婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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大晦日 6

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「お祖父さま、トンカツは違う料理で唐揚げも違う料理ですから。明日のお祝いにトンカツと唐揚げを頼みましょう。今日は天ぷらを楽しみましょう」

「ん?おお!」

食堂は人口密度も上がってぽかぽかよりもちょっと汗ばむ位になってる。

「エリーゼ!ズズッ……この天ぷらズッ……蕎麦はズズッ……良いな!チュルッ!」

フッと声のする方を見たら、メッチャ蕎麦を啜ってるトールお兄様でした。
……エビ天を箸で掴みながらフリフリして、お行儀悪いです。
でも!それよりも気になったのは黙々と天ぷらを食べては蕎麦を啜るキャスバルお兄様でした。
いったいいつの間に……いえ、お父様とお祖父さまと私が話してる間に皆食べ始めてました。

「お喋りよりもお蕎麦ですわ!」

「んまんまにゃー!」

タマの叫びが聞こえます。
私も蕎麦を啜ります。エビ天をちょっとつゆに付けて囓ると、サクッと口の中から音が響く。
ジワリとエビの甘みが舌の広がる。

「おう!これは美味いな!」

お祖父さまの雄叫びが聞こえました。

「エリーゼよ、あの酒というのと合いそうなんだが……」

「さすが、お祖父さま。お蕎麦には日本酒ですわ!」

収納からキリッと辛口純米酒を出す。
途端に全員の目がキラキラしてきました。
うん、やっぱりお酒飲みたかったよね。

「ホホホ……マクスウェル、貴方飲み過ぎたりなんかしないで下さいね」

途端にゴホゴホと咽せたお祖父さまはガシガシと頭を掻いてお祖母さまを見る。

「うむ、勿論だ。勿論飲み過ぎたりなぞしないとも!ああ、安心してくれ!」

お祖母さまったら。

「蕎麦掻きとか……」

ん?ルークよ、何贅沢言ってるかな?普通のお蕎麦で留まってなさいよ。

「ルーク。食べたかったら自分で作ってね♡」

「あ、ハイ」

いや、魔法使えば楽々だって事は分かってるけど。でも前世では蕎麦掻き大変だった思い出があるから何となく贅沢な一品だと思ってるんだよね……

「フフッ美味しいわね~♡」

お母様!お母様超ご機嫌じゃないですか!

「お母様、このカボチャの天ぷら気に入ったわぁ♡」

……やはりスイーツクィーンだな!カボチャかぁ!
技術さえあればアイスクリームの天ぷらにチャレンジするんだけど!ゴメンね、お母様!
と私は内心で謝っておく。

「良かったですわ」

ニコニコしとく。
梅の甘露煮の天ぷら、後で出て来ますからね!
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