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蜜水⑪ BL風味注意
フェリシアは自分の手のひらに、僅かな量を垂らし両手で擦り合わせるようにしてみた。
ニチャニチャと粘ついた水音がするものの、不思議とトロトロとしたままの液体に笑顔がこぼれた。
これを帝国に売り込めば、中々のものになる。と嬉しくなったのだ。
何せエリーゼが王家からの強い希望で婚約者になったのだが、その事で王家は関税や通行料の減額を要求してきた。
おかげで、懐事情と言うか台所事情が少しだけ厳しくなったのだ。
娘が王家に嫁ぐさいには、沢山のドレスやお飾り・身の回りに必要な物全てを新たに用意したいとフェリシアだけでなくハインリッヒも考えていた。
まだ幼い内は年に数回王宮に行けば良いのだが、やがて王都に移り住み社交だ学園だとなれば様々な用意が必要だ。
蓄えはあればあるほど良いのだ。
「エミリこちらへ、これをどう思いますか?率直に言って良いわ。」
スルスルと近づきフェリシアの手のひらに指先を置き、液体のさわり心地を確かめる。
「これならば、大旦那様をはじめ皆様有用にお使いになるでしょう。」
フェリシアとエミリは目配せをし、肯き合う。
「貴方、これ……私のお父様に送りたいのですけど、宜しくって?」
「義父上なら、喜ばれるかも知れんな。」
「えぇ、とても喜ぶでしょうね。………それで、これは何と言う物なのかしら?」
ハインリッヒもフェリシアも、思うところは同じだった。
だが、初めて見る物が何と言う物なのか分からず子供たちを見る。
「………なまえですか?うーん、キャス兄さまなまえつけてください。」
エリーゼはキャスバルに丸投げした。
そのお陰で、父母妹の3人から注目を集める事になった。
「え……?そうですね……桃やナオ草の香りがしますが蜂蜜の香りが1番強いのと、見た目は水の様なので……水蜜ですかね?」
「ぎゃくのほうがいいとおもいます!すいみつよりみつすいのがいいです!」
「どちらでも良いと思うしね、蜜水で良いか。父上、母上これの名前は蜜水と言う事で。」
こうしてエリーゼの作った物は蜜水と名付けられた。
「キャスバル、この蜜水の作り方は習得したのか?」
ハインリッヒの質問をキャスバルは特に気負うこと無く顔を合わせ答える。
「材料から作り方、私とレイが見ていましたから大丈夫でしょう。後、エリーゼが不思議な呪文を唱えてましたが覚えました。後程エリーゼに再確認し呪文を羊皮紙に書き残しておきます。」
ハインリッヒはふむ、と肯くと手のひらに乗っている蜜水がまだ乾かずにいる事に目を細めた。
「これ程の物なら、吹っ掛けても良さそうだ。キャスバルとエリーゼはもう少し残って居なさい、蜜水の材料や作り方を聞いておきたいからな。フェリシア、義父上には早急に送ってくれるか?返事が早いと助かるんだがな。」
ハインリッヒの言葉にキャスバルとエリーゼは肯き、アレクが入れてくれた紅茶に手を伸ばした。
一方フェリシアは既に立ち上がり、エミリを招き寄せ瓶が詰められた箱の元へと移動していた。
「えぇ、何本か頂いて行きますわ。お父様なら沢山買って下さるでしょうし、値段が高くても問題は無いでしょう。あぁ……好事家の方々や少々お年を召した方もきっと喜ばれるでしょうから、最初の1本は贈り物としてお渡しすれば良いと思いますわ。さ、エミリ戻りましょうか。」
フェリシアは実に嬉しそうに数本持って自室へと戻って行った。
勿論、侍女エミリも何本か持っていた。
ニチャニチャと粘ついた水音がするものの、不思議とトロトロとしたままの液体に笑顔がこぼれた。
これを帝国に売り込めば、中々のものになる。と嬉しくなったのだ。
何せエリーゼが王家からの強い希望で婚約者になったのだが、その事で王家は関税や通行料の減額を要求してきた。
おかげで、懐事情と言うか台所事情が少しだけ厳しくなったのだ。
娘が王家に嫁ぐさいには、沢山のドレスやお飾り・身の回りに必要な物全てを新たに用意したいとフェリシアだけでなくハインリッヒも考えていた。
まだ幼い内は年に数回王宮に行けば良いのだが、やがて王都に移り住み社交だ学園だとなれば様々な用意が必要だ。
蓄えはあればあるほど良いのだ。
「エミリこちらへ、これをどう思いますか?率直に言って良いわ。」
スルスルと近づきフェリシアの手のひらに指先を置き、液体のさわり心地を確かめる。
「これならば、大旦那様をはじめ皆様有用にお使いになるでしょう。」
フェリシアとエミリは目配せをし、肯き合う。
「貴方、これ……私のお父様に送りたいのですけど、宜しくって?」
「義父上なら、喜ばれるかも知れんな。」
「えぇ、とても喜ぶでしょうね。………それで、これは何と言う物なのかしら?」
ハインリッヒもフェリシアも、思うところは同じだった。
だが、初めて見る物が何と言う物なのか分からず子供たちを見る。
「………なまえですか?うーん、キャス兄さまなまえつけてください。」
エリーゼはキャスバルに丸投げした。
そのお陰で、父母妹の3人から注目を集める事になった。
「え……?そうですね……桃やナオ草の香りがしますが蜂蜜の香りが1番強いのと、見た目は水の様なので……水蜜ですかね?」
「ぎゃくのほうがいいとおもいます!すいみつよりみつすいのがいいです!」
「どちらでも良いと思うしね、蜜水で良いか。父上、母上これの名前は蜜水と言う事で。」
こうしてエリーゼの作った物は蜜水と名付けられた。
「キャスバル、この蜜水の作り方は習得したのか?」
ハインリッヒの質問をキャスバルは特に気負うこと無く顔を合わせ答える。
「材料から作り方、私とレイが見ていましたから大丈夫でしょう。後、エリーゼが不思議な呪文を唱えてましたが覚えました。後程エリーゼに再確認し呪文を羊皮紙に書き残しておきます。」
ハインリッヒはふむ、と肯くと手のひらに乗っている蜜水がまだ乾かずにいる事に目を細めた。
「これ程の物なら、吹っ掛けても良さそうだ。キャスバルとエリーゼはもう少し残って居なさい、蜜水の材料や作り方を聞いておきたいからな。フェリシア、義父上には早急に送ってくれるか?返事が早いと助かるんだがな。」
ハインリッヒの言葉にキャスバルとエリーゼは肯き、アレクが入れてくれた紅茶に手を伸ばした。
一方フェリシアは既に立ち上がり、エミリを招き寄せ瓶が詰められた箱の元へと移動していた。
「えぇ、何本か頂いて行きますわ。お父様なら沢山買って下さるでしょうし、値段が高くても問題は無いでしょう。あぁ……好事家の方々や少々お年を召した方もきっと喜ばれるでしょうから、最初の1本は贈り物としてお渡しすれば良いと思いますわ。さ、エミリ戻りましょうか。」
フェリシアは実に嬉しそうに数本持って自室へと戻って行った。
勿論、侍女エミリも何本か持っていた。
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