婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 95

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ペコリと頭を下げたジムに手を振ってからお好み焼きのコーナーに行く。

「お好み焼きは一種類だけかしら?」

まだ若い料理人が一生懸命作ってます。どことなく爽やかな雰囲気の男性です。

「いえ!ボア入りとタコ入りの二種類です!」

……イカでは無いのですね……と、言うかイカの殆どは天日干しにされまくってます。お祖父さまがスルメに嵌まったせいです。

「ボア入りを」

「畏まりました!」

元気よく返事をし、ボア入り(いわば豚玉)にソースを掛けブシ花を掛けてお皿に載せて出してくれました。
青のりが無いし、紅ショウガも無いですけど……マヨネーズも無いですけどお好み焼きです。
ホカホカお好み焼きを持ってアニスの隣に戻りお箸で一口大にして食べます。

「それにしてもお父様達遅すぎですわ……」

いまだ現れないお父様とお兄様達と側近達にちょっとだけ不安が過る。
まさかサウナで伸びてたりしないわよね?
時間制限着けなきゃダメだった?時計……は無いから、砂時計とかかしら?作れない訳じゃないと思う。
キレイな色砂でなければ大丈夫だと思うのだけど。

「旦那様の心配ですか?奥様が母さまか誰かを見に行かせると思いますよ」

「そうよね」

アニスの言葉にウンウンと頷きながらお好み焼きを食べ進める。
ソース美味……紅ショウガと青のり欲しい……
作らなきゃ生けない物が多すぎる。

「それにしても奥様……甘味しかた食べてない気がします……」

「アニス。言っちゃダメ」

お好み焼きを貰った後、お母様は花見団子十本お皿に乗っけてホクホク顔で侍女トリオの元に歩いて行った姿を見てソッと目を逸らしました。
お母様、スイーツ女子だとしてもどれだけ食べてるんですか。
まあ、バターとか生クリームとかチョコレートを使った洋菓子よりはマシですけど。

「あ!旦那様達いらっしゃい……ま……した……よ?」

何で疑問符?と思って見たお父様達はまだ赤い顔でフラフラしながら来ました!まさか!

「お父様!お兄様達!」

立ち上がり駆け寄りお父様の額に手をあて状態確認です!
熱い!これは確実に湯あたり?

「何があったの?!」

「はい。サウナ室に長い事入っておられて」

アレクがすぐさま答えてくれる。

「サウナに?どこに座っていたの?」

「一番上の段です」

まさかの一番熱い場所!アレク達側近が普通状態なら、お父様とお兄様達だけが張り合って我慢比べでもしてたのね。

「アレク、誰かに言って水に砂糖と塩少々入れた物を作って貰って頂戴。お父様、とりあえず座りましょう!お兄様達もよ!」

「う……うむ……」

お父様がかろうじて返事をして、ヨロヨロと近くの椅子に座った。
無論お兄様達も無言でへたり込むように座った。
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