婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 105

一人なのが寂しくてツラい。家族も大切な存在だけど、ルークがいない事がツラい。
今までこんな風に思った事が無い。
婚約者だった第三王子にこんな感情はもちあわせて無かった……恋がこの感情を教えてくれた。
でも、知りたくなかった……いえ、知るべき感情だけど……

「会いたい……」

予定ではまだまだ掛かる……最速でも一週間は掛かるかしら？大型だし、すぐに出て来るとは限らないからもっと？

「お母様はツラくは無かったのかしら？……」

「エリーゼ様、母さまの話しでは旦那様がお留守の時の奥様は殊更お忙しくされてたんですって」

「そうなのね……」

少し考えれば分かってしまう。
お母様の事だからハーピーを飛ばす事もしなかったのだろう。いえ、たまには飛ばしてたのかも知れないけど。
私も忙しくしてる時は考えなくて済むもの……こんな風に時間があるとルークの事を考えてしまう。
対大型でルークの腰が引けるとは思わないし、ノエルとルチルがいるから大丈夫だとは思うけど。
でも、それでも心配はするし無事帰って来て欲しいとも思ってる。
今以上に忙しくは……疲れちゃうな。開拓地の仕事はトールお兄様に丸投げで良くなったし、いや……お家のお風呂魔改造が残ってた。
それに炭酸水を使ったスポンジケーキの作成とかも残ってるし……成功したらショートケーキ作るぞ！
イ……イチゴショートケーキ……とかメロンショートケーキとか！夢膨らむ！あ～コーヒー無いからティラミス食べれない！
ケーキ……ルーク喜ぶかな？甘いの苦手だとケーキ嬉しくない……いや、今までだってスイーツ食べてる！大丈夫！ルークなら喜んでくれる！

「ショートケーキ……モンブラン……ガトーショコラ……季節のタルト……シュークリーム……エクレア……」

「エリーゼ様、その呪文は何ですか？何だか美味しそうです」

「そうね。お腹が空く呪文よ、決して他言してはならないわよ」

「えっ！」

「嘘。本当は言っても良いけど、お母様が聞いたら大変かも」

「食べ物ですね！それも甘味ですか！？」

アニス鋭いなぁ。コーヒーは南国……南国！？待って、南国なら島に……収納リストのチェックよ！
慌てて無限収納リストをチェックする。

「あった……と言うか、知らないうちに滅茶苦茶色々増えてる……」

何で？いや、私のレベルが上がった？ステータスを改めて見てみる。
うん、上がってた。
開拓地で時短討伐しまくってたからか……大型……と言うか先生が美味しすぎ。肉と言い、レベルと言い。
ごっつぁんです！