婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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サテュロスゲットの旅 52

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昼前に村に到着し情報収集が行われて知ったのは、いつも村に来るのはサテュロスと思われる者が一人だけ。だけど村の少し先にある木々の影からは魔物の気配がヒシヒシと感じられたとの事。村の者達は件のサテュロスと思われる者との関わりを極力避けていた。やはり魔物が関わっている……隊員達に緊張が走る。ヘタな手出しは魔物との戦闘に繋がる事は確実か……だけど、魔物が背後に控えていたってのは見張りか警護か……そこが謎だ。私達は移動し村の先、魔物除けが施された畑の先に僅かに広がる雑草や小低木が生えてる草原に魔物除けの杭を打ち込み拠点を作っていく。私は真ん中辺りにマップを気にしながら野営セットを作った。

「エリーゼ。気が付いたか?」

ルークが木々が生い茂るその先を見つめる。

「うん。」

マップのマーカー表示、魔物表示の一つがこちらへと移動して……速い!

「ルーク……」

「ああ、姿は見えないが近くに居るな。」

私達の正面辺り、姿は分からないけれど魔物が一体いるのだ。害意や敵意は感じない。あくまでも様子を伺っている……そんな感じだ。

「仕掛けて来る気配は無いな……」

ルークの言葉に茂みから視線を外さないまま頷く。

「エリーゼ様、何かありましたか?」

私とルークの様子にアニスがすぐさま側に来て小声で聞いて来る。視線は外せない……何故だろう、向こうと視線が絡まってる気がする。

「ちょっとね……」

不意に視線が外された気がすると、マップのマーカー表示……魔物が移動し始めた。その移動速度はかなり速い。あっという間に戻り表示されるマーカーが一塊になる。魔物の正体は分からないが、どうにもおかしい……速いのは一体のみで後はかなり遅く感じる。

「エリーゼ!」

トールお兄様から呼ばれ、歩いて行く。そろそろ昼ななる頃合いだからかな?

「お昼ご飯の準備ですか?」

近寄り聞けば、大きく頷いたトールお兄様。

「行動開始するから軽くで良い。量も少ない位で構わないから作ってくれ。」

軽く……か、パンに魚のペーストか何か塗ってカップスープを飲んでヨシにするか。
テイムメンバーを全員呼び出すと、ニャンコ達は料理長達の所へとトテトテ歩いて行く。残りのメンバーは私達の近くにいて、周りの様子を伺っている。
料理長はじめ料理人達も緊張した面持ちだったけれど、とにかく食事を作る事が先決だ。料理の説明を行い台に材料と器具を出していく。ただし量はいつもの半分です。食べ過ぎで動けないとかダメなんで。
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