510 / 756
sweet pain 3 (アナスタシア)
しおりを挟む
夫となったマクスウェルの勧めで湯浴みへと侍女達に連れられて私は浴室の贅沢な遇いに驚いて思わずキョロキョロと子供のように見回してしまった。
仮にも公爵家令嬢として贅沢な暮らしをさせて貰ってきたと思っていたけど、元々公国の大公様がお住まいになってたお城だけに隅々まで豪華というか豪奢な造り……世が世なら私、次期王妃様と同等なお立場になるのね……
「若奥様、こちらへ」
若奥様……!
夢にまで見たシュバルツバルト家の一員となった……アレク様ではなくなったけど、それでもずっとこの日を待ち望んでいた。
小さな子供の頃からアレク様と手紙をやり取りし、年に数回お会いして心通わせた。
やがて私は学園に通い、アレク様にもっと頻繁に会えると思っていたのにアレク様は年の半分も学園にはいらっしゃらなくて寂しかったわ。
でも長いお休みの時には領地に戻ってからこちらのお屋敷に遊びに来た。
アレク様とマクスウェルの兄弟仲はとても良くて、お茶の時間はいつも三人で楽しい時間を過ごしたわ。
「さ、お体を磨きますよ」
想い出に囚われ、気が付けば一糸纏わぬ姿で手を引かれ大きな石の寝台らしき物の元へと導かれた。
「これは……?」
「こちらでお体を塩で磨くのですよ。領主館に住まう方は皆、塩でお体を磨くのですよ」
既に顔馴染みとなった優しげな侍女に教えられ、寝台に横たわると何人もの侍女達に体中を塩で擦られた。
ザラザラとした塩……こんなにも贅沢に使うなんて……
でも……塩で体中を磨かれたっぷりの湯で塩を洗い流され自分の肌を触れて驚いた。
すべすべとした肌……今までとは違う肌触り……
浴槽に張られた湯の中に浸かり、今度は頭を洗われその気持ち良さに瞼を閉じる。
湯浴みが終われば初夜を迎える……マクスウェルに任せれば良いと教えられたけれど、初めての事に不安が無いと言えば嘘になる。
けれど……けれど、アレク様を失った私達は拙いながらも心を通わせてきたはず。
マクスウェルは見た目よりもずっと優しい男で、私は……
仮にも公爵家令嬢として贅沢な暮らしをさせて貰ってきたと思っていたけど、元々公国の大公様がお住まいになってたお城だけに隅々まで豪華というか豪奢な造り……世が世なら私、次期王妃様と同等なお立場になるのね……
「若奥様、こちらへ」
若奥様……!
夢にまで見たシュバルツバルト家の一員となった……アレク様ではなくなったけど、それでもずっとこの日を待ち望んでいた。
小さな子供の頃からアレク様と手紙をやり取りし、年に数回お会いして心通わせた。
やがて私は学園に通い、アレク様にもっと頻繁に会えると思っていたのにアレク様は年の半分も学園にはいらっしゃらなくて寂しかったわ。
でも長いお休みの時には領地に戻ってからこちらのお屋敷に遊びに来た。
アレク様とマクスウェルの兄弟仲はとても良くて、お茶の時間はいつも三人で楽しい時間を過ごしたわ。
「さ、お体を磨きますよ」
想い出に囚われ、気が付けば一糸纏わぬ姿で手を引かれ大きな石の寝台らしき物の元へと導かれた。
「これは……?」
「こちらでお体を塩で磨くのですよ。領主館に住まう方は皆、塩でお体を磨くのですよ」
既に顔馴染みとなった優しげな侍女に教えられ、寝台に横たわると何人もの侍女達に体中を塩で擦られた。
ザラザラとした塩……こんなにも贅沢に使うなんて……
でも……塩で体中を磨かれたっぷりの湯で塩を洗い流され自分の肌を触れて驚いた。
すべすべとした肌……今までとは違う肌触り……
浴槽に張られた湯の中に浸かり、今度は頭を洗われその気持ち良さに瞼を閉じる。
湯浴みが終われば初夜を迎える……マクスウェルに任せれば良いと教えられたけれど、初めての事に不安が無いと言えば嘘になる。
けれど……けれど、アレク様を失った私達は拙いながらも心を通わせてきたはず。
マクスウェルは見た目よりもずっと優しい男で、私は……
132
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる