナリスはお爺さんと話す時だけは語尾に小文字の母音が入らないらしい、と気付き俺の中でちょっと好感度が上がった。
そんなことを思いながら俺達もその後ろに続き歩き出した。
とはいえどうしてもカイナム老師の歩調に合わせるしかなく、かなりゆっくりとだったが、10分もしないうちに他の建物より一回り大きい屋敷に着いた。
「見た目西洋の魔女風コスプレで、家は木造和風っぽいって謎だな」
「木造でも和風とは少し違うだろ。どのみち建築技術は大したことないな」
「そりゃなかつ氏あれでしょ。魔法があるから技術革新が進まない的なことじゃね?魔法の発展の方が優先的な」
「それはあるな。でも魔法があることを前提に技術の開発を進めれば、向こうの世界より遥かに───」
「はいストップ!難しい話禁止」
いつまで続くともしれない二人の会話を強制的に終了させた。
その間にカナリスは戸を横に滑らせ開けると、カイナム老師を中に入れる。
「ちょっと待ててくれるかしらぁ。裏に魔法練習用のスペースがあるのよぉ」
しばらくして戻ってきたカナリスに案内されるまま、屋敷の横を通り裏庭へと回った。
それなりの広さの庭には池に盆栽に、まさしく古き良き日本庭園のような風情があった。
しかし風情はあっても、練習用のスペースというものは見当たらない。
だがカナリスは躊躇うことなく庭を進み、物置小屋の前で止まった。
「この先よぉ。今日は魔法塾もお休みだから貸し切りになってるわぁ」
「いやでも、これただの物置じゃん。こんなとこに五人も入ったら、ぎゅうぎゅうであちこち当たるというか、下手するあんなことやこんなこと……にぃぃい⁉︎」
カナリスが物置の戸を開ける。
せいぜい2畳ほどの物置のはずが、中の広さは広かった。
広さは広かったなんて馬鹿丸出しの説明だか、驚きでそんな感想しかでてこなかった。
なんせ物置に入ったら中は学校の体育館の半面ほどの広さがあったのだ、これに驚かずして俺は今後何に驚けばいいものか。
「なるほどこれも魔法か」
「建築技術を補って余りある魔法技術の発展ですななかつ氏」
「あぁ、納得するしかないな」
「ヤックデカルチャー」
入り口で立ち止まり感想を述べていると、カナリスが先頭にいた俺の腕を引いた。
この世界ではこんな光景珍しくはないのだろう。
「ようこそカイナム魔法塾へ。改めて挨拶するわねぇ私が現講師のカナリスよぉ」
こうして俺の、いや俺達の魔法特訓。ではなく魔法検証動画の撮影が始まるのだった
メインキャスト兼リーダーの俺、カメラマン兼最高顧問のなかつ、動画編集兼カンペ係のオタ。
そして、七番街冒険者組合所属アテナファミリアの主神兼雑用係のアテナ。
新たなメンバーとして加入したアテナは、先日の一件によりなかつに頭が上がらない状態へと陥っている。
ともあれ、この四人で今後は動画をバシバシ撮っていくつもりである。
「では早速本日の動画いきたいと思います。今回の動画はズバリ魔法ってあるの?という疑問についてズガンと検証していきます。ズバリ魔法検証シリーズであります」
異世界に来たら何がしたいか、と考えた時に最初に浮かんだのはとりあえず魔法使ってみてぇ、だった。
なんか雷とか炎を手から出したり、自力で空を飛んだりとかその辺は異世界ならではだろう。
よくある◯◯やってみたなどの検証動画とは相当に一線を画する、ファンタジー感溢れる素敵動画が撮れると既に俺の中では確信している。
「まずは舞空術いきたいよねぇ。DBみたいに気を操ってなんとかするのか、それとも風を纏って浮くのかその辺を検証していきます」
「おい待て、ダンジョンに行くと約束したろ!この世界の秩序と安寧のために戦うと昨日誓ったばかり───もがもがうん、甘いな」
なかつがアテナの口にオタが持ってきたおやつ用の饅頭を放り込み黙らせる。
この神様の年齢は予想できないが、精神年齢でいえば10歳程度じゃないかと、俺の中では確定しつつある。
ともかくそんな小競り合いの続く場を改めるべく、というわけで、と前置きをして急いで今回呼んだゲストを手招きして呼ぶ。
背は低く160cmくらい(といっても背がだいぶ曲がっているので、伸ばせば俺と同じ176cmくらいはある)の見るからに怪しそうなお爺さん。
なにせ黒いフード付きのローブを着た、まんま魔法使いの格好をしたお爺さんなのだ。
ハリポタに出ても違和感のないお爺さんだが、もちろんコスプレやこの世界のファッションなどではない。
「実は今回お呼びしたこの男性、なんと実は……魔法が使えるんです。空を飛んで火の玉を飛ばし少し先の未来を予測し、最近は盆栽と家の庭にある畑で野菜を作るのが趣味とか。その名もカイナム老師!元冒険者で今は後進の育成もしてるそうです」
昨日冒険者組合に行って組合所属の美人受付嬢であるツェーレに、魔法を覚えたいので教えてくれそうな人を紹介してくれ、と頼んだところこのカイナム老師を紹介してくれた。
ちなみに、「え?でもケン様は魔法使えますよね?」とツェーレに意味不明なことも言われたわけだが。
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それに既視感というか少し似た性格の人間が昔馴染みにいるので、慣れたとは言いたくないが多少の耐性はついているのだろう。
まぁ、それは今はどうでもいいと、頭の中を切り替える。
とにかく何十年も前に冒険者を引退し、その後魔法塾のようなものを開き、ダンジョン攻略に多大な貢献を果たしている、いわば魔法を教えるプロフェッショナルを紹介してもらえたのである。
「せっかくなんで魔法について色々聞きたいんですけど、まず魔法って誰でも使えるんですかね。僕魔法の才能とかなさそうなんですけど」
この世界の住人は元から魔法を使う才能があるから、誰でも練習すればできると言われて仕舞えば終わりだ。
異世界人の俺ではどうにもならないと、今回の動画はお蔵入りになる可能性すらあり、ほんの僅かな緊張を孕みながら尋ねる。
「……。」
返事がない、ただの屍のようだ。
と、いつもの調子で言いたくなるが、お年寄り相手にそれを言ったら縁起でもないぞとクレームが来そうなのでやめておく。
単に耳が遠いのだろう。
「あのー!カイナム老師!魔法の基本を教えてください!」
「……。ほぉほぉ、盆栽に興味があるのか?若いのに珍しいのぉ」
「いやいや、魔法!魔法を教えて欲しいの」
「……おぉ、干し芋。ちょうどええ按配の干し芋ができる頃じゃて、お前も食いに来いオズワルド」
「オズ、え?僕の名前は健太ですけど」
オズワルドとは俺のことらしい、確かに教えを請う立場でありながら名乗り忘れていたのは礼を失していたが、一体誰と勘違いしたら俺をそんな洋名と勘違いするものだろうか。
というか、このおじいちゃん完全にボケが来てしまっている。
そんな不安に駆られていたちょうどその時だった。
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かける言葉が見つからず立ち尽くしていた俺の前まで来ると女性は止まった。
そして色気のある艶やかな唇を開き、ねっとりとした甘い声で話し始める。
「ごめんなさいねぇ、でもお爺ちゃんに魔法を教わる無理よぉ。もう何年も前に魔法塾も引退しちゃってぇ」
「あぁ、通りで」
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そんなことを考えてると、痴女ではなく魔女らしき女性のジッと見つめる視線と交錯した。
「えっと……俺の顔になんかついてました?」
彼女はしばらく間を置き、ゆっくりと口を開いた。
「あなたぁ、飛竜討伐をしたっていぅ冒険者よねぇ?四神祭の時に見たからぁ、間違いないと思うんだけどぉ」
「その冒険者で間違いないですけど」
彼女は上から下まで訝しそうに視線を動かす。
何が不審なのかという問いしようと口を開きかけたところで、彼女のほうが先に口を開いた。
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「えー、その、なんだ。そうそう爆裂魔法以外は苦手でして、折角なんで色んな魔法覚えてみようかなぁ、なんて」
勘違いさせとけば後で交渉に使えるかもしれないから極力黙ってたほうがいい、というなかつからのアドバイスを思い出し、適当に話を誤魔化した。
自慢ではないが俺は嘘をつくのがかなり下手だと自負している。
嘘をつく時は自分でもわかるくらいにたどたどしく話してしまうからだ。
しかし彼女は特に疑う風もなく、妙に納得したように頷き、さらにはいいことを思いついたと手を叩く。
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「おー、すまんなカナリア。それじゃあ一緒にダンジョンに行くか」
「私の名前はカナリスよ、カナリアはお婆ちゃんの名前でしょ。それとダンジョンじゃなくてお家に帰るのよ」
そう言って痴女もといカナリスはカイナム老師の肩を支えるようにして元来た方向へと歩き出す。
カナリスはお爺さんと話す時だけは語尾に小文字の母音が入らないらしい、と気付き俺の中でちょっと好感度が上がった。
そんなことを思いながら俺達もその後ろに続き歩き出した。
とはいえどうしてもカイナム老師の歩調に合わせるしかなく、かなりゆっくりとだったが、10分もしないうちに他の建物より一回り大きい屋敷に着いた。
「見た目西洋の魔女風コスプレで、家は木造和風っぽいって謎だな」
「木造でも和風とは少し違うだろ。どのみち建築技術は大したことないな」
「そりゃなかつ氏あれでしょ。魔法があるから技術革新が進まない的なことじゃね?魔法の発展の方が優先的な」
「それはあるな。でも魔法があることを前提に技術の開発を進めれば、向こうの世界より遥かに───」
「はいストップ!難しい話禁止」
いつまで続くともしれない二人の会話を強制的に終了させた。
その間にカナリスは戸を横に滑らせ開けると、カイナム老師を中に入れる。
「ちょっと待ててくれるかしらぁ。裏に魔法練習用のスペースがあるのよぉ」
しばらくして戻ってきたカナリスに案内されるまま、屋敷の横を通り裏庭へと回った。
それなりの広さの庭には池に盆栽に、まさしく古き良き日本庭園のような風情があった。
しかし風情はあっても、練習用のスペースというものは見当たらない。
だがカナリスは躊躇うことなく庭を進み、物置小屋の前で止まった。
「この先よぉ。今日は魔法塾もお休みだから貸し切りになってるわぁ」
「いやでも、これただの物置じゃん。こんなとこに五人も入ったら、ぎゅうぎゅうであちこち当たるというか、下手するあんなことやこんなこと……にぃぃい⁉︎」
カナリスが物置の戸を開ける。
せいぜい2畳ほどの物置のはずが、中の広さは広かった。
広さは広かったなんて馬鹿丸出しの説明だか、驚きでそんな感想しかでてこなかった。
なんせ物置に入ったら中は学校の体育館の半面ほどの広さがあったのだ、これに驚かずして俺は今後何に驚けばいいものか。
「なるほどこれも魔法か」
「建築技術を補って余りある魔法技術の発展ですななかつ氏」
「あぁ、納得するしかないな」
「ヤックデカルチャー」
入り口で立ち止まり感想を述べていると、カナリスが先頭にいた俺の腕を引いた。
この世界ではこんな光景珍しくはないのだろう。
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