婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新しい年 6

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アニスがカチャカチャとお茶の用意をしてる間にバニラアイスと白桃のシロップ漬けをお皿に盛る。
……これ、夏場とかガラスのお皿に盛ったらオシャレな気がする。
スペアミント飾って。
インスタグラムとかやっておけば良かった……そしたらもう少しで小洒落た盛り付けとか覚えれたのに……
田舎暮らしではちょっと無理あるよ……
バニラアイスは大きなバケツみたいな鍋に入れられ、白桃のシロップ漬けはガラス瓶に入ってた。
……バニラアイスはスプーンで掬えば良いか。
ガラス瓶をキュポッと開けるとフワリと香る、白桃の甘い香り……
領地で栽培してる桃って黄桃なんだよね、柔らかめだけど。
思えば日本の果物って糖度アゲアゲだったよね……いや、野菜ですら糖度上げてたし……
食べやすかったから良いんだけど、あのレベルの野菜と果物食べ付けるとこっちの野菜と果物は食指が立たないレベルなのよね……
それでもうちの領地は頑張ってるから美味しいけどね!
半割の白桃をバニラアイスに被せるように乗せる。
どうせだからシロップを少しバニラアイスに掛けるか……
トロリとしたシロップを掛けて、ちょっぴり後悔する。
バニラアイスと白桃の香りが移ったシロップが混じった香りは悪魔の香りだ……

「美味しそうです……」

アニスの呟きが聞こえてハッ!とする。
いつの間にか紅茶の入ったカップが置かれてた。
バニラアイスと白桃のシロップ漬けの瓶を大至急しゅうのにしまう。
スプーンを出して、お皿に乗せて差し出す。
私とアニスとで食べる豪華なおめざです。

「さ、アイスが溶ける前に食べましょう!」

「はいっ!」

ちゃっ!とソファに座り早速バニラアイス(シロップ掛かってます!)を掬ってパクりと口の中にスプーンを入れる。
小さな声で「ん~~!」と叫んでます。
可愛いな~!
さて私も食べようっと!
冷たいけど甘くて口の中いっぱいに白桃とバニラの香りが堪らなく甘美な気持ちにしてくれる。
あったかい部屋で熱い紅茶とヒンヤリスイーツ!
贅沢だわ~♡

「エリーゼ様、これ奥様にバレたら怒られちゃいますね!」

笑顔で何て事言うの!そんな事言ったら来ちゃうでしょ!お母様がっ!

「そうね、バレたら怒られる程度で済むかしら?」

うん、ちょっと脅かしておこう。
ウッカリ喋られたら後でどんな目で見られるかっ!
お願いだから喋らないでね!
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