婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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2巻

2-1

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   旅立ち前夜


 こーんばーんはー! エリーゼです。
 現在お腹いっぱいで眠たいのにうっかり寝れないシュバルツバルト侯爵令嬢ですっ! 花も恥じらうピチピチ(古い!)十八歳です。
 乙女ゲームの世界に転生したのですが、いわゆる悪役令嬢ポジションでした。いえ、悪役令嬢ポジと言ってもイジメとかしてませんでしたよ。そんな乙女ゲームでもありませんでしたし、そうですね……あえて言うならライバル役の方が正しいんですけど、制作会社が販売数を上げるために悪役令嬢と書いてたかな? って感じですよホント。
 ゲームだと二次元だったし、神絵だったからリアルな三次元になるとどうなるのかな? って思うでしょ? 私も思いました! でも、鏡で見た自分の姿はまごうことなき美少女でした!
 パッチリお目々にスッと通った鼻、ツヤツヤでぷくぷくの唇に気持ちのいい肌触りの白い肌! 青く光る銀色の髪……青銀あおぎん色というんですって。それもサラサラで腰まであるストレートロング。自分一人じゃこうはいかない。ありがとう、お世話してくれる皆さん! いえ、メインは専属侍女のアニスなんですけど、他にもね……いますよ。
 瞳も青紫色でとってもキレイ! それにね、あの乙女ゲームは声優もとっても豪華だったのよ! 私、悪役令嬢なのに声も良かったんです‼ まさかの妹ちゃんボイス! (分からなくても良いんです!)
 うっとり……あぁいけない、自分のことばかり。
 乙女ゲームらしく断罪され、婚約破棄はきされましたよ。ええ、そりゃあもうあらがうことなくスパッと受け入れました。だって王家ってブラック企業かな? ってくらい大変な割にお金も国庫からだから制限あるし、そのクセ役目とか仕事とか多いのよね。割に合いません。イメージだと遊んでるけど全然遊べませんから‼
 王子様と婚姻してもいいことって、正直ないんでありがたかったです。
 だって実家はびっくりするほどお金持ちで、私は美少女だし。まだ十八歳ならなんでもできるわけだし、将来明るいでしょ!
 それにしても毎日大変だったなぁ……王子妃教育とかキビシかったわ……マナーとかダンスとかだけじゃない貴族向けのアレコレ……色々あるよね……人間、金と権力持つとさ……気にしたら負けだって分かってるけどね。
 ちょっと過去の自分に引きながら、寝室にもる。
 ドレスや靴をポイポイと脱ぎ、衝立ついたてに引っかけておく。
 パン一(正確にはふんどし一丁)でベッドの中にもぐり込む。
 明らかに羊毛じゃない、何かフワフワとした毛織物の毛布は暖かく軽い。
 肌触りもモフモフと気持ちがいいので、夜着とか寝間着とか着ない方が暖かくて心地いい。
 明日のお昼ごはん後に領地に向けて出発かぁ。あーあ……これが乙女ゲームじゃなくてアクションとかRPGとかなら、ステータスがどうのこうのって話になるんだけどなぁ……
 思い出してすぐくらいに〈ステータス〉って言ってみたけど、全然だったんだよねぇ。

「ステータスかぁ…………そう言えば伯母さん、昔なんかぼやいてたなぁ……ステータスって簡単に言ってるけど、昔は皆キチンとステータスウィンドウって言ってたんだっ…………て? え?」

 ブツブツ独り言を言ってたんですけど、目の前に半透明の棒が浮かんでます。
 まさかねー? 伯母さんの言ってたこと、言ってみよっかなー。

「ステータスウィンドウ、オープン」

 半透明の棒がフッて大きく四角くなりました‼ まさかのステータスが見られてます!


 エリーゼ・フォン・シュバルツバルト
 十八歳
 女
 レベル:1
 HP:99999
 MP:99999
 スキル:××××……


 スキルの文字が小さすぎて読めない……
 なんだ、この大雑把おおざっぱなステータス。
 しかもスキルらん、本来一行のところに五行かな? それもミッチリあるみたいで良く分からない。
 米粒に般若心経はんにゃしんきょう書きました! レベルの細かさ……拡大鏡ないと無理!
 …………レベルが1なのに、HPとMPがカンストっぽいっていかがなのよ!
 これ文字とか大きくならないのかしら?
 ソロ~ッと手を伸ばしてステータスウィンドウを触っ……れた!
 スマホみたいに引き伸ばせ……ない! はい、ダメでしたー! チッ……でも、触れるんだよねー。
 ダメもとでスキルらんを触ってみよう、何か分かるかも。
 ドキドキするなぁ……一番上の端っこ……を……

「ピッ」

 いょっし! 触ったら文字が大きくなりましたー!

『無限収納 ※』

 無限収納…………マジか! やったぁ! 明日、朝一で料理長に言って食材を発注かけてもらおう!
 てか、『無限収納』ってなんだ? 何か意味があるのかな?
 なんだろう? 触ってみるか……

『無限収納:生命体以外収納可。質量無制限。収納時は時間停止します。出し入れは念ずるだけで行えます』

 注意書き? 説明? みたいなことが書いてある。
 親切なのか不親切なのか、分からない……
 とにかくスキルらん、一つ一つ触ってトライしてみよう! 詰めっ詰めになってるから、あんまり動かさない方向で。
 さっそくパネルに浮かぶスキルを指先で次々と押してみる。

『鑑定眼』『マップ〈レベル1〉』『全属性魔法』『創作魔法』『スペルマスター』

 うん? なんだこのスペルマスターって? とりあえず押してっと……

『スペルマスター:新たな呪文を作ることができます』

 ……なんのこっちゃ……。また、押してみるか。

『テイムマスター』

 は? テイムじゃなくてテイムマスター?

『テイムマスター:魔物、動物、人間をテイムした者に与えられます。全生物をテイムできます』

 待てや! 動物と人間なんてテイムした覚えがないわ!
 謎……謎すぎる……そして疲れる……次でやめよう…………面倒くさい。

『マイ・アイランド』

 は? 何、このスキル…………

『マイ・アイランド:亜空間にある島(周囲の海も含む)を使用できます。テイムマスターの証。島や海にテイムした魔物・動物・人間を住まわせることができます』

 …………ソシャゲ? なんか色々おかしい…………ただのチートとかっていうのと違う気がする…………
 あえて言うなら、複数人がそれぞれ勝手にチートつけてみました! とか、こんな能力つけてみました! みたいな……ノリ? ノリなの? 悪ノリだよね? いや、ありがたいけど。
 もう、スキルとかはイイや…………
 最後に一番気になるやつ、あいつを押す。『無限収納』の後、スキルらんの下の端っこにあるアレ…………

『※』
『設定』

 えー⁉ 何よソレーーーー! ホント、おかしいでしょ!
 なんてことだ! 設定…………どういうことよ………………
 とりあえず、もう一回触ってみよう…………


 らくらく簡単ステータス表示   オフ
 メッセージウィンドウ      オフ
 HP表示            オフ
 MP表示            オフ
 マップ表示           オフ
 アナウンス           オフ
 マイ・アイランド iコン表示  オフ
 パーティーメンバー表示(四人) オフ


 は? スマホの簡単操作画面みたいになってるやん! よし! 全部オンにしてこ!
 …………アナウンスの下のやつって、ボリューム?


