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正妃様へのお届け! 注意!このお話は少し未来のお話です!
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何人もの侍女達を連れて、正妃様の部屋を訪れる。
急ぎ故、エリーゼ様から頂いた物を身に着けての訪問です。
ドレスコート一枚でとても温かくて、肩掛けもフードも身に着ける気にならなかった。今なら分かる、何故エリーゼ様の軽装振りが……必要無かったんだわ。
中々の早さで室内に通され、正妃様自身が私の手をグイグイ引いてソファへと向かう。
待ってたのかしら?鼻息も荒いわ……
「正妃様、そんなに引かなくても逃げませんわよ。」
「嬉しくってつい……」
まるで小さな子供だわ。
「正妃様。これからはご自分の身分に相応しい態度をお取りなさいませ。子供の様な態度は、全ての貴族家から笑われる態度です。今、伺ったのはエリーゼ様から荷物が届いたのでお届けに参りました。」
とりあえずは注意よ。しょんぼりした顔をしても無駄です。小さい子供なら未だしも、成人した女性の振る舞いではありません。エリーゼ様と聞いたら、更にシュンとなさいましたわ。
「こんなに沢山……」
「エリーゼ様が取って置いて下さって良かったわ。とりあえず当ててみましょう。それと寝具も入っていたから、それは先に持っていき支度しておくように。」
私達の侍女が一人、寝室へと正妃様付きの侍女と一緒に消えた。
「寒そうね、ドレスコートを包んだのはどれかしら?」
サッとやって来るとストールを解くとドレスコートが出てくる。
「凄い!こんなキレイなの貰って良いの!」
見ただけで興奮し喜んだ正妃様が手に取った瞬間泣き出した。
「凄くあったかい……こんな……フワフワで……」
「誰か、正妃様に着せて頂戴。」
数人の侍女が慌てて、その手からドレスコートを受け取り……侍女も凄く驚いてるわ。正妃様に着せて行く。まぁ、私だって驚いたのだから下位貴族家出身の侍女達が驚くのも無理ないわ。
「寒くない…………どこもかしこも…………」
「当たり前でしょう。そのドレスコートは割とどなたでも着れるデザインだから、正妃様でも着れるでしょう。良かったですわね。お持ちしたのは、正妃様のお姿を考慮された物ばかりです。どれもこれも、正妃様のご実家である男爵家ではご用意するのは難しい物ばかりですわ。」
「そんなこと……」
「王宮勤めの侍女は皆様下位貴族家の方です。男爵家だけではなく、子爵家の方もいます。見てご覧なさい、正妃様付きの侍女達のお顔を。」
羨望の眼差しでドレスコートや私達の侍女達が持つストールを見ている……その様を見る正妃様のお顔は意気消沈し、哀れとしか言いようが無かった。
「エリーゼ……様ってこんなに上等な物を沢山持ってたのね……私……嫌な事言ったりやったりしたのに……」
エリーゼって区切ろうとしたから、つい睨んでしまったわ。それに気付いて慌てて様と付けて……どうしようもない方。
「言っておきますけど、エリーゼ様は婚姻の為に全ての物を新調していたと仰ってたわ。」
「え……」
「普通は下の者に渡したり、売ったりするものよ。だから正妃様は運が良かったのですわ。エリーゼ様だったから、これ程の物が頂けたのですから。」
「うん……」
「うんでは、ありません!はいと仰いなさい。」
「はいっ!」
「では、正妃様こちらの品々はしまってきますね。」
侍女に優しく言われコクリと頷く正妃様は、とても同い年の令嬢だとは思えなかった。
エリーゼ様のドレスコートを着せられ、私からのストールを手に握りしめている姿はひとりぼっちで放り出された小さな女の子にしか見えなかった。
急ぎ故、エリーゼ様から頂いた物を身に着けての訪問です。
ドレスコート一枚でとても温かくて、肩掛けもフードも身に着ける気にならなかった。今なら分かる、何故エリーゼ様の軽装振りが……必要無かったんだわ。
中々の早さで室内に通され、正妃様自身が私の手をグイグイ引いてソファへと向かう。
待ってたのかしら?鼻息も荒いわ……
「正妃様、そんなに引かなくても逃げませんわよ。」
「嬉しくってつい……」
まるで小さな子供だわ。
「正妃様。これからはご自分の身分に相応しい態度をお取りなさいませ。子供の様な態度は、全ての貴族家から笑われる態度です。今、伺ったのはエリーゼ様から荷物が届いたのでお届けに参りました。」
とりあえずは注意よ。しょんぼりした顔をしても無駄です。小さい子供なら未だしも、成人した女性の振る舞いではありません。エリーゼ様と聞いたら、更にシュンとなさいましたわ。
「こんなに沢山……」
「エリーゼ様が取って置いて下さって良かったわ。とりあえず当ててみましょう。それと寝具も入っていたから、それは先に持っていき支度しておくように。」
私達の侍女が一人、寝室へと正妃様付きの侍女と一緒に消えた。
「寒そうね、ドレスコートを包んだのはどれかしら?」
サッとやって来るとストールを解くとドレスコートが出てくる。
「凄い!こんなキレイなの貰って良いの!」
見ただけで興奮し喜んだ正妃様が手に取った瞬間泣き出した。
「凄くあったかい……こんな……フワフワで……」
「誰か、正妃様に着せて頂戴。」
数人の侍女が慌てて、その手からドレスコートを受け取り……侍女も凄く驚いてるわ。正妃様に着せて行く。まぁ、私だって驚いたのだから下位貴族家出身の侍女達が驚くのも無理ないわ。
「寒くない…………どこもかしこも…………」
「当たり前でしょう。そのドレスコートは割とどなたでも着れるデザインだから、正妃様でも着れるでしょう。良かったですわね。お持ちしたのは、正妃様のお姿を考慮された物ばかりです。どれもこれも、正妃様のご実家である男爵家ではご用意するのは難しい物ばかりですわ。」
「そんなこと……」
「王宮勤めの侍女は皆様下位貴族家の方です。男爵家だけではなく、子爵家の方もいます。見てご覧なさい、正妃様付きの侍女達のお顔を。」
羨望の眼差しでドレスコートや私達の侍女達が持つストールを見ている……その様を見る正妃様のお顔は意気消沈し、哀れとしか言いようが無かった。
「エリーゼ……様ってこんなに上等な物を沢山持ってたのね……私……嫌な事言ったりやったりしたのに……」
エリーゼって区切ろうとしたから、つい睨んでしまったわ。それに気付いて慌てて様と付けて……どうしようもない方。
「言っておきますけど、エリーゼ様は婚姻の為に全ての物を新調していたと仰ってたわ。」
「え……」
「普通は下の者に渡したり、売ったりするものよ。だから正妃様は運が良かったのですわ。エリーゼ様だったから、これ程の物が頂けたのですから。」
「うん……」
「うんでは、ありません!はいと仰いなさい。」
「はいっ!」
「では、正妃様こちらの品々はしまってきますね。」
侍女に優しく言われコクリと頷く正妃様は、とても同い年の令嬢だとは思えなかった。
エリーゼ様のドレスコートを着せられ、私からのストールを手に握りしめている姿はひとりぼっちで放り出された小さな女の子にしか見えなかった。
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