婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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蜜水③ BL風味注意

「エリーゼ、また抜け出したな。」

シュバルツバルト侯爵ハインリッヒはそう言うと、エリーゼをひょいと持ち上げ縦抱きにするとスタスタと自室へと向かっていった。
侍女エミリは物陰からソッと伺い扉が閉まると、主であるフェリシアの元へと戻った。

ハインリッヒの部屋に持ち込まれたエリーゼはソファにチョコンと置かれ、無言で父ハインリッヒと対面していた。
父の側近であるアレクが3つ紅茶の入ったカップをテーブルに置くと、アレクはハインリッヒの隣に座った。
通常であれば側近が主の隣に座る事など無いのだが、今からエリーゼに話す内容が内容だけにハインリッヒはアレクに隣に座るよう命じていた。

エリーゼが、夜中にキャスバルの部屋に侵入した事を母フェリシアと侍女エミリの2人は感知していた。
朝方エリーゼが抜け出すと、フェリシアは直ぐさま夫の部屋に向かい夜中にあった事を夫に報告したのだ。
報告を受けたハインリッヒはフェリシアにエリーゼが帰って来次第、説教と説明をすると即答しエリーゼを捕獲するために廊下に出た。

ハインリッヒは無事エリーゼを捕獲し、軽いため息をつくと説教を始めた。
簡単に言えば、夜中に兄達の部屋に行ってはいけない事。
そもそもエリーゼは令嬢なのだから、夜中や朝方に部屋を出てはいけないとも。
最も朝方に部屋を出てはいけないと何度も説教したが、全くきいて無く呆れてもいたが……

「さて、エリーゼ。何故兄達の部屋に夜中に訪れてはいけないかだが、有り体に言えば男同士で睦み合う事があるからだ。」

「はい。キャス兄さまとレイはむつみあってました。」

平然と答える娘を見て、ハインリッヒは内心冷や汗をかいた。
さすがシルヴァニアの血を引く娘だ、と。

「そうか……睦み合っている最中に邪魔をするのはマナー違反だと思うぞ。」

「はい。わたくしもキャス兄さまとレイに、わるいことをしたとおもってます。」

「そうか、悪い事をしたと思っているなら気を付けれるな?」

「……はい……ですが……」

娘の歯切れの悪さに眉根を寄せ、何かあるのかが?と様子を伺う。

「あれではレイがつらそうでした!キャス兄さまもあれではつらいとおもうのです。」

男同士で睦み合うのは中々大変だ。
確かにキツい時も多々ある、だが仕方ない事だとお互い了承しているのだ。
ハインリッヒはアレクと視線を交わし、エリーゼを見やる。
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