142 / 756
この旅最大の喜び(見守り隊・隊員)
しおりを挟む
今日も今日とて、後ろに王都の連中がいるが連中は連中で大変そうだった。
使えない騎士がいて可哀想だと思ったが、その騎士達は全て魔物に殺された。
連中は雷狼の事があってから、野営地を近くにしていた。
今日もほぼ隣に設営していて、今回に至ってはくっついてやがる。
連中に付いている第三王子のへっぴり腰ぶりに、同じ隊員達で分からないように隠語を作って下らない話で盛り上がってる。
最も、そんな話より最近はもっぱら俺等が一番人気のノエルちゃんの話ばっかりだけどな!
「おいっ!何、ボサッとしてる!」
「はっ?何だと。」
つい、カチンと来て声を掛けてきた奴に食ってかかった。
「おい、何だよ!怒ってんじょねぇよ。今、俺等の一番馬車にノエルちゃんが寝てんだよ!」
「ホントかよ!早く言えよ!何でノエルちゃん、寝てんだよ!」
奴も俺も走りだしていた。
「知らねぇよ!俺は三番隊の奴から聞いたんだ、あいつ泣く泣く設営に行ったんだよ。」
「ついてねぇ!」
俺達、二番隊後方支援一番馬車には人だかりが出来ていた。
だが全員無言で馬車の中を順番に覗き込んで行く……俺達も黙って順番を待って覗き込む。馬車の中、クルンと丸まって寝てるノエルちゃんはスピスピと可愛らしい音を立てて寝ている。
一度見た奴も順番待ちの列に再度並んで待つ……どんどん人が増えてきた気がするが、大事なのはノエルちゃんを見る事だ。
俺達も並びなおして後、もうちょっと……そんな時だった。
「ウニャァァァァァァァン!!ニャッ!ニャァァァァァァン!ご主人がいないにゃぁぁぁぁ!」
ノエルちゃんが泣いている!ルーク殿下を求めて泣いてる!
「ノエルちゃん、ルーク殿下は今エリーゼ様と居るぞ。さっ、泣き止んで。」
おお!我等が二番隊隊長はさすがだぜ!ノエルちゃんがピタッと泣き止んだぜ!
「ニャッ……にゃあん……ご主人のトコいくにゃ……」
ヨジヨジと馬車から降りると、ネコのように四つ足で走って行ってしまった。
「行っちまったな……」
「ああ、行っちまったな。」
「やっぱりルーク殿下が一番なんだな。」
「ここにノエルちゃんの温もりがっ!」
なんかおかしげな事言ってる奴がいたが、だいたいは皆同じ気持ちだった。
「それにしても、ノエルちゃんの泣き声も可愛くて胸が痛くなるな。」
俺は素直にそう、呟いた。
「俺もだ!」
「本当か、俺も同じ気持ちだよ。」
どうやら、俺と同じ気持ちの奴がそれなりにいるようだ。
やはり俺達は同士なのだ。
隊長が俺の肩をポンと叩いて、ウンウンと頷いた。
俺達は、見守り隊……エリーゼ様とルーク殿下の立ち歩きネコを見守る事を心に誓った隊員だ。
使えない騎士がいて可哀想だと思ったが、その騎士達は全て魔物に殺された。
連中は雷狼の事があってから、野営地を近くにしていた。
今日もほぼ隣に設営していて、今回に至ってはくっついてやがる。
連中に付いている第三王子のへっぴり腰ぶりに、同じ隊員達で分からないように隠語を作って下らない話で盛り上がってる。
最も、そんな話より最近はもっぱら俺等が一番人気のノエルちゃんの話ばっかりだけどな!
「おいっ!何、ボサッとしてる!」
「はっ?何だと。」
つい、カチンと来て声を掛けてきた奴に食ってかかった。
「おい、何だよ!怒ってんじょねぇよ。今、俺等の一番馬車にノエルちゃんが寝てんだよ!」
「ホントかよ!早く言えよ!何でノエルちゃん、寝てんだよ!」
奴も俺も走りだしていた。
「知らねぇよ!俺は三番隊の奴から聞いたんだ、あいつ泣く泣く設営に行ったんだよ。」
「ついてねぇ!」
俺達、二番隊後方支援一番馬車には人だかりが出来ていた。
だが全員無言で馬車の中を順番に覗き込んで行く……俺達も黙って順番を待って覗き込む。馬車の中、クルンと丸まって寝てるノエルちゃんはスピスピと可愛らしい音を立てて寝ている。
一度見た奴も順番待ちの列に再度並んで待つ……どんどん人が増えてきた気がするが、大事なのはノエルちゃんを見る事だ。
俺達も並びなおして後、もうちょっと……そんな時だった。
「ウニャァァァァァァァン!!ニャッ!ニャァァァァァァン!ご主人がいないにゃぁぁぁぁ!」
ノエルちゃんが泣いている!ルーク殿下を求めて泣いてる!
「ノエルちゃん、ルーク殿下は今エリーゼ様と居るぞ。さっ、泣き止んで。」
おお!我等が二番隊隊長はさすがだぜ!ノエルちゃんがピタッと泣き止んだぜ!
「ニャッ……にゃあん……ご主人のトコいくにゃ……」
ヨジヨジと馬車から降りると、ネコのように四つ足で走って行ってしまった。
「行っちまったな……」
「ああ、行っちまったな。」
「やっぱりルーク殿下が一番なんだな。」
「ここにノエルちゃんの温もりがっ!」
なんかおかしげな事言ってる奴がいたが、だいたいは皆同じ気持ちだった。
「それにしても、ノエルちゃんの泣き声も可愛くて胸が痛くなるな。」
俺は素直にそう、呟いた。
「俺もだ!」
「本当か、俺も同じ気持ちだよ。」
どうやら、俺と同じ気持ちの奴がそれなりにいるようだ。
やはり俺達は同士なのだ。
隊長が俺の肩をポンと叩いて、ウンウンと頷いた。
俺達は、見守り隊……エリーゼ様とルーク殿下の立ち歩きネコを見守る事を心に誓った隊員だ。
193
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる