527 / 1,522
連載
新しい日々 34
いつもより長めの湯浴みをしてからレモンイエローのフンワリしたドレスに様々なトルマリンが花束のように配されたお飾りを着ける。
「エリーゼ様、こちらに……」
鏡台の鏡に映る自分の顔に凹む。
今日の私は何て顔なの?まるでお通夜か何かに来てるみたい。
「エリーゼ様、今日は横を三つ編みにして後ろで纏めましょうね。後ろ側の下半分はそのまま垂らしておきましょう」
「ええ……」
鏡の中の私を見ながらボンヤリと考える。
朝ご飯食べて、それから……それからルークの出立を見送って……見送っ……て……離れたくない……お母様もお父様を送り出す時こんなに辛かったの?好きな人と離れるってこんなに辛いの?
「エリーゼ様、失礼致します……」
柔らかな布が目元に当てられる。
ぼやける視界に自分が泣いてる事に気がつく。
しっかりしなきゃ……それなのに次から次と涙が零れて来る。
軽いノックの音と共に現れたのはルークとキースだった。
「おはようエリーゼ、今の内にきちんと会っておきたかった」
「おはようございます、あの……アニスさん、ルーク様とエリーゼ様をお二人だけに出来ますか?」
「勿論です、皆少しの間部屋から出ておくように。キース、その……少し私の部屋に……」
「はい……」
アニスとキースの会話は耳に入って来るけど、良く分からない。
ルークの目が真剣過ぎて胸が痛くなる……ちゃんとルークを見ていたいのにぼやけてきて……
「エリーゼ、そんな風に泣くな」
抱き締められチュッって音が聞こえる……何かと思ったら涙を吸われていた。
「え?……」
「大丈夫だ、必ず帰って来る。だから泣くな」
小さく首を振って「違う……」と言ってみたけど、自分の声が小さくて驚く。
「ルーク……違うの。離れるのが辛い……」
声を張り上げて言ったつもりなのに、それでも聞こえる自分の声はいつもより小さい。
「俺も辛い、けど待っていてくれ」
「……うん……」
キツくキツく抱き締められ訳も分からないまま深く口付けられ何も考えられなくなる。
離れる熱さと唇を追いかけそうになる。
「すぐに大型を討伐して帰って来る、エリーゼの側にいるならそれは必要不可欠な事だろう?だから待っていてくれ」
「分かってる……離れるのが嫌でダダを捏ねてるだけだって……ちゃんと待ってる、だから頑張って」
「ああ」
力強いルークの腕が、私よりも大きくて厚みのある胸板が私と違う体温が離れる。
カツカツと音がしそうな歩いてく後ろ姿がアニスの部屋の扉へと向かう。
ノックと共に声を掛けるとキースとアニスが出て来て、キースと共に部屋から出て行った。
「エリーゼ様、こちらに……」
鏡台の鏡に映る自分の顔に凹む。
今日の私は何て顔なの?まるでお通夜か何かに来てるみたい。
「エリーゼ様、今日は横を三つ編みにして後ろで纏めましょうね。後ろ側の下半分はそのまま垂らしておきましょう」
「ええ……」
鏡の中の私を見ながらボンヤリと考える。
朝ご飯食べて、それから……それからルークの出立を見送って……見送っ……て……離れたくない……お母様もお父様を送り出す時こんなに辛かったの?好きな人と離れるってこんなに辛いの?
「エリーゼ様、失礼致します……」
柔らかな布が目元に当てられる。
ぼやける視界に自分が泣いてる事に気がつく。
しっかりしなきゃ……それなのに次から次と涙が零れて来る。
軽いノックの音と共に現れたのはルークとキースだった。
「おはようエリーゼ、今の内にきちんと会っておきたかった」
「おはようございます、あの……アニスさん、ルーク様とエリーゼ様をお二人だけに出来ますか?」
「勿論です、皆少しの間部屋から出ておくように。キース、その……少し私の部屋に……」
「はい……」
アニスとキースの会話は耳に入って来るけど、良く分からない。
ルークの目が真剣過ぎて胸が痛くなる……ちゃんとルークを見ていたいのにぼやけてきて……
「エリーゼ、そんな風に泣くな」
抱き締められチュッって音が聞こえる……何かと思ったら涙を吸われていた。
「え?……」
「大丈夫だ、必ず帰って来る。だから泣くな」
小さく首を振って「違う……」と言ってみたけど、自分の声が小さくて驚く。
「ルーク……違うの。離れるのが辛い……」
声を張り上げて言ったつもりなのに、それでも聞こえる自分の声はいつもより小さい。
「俺も辛い、けど待っていてくれ」
「……うん……」
キツくキツく抱き締められ訳も分からないまま深く口付けられ何も考えられなくなる。
離れる熱さと唇を追いかけそうになる。
「すぐに大型を討伐して帰って来る、エリーゼの側にいるならそれは必要不可欠な事だろう?だから待っていてくれ」
「分かってる……離れるのが嫌でダダを捏ねてるだけだって……ちゃんと待ってる、だから頑張って」
「ああ」
力強いルークの腕が、私よりも大きくて厚みのある胸板が私と違う体温が離れる。
カツカツと音がしそうな歩いてく後ろ姿がアニスの部屋の扉へと向かう。
ノックと共に声を掛けるとキースとアニスが出て来て、キースと共に部屋から出て行った。
あなたにおすすめの小説
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
「静かで、退屈な婚約者だった」と切り捨てられたので、最後くらい全部言って去ることにしました
桃我タロー
恋愛
「静かで、退屈な婚約者だった」
婚約破棄のその日、王太子は広間でそう言い捨てた。
三年間、失言を隠し、場を整え、黙って支えてきたのに。
どうやら私に必要だったのは婚約者ではなく、“便利な人”という役割だけだったらしい。
しかも隣には、つい三日前まで殿下の従兄に求婚していた令嬢まで立っていて――。
ならばもう、黙っている理由はない。
これは、最後まで笑って終わるつもりだった令嬢が、自分の声を取り戻す話。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。