婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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ドキッ!温泉回!ラッキースケベは発生しない!自分的に!!(ルーク)

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色々ツッコミ所が凄すぎて、何も言えない。
ただ、シュバルツバルト家一行に付いて行く。
流されるまま付いて行く。
システム的には温泉宿と何ら変わらない。
下足番がいて、靴の脱ぎ履きを手助けしてくれて管理もしてくれる。
高級温泉宿だ。
泊まり客ならば、きっと美味しい食事と酒……ワインだろうか?を楽しめるかも知れない。
あくまでも「かも知れない」だ、甘味の類は無くアルコール類も殆ど無い状態なら知れてる。
しかもエリーゼの作る食事に慣れると、当たり前にある食事の貧しさに泣けてくる。
今日はポトフだと言っていたが、あれ程の材料を使ったポトフなら美味しくて当たり前だと学習した。
……せっかくだから、温泉饅頭食べたかった……おやきを見て、一瞬喜んだ自分を責めた。声に出さなくて良かった。
…………男湯到着、銭湯のように大きな籠が置いてある。どうやら籠に衣服を入れたら、ロッカー……木で出来たロッカーだな。そこに籠ごと突っ込むようだ。
さすがシュバルツバルト家の方々は躊躇い無く、衣服を脱ぎ素っ裸になる…………あれ?気のせいか?…………
とにかく脱ぐ、さらにノエルの法被とバンダナも取って置く。

「とっちゃうにゃ?」

ちょっとだけノエルが寂しそうに呟く。

「濡れるから仕方ないんだよ。お湯に浸かるから、そのままだと濡れるぞ。」

籠をロッカーに仕舞い、鍵を身につけて風呂に向かう。
……さすが露天風呂、景色も良い……
岩風呂の中、さっきは気のせいだと思ったモノが気のせいなんかじゃない事で心が折れそうになる。
ノエルが岩風呂の中で堂々と立って移動しているキャスバルの股間を凝視してから、俺の股間を凝視する……

「おおきさがちがうにゃ……」

グッ……見比べて言われると傷付く!
しかも聞こえたのか、シュバルツバルト候をはじめトールや側近の方達まで立ち上がって見せびらかしてきた。
一つ言える事は、シュバルツバルト家はデカイ!と言う事。子供の腕みたいなのが付いてました……側近の方達は人並みです、俺と大差ない大きさでした。

「ハッハッハッ!大きさなぞ、気にする事ではないぞ。ルークは人並みだからな。」

小さな声だったが、心に響く言葉でした……
シュバルツバルト候がチラッとアレク殿のを見てから言ったので、比べられた事は分かりました。とりあえず余り差が無いようなので一安心です。

そんな時でした……高い板塀の向こうから、エリーゼと夫人の声が聞こえたのは!……エリーゼの声に慌ててしゃがんで、お湯に浸かったのは俺だけでなくシュバルツバルト候もでした。
つられるように全員、湯に浸かりましたよ……

「タマにゃんとトラにゃんの声がきこえたにゃ……いっしょにはいりたかったにゃ……なんでいっしょにはいれないにゃ……」

ノエル、そいつはダメだ。ノエルの小さな呟きはシュバルツバルト候に聞こえたのか、シュバルツバルト候はノエルに向かって小さな声で「いつか、一緒に入れるようになる。」と言っていた。ノエルも「ホントにゃ?」と聞けば、シュバルツバルト候も「ホントだ。」と小声で返答していた。
……まるで、祖父と孫の会話だな……と思ったのは俺だけじゃなかったらしく、全員が優しい表情で聞いてました。

「おや、皆様お揃いでしたか。」

声を掛けられて脱衣所を振り返って見たら、見たことはあるが知らない男とジークフリート殿下が立っていた。
…………勝った!俺は心の中で叫んだ。
立とうとした時には出遅れた……シュバルツバルト候とキャスバルとトールが立ち上がって見せびらかしてました。
哀れジークフリート!俺もショックだったが、お前のサイズならちょっとどころか滅茶苦茶ショックだよな!って俺も立ち上がるけどな!

「良い湯ですぞ、さ……殿下もゆっくり浸かって下さい。」

……シュバルツバルト候が声は小さく、身振りは大きく言うものだから存在感がパナイ事になってます!
ジークフリートの泣きそうな顔が一点集中で、シュバルツバルト候の股間に釘付けです。

「ちっちゃいにゃ……」

「バッ!ノエル、言ったらダメだ。」

全員がノエルを見てからジークフリートを見ると、ノエルの言葉で即座に湯に浸かったジークフリートの目線が下がって場所の問題もあったトールのが目の前に来ると言う惨事が……可哀想過ぎるだろ……
ノエルはノエルで、怒られたと思ったのかしょんぼりする始末……俺も湯に浸かりノエルを抱き締めると、プカプカ浮く体を俺にくっつけて来た。

「気持ち良いな、でも比べたらダメだぞ。」

そう言っていつもみたいに抱っこするようにすれば、俺にピッタリくっついて「わかったにゃ。」と小さな声で応えてから頭を俺の顎あたりにゴリゴリ当ててきた。
俺達のやり取りを聞いた全員が、静かに湯に浸かり出したのでこれで終わりかと思いました。

いつの間にかジークフリートの側に移動した、シュバルツバルト候が……

「殿下は陛下に似なかったんですな。陛下は人並みですからな。」

そう、小声で言いやがりましたとさ……
ジークフリートは俯き、黄昏れたまま浸かってました。
うん、俺でもちょっと傷ついちゃうな……多分……でも、慰めないけどな!
ただ、一緒に来た男が実に嬉しそうにキャスバルを見ていた事は触れてはいけないと思い全力スルーしました。
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