 らくらく簡単ステータス表示    オン
 ステータスと唱えるだけで画面表示されます
 メッセージウィンドウ       オン
 自動で各種メッセージが画面表示されます
 HP表示             オン
 左上にバー表示されます
 MP表示             オン
 左上・HPの下にバー表示されます
 マップ表示            オン
 右上に表示されます
 アナウンス            オン
 マイ・アイランド iコン表示   オン
 右下に表示されます
 パーティーメンバー表示(四人)  オン
 最大四人までHP/MPバー表示の下にバー表示されます


 何コレ……
 一気にゲーム画面っぽくなった。
 それにしても、このマイ・アイランドが気になる。iコン表示とか、どうなってんの?
 とりあえずiコンを押してみる。
 ……視界いっぱいに広がる海? に浮かぶ島が一つ。

〈ここは貴方のテイムした者たちを住まわせることのできる島です! さっそくこの島に名前をつけてください!〉

 何も考えずにさっそくメッセージウィンドウ開きました。
 ……行ってみたかった島の名前をつけちゃおっかなぁ……

「よし! 島の名前は八丈島はちじょうじま!」
〈この島の名前は八丈島に決まりました! これから、どんどん島のレベルを上げて島を発展させてください〉

 ソシャゲです。このノリはソシャゲです。明るいポップな音楽が流れてます。

〈島に畑を作りましょう! レベル1は十面までしか作れません〉

 ……ぶっちゃけると、某農園とかの生産系ソシャゲのチュートリアル画面になりました。
 やったことありますから、サクサク進めましたよ。
 畑を作り、農作物の種まきですが、レベル1は麦とジャガイモとキャベツしか作れません。が……とりあえずジャガイモを作ります。
 チュートリアルなんで、メッセージに沿ってどんどん進めて行きます。
 一通り進めたので、島のあちこちをタップしてみます。
 茂みや海はレベルが上がると解放されることが分かりました。
 ログハウスみたいなのが一軒建っているので、タップすると新たにウィンドウが出てきました。


〈島に移住させますか?〉

 ユキ
 エリック
 大ルリ鳥 2 (名前をつけてください)
 ふんどしたい 25


 ……なにこの、ふんどしたいって……あれか、毎朝私にしつけられてるふんどし一丁の野郎どもか!
 二十五人もいたんだ……私がテイムしたことになってるんだ……
 大ルリ鳥って、毎朝来るあの鳥かな? 他に思いつかない。名前ねぇ……
 鳥に関しては、明日の朝鑑定してみればいいか……それから考えてもバチは当たらないでしょ。

〈ジャガイモができました。収穫してください〉

 もうできたのか。はいはい、収穫。

〈収穫した作物はロッジ*上限アリか無限収納か選べます〉

 → ロッジ
   無限収納


 なん……だと……矢印をロッジから無限収納に変えてみる。

〈無限収納にジャガイモ十キロが入りました〉

 マジかーーーーーー‼
 島のレベル上げてこう! 何が作れるようになるか分からないけど、どんどんレベル上げして色々作ろう!
 何この夢と希望に満ち溢れるソシャゲ! サイコーじゃん! テイムした者たちを移住させられて、畑ができる! しかも短時間な! どんどん作ろう! 今度はジャガイモとキャベツを半々にしよう! やばい! 何この、ご褒美ほうびソシャゲ!
 海があるってことは、りとかもできるようになるのかな?
 クソッ! 寝なきゃいけないのに眠れなくなっちゃう! でもちょうどいいのかも? お腹いっぱいでポンポンだもの! 頑張れ、私!
 私はまた種をまいてみた。

〈キャベツとジャガイモができました。収穫してください〉

 収穫~! さっさと収穫して無限収納に送る。あ~素敵~! 野菜が溜まってく!

