婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 99

「ハインリッヒと……」

止めて！お母様、お父様を見つめないで！流されないで！
そしてキャスバルお兄様もニヤリとしないで！

「真っ裸で一緒に入るとかあり得ないでしょう！」

負けぬ！ここは死守でござる！

「ハハハ……なら何か着れば良いだろう？」

クソゥ……それはそうだけど、それはそれでエロさが増すでしょうが！布は濡れたらピッタリ肌にくっつくんやで！

「嫌です。その……何か着てても恥ずかしいものは恥ずかしいのです！」

頑張れ私！キャスバルお兄様には負けないっ！

「大丈夫。俺はどんな格好のエリーゼでも可愛いと思ってるから」

キメ顔で言いよった！自分の顔が良い事分かってて言ってやがる……

「ねぇ、エリーゼ。こう……あまり重たくならない布なら大丈夫じゃないかしら？」

頬染めたお母様が言っちゃったよ……負けやん……勝てないじゃん……お母様、お父様と入る気満々じゃないの……

「フェリシア……そうだな、一緒の湯に浸かりながら酒を酌み交わすなんて夢の様だな」

お父様までウットリしながらお母様に近づいて……お母様が立ち上がってハグした。
もう、ダメだ……家族風呂的なやつ作るの決定じゃん…………いや、待て……私だってルークと一緒に入れるじゃん！婚姻すれば。なら悪くない話しだわ。
よし、作ろう！私とルークの為にも！別に雪じゃなくたって、樹氷でも氷瀑でも良いじゃん！そこに光魔法でライトアップしたらロマンチックじゃん！私ったら頭良い！

「分かりました。ドワーフのオッチャンからも頼まれてます。裏庭にここよりも大きい大浴場を作ります！そして……皆とではなく、二人で入るには丁度良い大きさのお風呂も作りましょう！」

ラブラブカップルが入っても大丈夫！な防音バッチリ、お掃除ラクラクなやつをね！

「さすがエリーゼ。裏庭に出来たら一緒に入ろうな」

キャスバルお兄様よ……誰もお兄様と入るために作るんや無いんやで……なんで入る前提で物申してるの。

「入りません」

「俺の可愛いお姫様、この兄に思い出をくれないのか？」

くぅっ！何、殺し文句言っちゃってるの！って近寄って来た！
顎クイされたわ！目線合わせて来たぁ……アニス助けてぇ！
ってアイコンタクト送ったのに……

「さすがエリーゼ様、次期様に愛されてますね！」

クッソ良い笑顔で言われた。
もはや、味方無し！