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シュバルツバルト領 (ある平民一家の母親)
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侯爵様と一月の間ずっと旅をしてきた。
最初は驚く事ばかりだった、いや……ずっと驚きの連続だった。出発する時にワインも屋台の食べ物も振る舞われ、強そうな私兵に囲まれ街道をのんびりと進んだ。うちは荷馬車があったから、荷馬車に乗って行ったけど馬達が疲れない速さで行ったんだ。休憩も昼と夜にキチンと取って、そのたんびに美味しい食事やワインが振る舞われた。本当に美味しくて、私も夫も子供達もお腹いっぱい食べて飲んだ。そりゃあもう、毎日がお祝いかと思うようなご馳走だった。
初めて食べた甘い甘い果物や砂糖を使った高級なお菓子!子供達は飴玉ってのを貰って大喜びしたっけ。私も余りの甘さと美味しさで驚いたよ。
そのままずっと一緒に旅をして、領地に入って驚いた。どこもかしこもきれいで、街は豊かで人々も小ぎれいだった。王都生まれの王都育ちで、辺境領の方が田舎だろうと思っていたのが恥ずかしくて堪らなくなった。街で見かける商品はどれも新鮮で安かった。それよりも驚いたのが帝国の品々が驚く程安かった事。
聞けば、帝国の商品は各領地を通る通行料等でどんどん値上がりするのだと……王都は各領地から品々が入って来るけれど、遠方になればなる程通行料等で値上がりするから大変だろうと言われた。
旅が進み、領都に入って多くの人々が侯爵様の帰還を大喜びで歓声と共に出迎えたのも驚いたもんだ……
あたしはただの平民で、こんな事初めてだったけど夫は荷馬車の手綱をブルブル震えながら握ってたよ。子供達だけが暢気に手なんか振っちゃって、あたしだって畏れ多くて困っちまったんだ。
どんどん進んで小高い丘の上に建つ大きなお城を見て、これまた魂消たさ。王都育ちだから王宮を見て育ったんだ、でもその王宮よりも凄いと思っちまったんだよ。
「母ちゃん!ラーメンもらったよ!おいしいよ!」
「そうだろうとも、エリーゼ様がお作りになった新しい料理はどれも美味しいんだ。」
子供達は夫と一緒にラーメンってのを貰って来た。どれ、私も貰ってこようかね。
「ほら、お前の分も貰って来た。俺と一緒だけど、良かったか?」
夫はちょっと深いスープ皿を私に差し出し、長い旅の間に覚えた箸を渡して来る。この旅で慣れ親しんだ醤油の香りにクスリと笑う。
「良いに決まってるじゃないか。夫婦なんだから。」
「そうか……そうだな!夫婦なんだからな!」
二人して笑い、皿に口を付けて汁をソッと飲む。何とも言えない美味しさと温かさで、顔を見合わせ箸を握って中身を掴んで啜る。
「父ちゃん!母ちゃん!おいしいよ!」
子供達の笑顔に「そうだね。」と返して、ハフハフと食べ進める。
「侯爵様に付いて来て良かったな。」
「ああ……本当だねぇ、でもあたしたちはこれからだよ!」
「おおっ!」
「でも、今晩は特別だよ。腹いっぱい飲んで食べないとね!こんなご馳走、一生に一度かも知れないんだからね!」
あたしの言葉に夫も子供達も「おおー!」と言って、食べていた。あの時の夫の決断は間違ってはなかったよ。あたしはあんたに付いて来て良かったよ。
最初は驚く事ばかりだった、いや……ずっと驚きの連続だった。出発する時にワインも屋台の食べ物も振る舞われ、強そうな私兵に囲まれ街道をのんびりと進んだ。うちは荷馬車があったから、荷馬車に乗って行ったけど馬達が疲れない速さで行ったんだ。休憩も昼と夜にキチンと取って、そのたんびに美味しい食事やワインが振る舞われた。本当に美味しくて、私も夫も子供達もお腹いっぱい食べて飲んだ。そりゃあもう、毎日がお祝いかと思うようなご馳走だった。
初めて食べた甘い甘い果物や砂糖を使った高級なお菓子!子供達は飴玉ってのを貰って大喜びしたっけ。私も余りの甘さと美味しさで驚いたよ。
そのままずっと一緒に旅をして、領地に入って驚いた。どこもかしこもきれいで、街は豊かで人々も小ぎれいだった。王都生まれの王都育ちで、辺境領の方が田舎だろうと思っていたのが恥ずかしくて堪らなくなった。街で見かける商品はどれも新鮮で安かった。それよりも驚いたのが帝国の品々が驚く程安かった事。
聞けば、帝国の商品は各領地を通る通行料等でどんどん値上がりするのだと……王都は各領地から品々が入って来るけれど、遠方になればなる程通行料等で値上がりするから大変だろうと言われた。
旅が進み、領都に入って多くの人々が侯爵様の帰還を大喜びで歓声と共に出迎えたのも驚いたもんだ……
あたしはただの平民で、こんな事初めてだったけど夫は荷馬車の手綱をブルブル震えながら握ってたよ。子供達だけが暢気に手なんか振っちゃって、あたしだって畏れ多くて困っちまったんだ。
どんどん進んで小高い丘の上に建つ大きなお城を見て、これまた魂消たさ。王都育ちだから王宮を見て育ったんだ、でもその王宮よりも凄いと思っちまったんだよ。
「母ちゃん!ラーメンもらったよ!おいしいよ!」
「そうだろうとも、エリーゼ様がお作りになった新しい料理はどれも美味しいんだ。」
子供達は夫と一緒にラーメンってのを貰って来た。どれ、私も貰ってこようかね。
「ほら、お前の分も貰って来た。俺と一緒だけど、良かったか?」
夫はちょっと深いスープ皿を私に差し出し、長い旅の間に覚えた箸を渡して来る。この旅で慣れ親しんだ醤油の香りにクスリと笑う。
「良いに決まってるじゃないか。夫婦なんだから。」
「そうか……そうだな!夫婦なんだからな!」
二人して笑い、皿に口を付けて汁をソッと飲む。何とも言えない美味しさと温かさで、顔を見合わせ箸を握って中身を掴んで啜る。
「父ちゃん!母ちゃん!おいしいよ!」
子供達の笑顔に「そうだね。」と返して、ハフハフと食べ進める。
「侯爵様に付いて来て良かったな。」
「ああ……本当だねぇ、でもあたしたちはこれからだよ!」
「おおっ!」
「でも、今晩は特別だよ。腹いっぱい飲んで食べないとね!こんなご馳走、一生に一度かも知れないんだからね!」
あたしの言葉に夫も子供達も「おおー!」と言って、食べていた。あの時の夫の決断は間違ってはなかったよ。あたしはあんたに付いて来て良かったよ。
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