〈レベルが上がりました。ニンジン、タマネギ、エダマメが解放されました〉

 エダマメ? エダマメ状態で収穫ということか……くそ、ビールのない世界にエダマメとか切ないわ!
 ……あれ? ジャガイモ、ニンジン、タマネギがあったらカレー……は無理だから肉じゃがか……砂糖もあるし醤油しょうゆもある。
 肉じゃがーーーー! 食べたーい! 豚じゃなくて、いのししだけど構わない!
 よし! 野営するようなことになったら作ろう!
 もう、いい加減寝ないと……どこかに……どこかに画面切り替えの何かがあるはず……
 あったぁ! 右上に『×』マークあった! よし! ニンジンとタマネギを種まきして寝る!
 明日の朝、鳥に名前つけて移住可能にする!
 そのあと料理長に食材・調味料・鍋類を買えるだけ買ってもらおう。
 あと、トムじいに言って、実やら何やらを持っていけるだけ収穫してもらっとこう!
 よし! そうと決まったら種まき♪ 種まき♪
 ニンジン三面、タマネギ六面!
 ポチッとな! 画面オフ! さ! 寝るぞ!
 ……神様! 領地に帰り着くまでに何か魔物をゲットできますように! お休み~!



   旅立ちの日


 朝です! オハヨーなのです! 希望の朝です!

「ステータス」

 昨日は「ステータスウィンドウ・オープン」って言わなきゃ開かなかったけど、一度開いたら、設定変更でもう「ステータス」だけで大丈夫みたいだな。
 目の前に現れるステータス表示をシカトして、さっそく八丈島のアイコンをタップする。

〈ニンジンとタマネギの収穫をしてください〉

 できてる♪ できてる♪ 収穫♪ 収穫♪ 無限収納に収、穫! イエーイ!

〈レベルが上がりました。畑を五面増やせます。イチゴ、ピーマン、ダイコンが解放されました〉

 畑五面! よし! 設置! イチゴ五面! ダイコン五面! 残りはジャガイモ!
 ログアウト! ジャガイモはいくらあってもいい!
 よし! これから朝のルーチンワークだっ! ボンヤリしてる暇はない!
 寒いけどキニシナイ! 飛び起きて、ちゃっちゃと服を着る。走り込んで練兵棟に行く。
 練兵場に着くなり、疑問を振ってみる。今日はエリックがいたので、都合が良かった。
 エリックは私が幼い頃から私に仕えてる男だ。子供の頃から私が調教しているワンレンイケメンなドMである。

「エリック、ふんどしたいって何?」

 私の前にひざまずき頭を下げている姿は、すでに見慣れたものだ。

「はっ! エリーゼ様の犬のみで作られた、私の部下です! 全員、ふんどし着用でエリーゼ様のためだけに存在しているエリーゼ様の護衛です!」

 あー……やっぱり、そうなんだ……それにしても犬って……

「じゃあ、全員呼んで」
「はっ! ただ今!」

 エリックは即答し、練兵場からダッシュで消えた。早いなー!
 ………………ダダダダ………………
 すさまじい足音がしたと思ったら、ふんどし姿の男たち(なぜか全員イケメンだった)が現れた! 全員若いしイケメンなのに……なんてこったい。
 私の前にエリックが立ち、その後ろに五人ずつ五列ピシッと立ってます。

「貴方たちに伝えねばならないことがあります。心して聞いてください」
「「「はっ!」」」

 一糸乱れぬとは、このことか……きちんと訓練しているようだ。

「私はどうやら、貴方たち全員をテイムしているようです。で、私の特殊能力が昨夜分かったのですが……私がテイムしている者たちは、その特殊能力で特別な空間に移住させることができます」

 かなり突拍子もない話だけど…………こんなこと言って、分かるのかな?

「「「おぉぉ~! 素晴らしい! さすがエリーゼ様だ‼」」」

 うん、心配ご無用だったようです。
 あっ、でも移住させても、外に出すときとかどうするんだろう? そこんとこ、ちゃんと確認するべきだった!

「ちょっと確認」

 ステータス画面を呼び出し、八丈島のアイコンをタップすると島の全体図が出る。
 ログハウスをタップして、確認作業に入る。


〈島に移住させますか?〉

 ユキ
 エリック
 大ルリ鳥 2 (名前をつけてください)
 ふんどしたい 25


 まずはエリックに行ってもらおう。

「エリック、試すようで申し訳ないのだけど、一人で先に行ってちょうだい」
おおせのままに」

 エリックはうやうやしく頭をこうべ垂れた。私は一つ頷いて、エリックの名前をタップする。
 次の瞬間、シュンッとエリックの姿が目の前から消えた。画面を見ると、島の中で小っさいフィギュアみたいなのがちょこまか動いている。
 そして、画面上に新たな注釈が現れた。


〈エリックを移住登録しますか?〉

 *移住登録してもマスターの任意で島と外界のどちらかを選べます。
  また、登録すると外界で消滅する前に島に戻されます。


「エリックを登録」

 ごめんね、エリック。本当に何もかも、捧げてもらっちゃうことになった。

〈エリックの移住登録がすみました〉
『エリーゼ様! ありがとうございます!』

 すると、画面上にエリックの言葉が浮かんで流れた。
 まさか、エリック本人のメッセージが表示されてくるとはね(笑)
 まるでニ〇動のようだわ。小っさいフィギュアみたいなのが、バンザイしまくってる。なんというか……可愛い!

「エリック、出てきて」

 ものは試しと声に出して言ってみる。シュンッと元いた場所に、エリックが嬉しそうな顔で立っていた。なるほど……思ったより都合がいい仕様なのね。

「素晴らしいです!」

 大興奮のエリックは私にそう述べ、ふんどしたいに近づくと小声で何やらゴソゴソ説明してる。

「「「私たちも、お願いいたします!」」」

 ……私は、『ふんどしたい 25』も無事、移住登録しました。
 ドッと疲れましたが、これでエリックとふんどしたいは、いざというときに島で暮らすことができます。とりあえず……

「ふんどしたい、解散! 駆け足で戻れ!」

 私の鋭い一言で、彼らは駆け足で練兵場から消えました。

「エリック、今日はありがとう。いつも通りではないけど、今日はこれで終了よ」

 時間押してるから、終わり! 犬よ、すまない!

「いいえ。エリーゼ様、私、今日という日を忘れません。本当にありがとうございます」

 いつもより真摯な表情を浮かべるエリックに頷き、私は練兵場から出るべく身をひるがえした。

「昼から旅よ、よろしく頼んだわよ」

 そう言い捨て、私は練兵棟から出て行く。
 次は鳥だ! ダッシュだGO! ダッシュだ! ダッシュだ! GO! GO! GO! GO!
 練兵棟からダッシュで自室に戻る。当然ジャンプです。毎日やってるから、お手のものだ!
 そして……来ました!
 ――ギィヤァァァァァァァァァ
 ――グァァァァァァァァァァァ
 相変わらず断末魔だんまつまの叫びのような鳴き声です。よし……スキル『鑑定眼』を使ってみます!


 大ルリ鳥
 レベル:2
 若いつがい 九歳
 テイムずみ
 *名前をつけてください。


 …………やはり、そうですか。名前ねぇ……青くて綺麗な鳥…………

「オスがソラ。メスがルリ」
〈マスター! ナマエ、ウレシイ!〉
〈マスター! アリガトウ!〉

 おっ! あの断末魔だんまつまの叫びじゃない、ハープが奏でる音のような美しい声が頭に響いてくる。
 よし、ちゃちゃっと説明していこう!

「ソラ、ルリ。ちゃんと聞いてね。私、今日の昼すぎに領地に向けて旅立つの。でね、貴方たちを、私の特別な空間にある島に移住させることができるの。私はソラとルリを移住させたい」
〈ウレシイ! マスタートイッショ!〉
〈ウレシイ! ワタシ、イク!〉
「良かった。じゃあ、ソラ、ルリ、これからよろしくね」


 大きな羽をはばたかせて、喜びをあらわにするソラとルリ。私は笑みを浮かべながら「ステータス」と口にした。
 現れた島のアイコンをタップし、じゃんじゃん移住準備を進める。
 あっという間に彼らを島に移住させた。島のログハウスの屋根にとまる二羽の大ルリ鳥。キラキラと輝く青い鳥(ミニチュアっぽい)は、可愛くて素敵だった。


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