婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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2巻

2-2

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〈マスター! ステキナトコ!〉
〈マスター! ワタシ、シアワセ!〉

 これで島がにぎやかになるかな~。
 ちらりと畑に目をやる。うーん、やっぱり作物ごとに収穫時間が違うみたい。
 ジャガイモはできてるから、収穫して、無限収納内をジャガイモ地獄にするか……リアル畑じゃできない荒技よ! 芋類の腹持ちの良さは大事!
 煮て良し! 焼いて良し! 蒸かして良し! 揚げて良し! の万能野菜。
 でも旅の最中に揚げ物は無理だから、焼くか煮るか蒸かすかだけど……肉じゃがは絶対作る!
 なぜだって? そんなの決まってる、私が食べたいから! おっと、ボンヤリしてる暇はねぇ!
 さっさとシャワー浴びて、支度し直したら厨房へGOだ! 時間は限られてる!
 ランチメニューは決まってるから、考える手間はない! ラッキー!
 はいっ! 厨房前です! えっ? シャワーシーン飛ばしたな! ですって(笑)当たり前です。
 必要ですか? 必要ないですよね!

「おっ! お嬢、おはようございます。えらい早いですね」

 はい、料理長来たぁ! 私の心の友です! もはやいないと困るデカくてゴツいパッと見、土木関係者っぽい料理長です! ツイテル! 今日の私、きっと何かがツイてる!

「さっそくだけど、食材と調味料……それに鍋! 大きいと嬉しいわ。それを頼めるだけ頼んでちょうだい」

 私の頼みに料理長は呆れ顔です。分かります、言いたいことくらい。

「頼んでも、持って行けねぇと……」
「大丈夫! 好きなだけ持って行けるから!」

 全力で反論!

「持っていく荷物は、あらかた先発隊が持って行ったでしょう。あとは旅に必要なものばかりで、なるべく荷物は少なくってのも分かるの。でもね……料理長……私、たくさん荷物持てるのよ(ニヤリ)」

 キョロキョロと辺りを見回して、料理長に小声でささやく。

「無限収納っていう、生き物以外、なんでもどれだけでも仕舞っておける特別な力が分かったのよ……」

 料理長は大きく目を見開き、それはもうの鳴くような声で「本当ならスゲェ」って言いました。なので再度、ささやきます。

「ジャガイモ、この間の量の分入ってるわよ」

 ガクリと膝から崩れ落ちました。料理長が。

「分かりやした。目いっぱい頼んどきます! よろしくお願いします! あっ、お嬢! 俺も旅には同行しますんで!」

 あら、頼もしい!

「そう、よろしくね! 楽しみだわ! あと、今日のお昼は鳥ガラ醤油しょうゆスープのラーメンとから揚げよ。ラーメンの具はあっさりとしたチャーシューときざんだネギ、煮玉子と青菜を湯がいたものでお願い。から揚げはニンニクとショウガのり下ろしたものに、醤油しょうゆ蜂蜜はちみつを少し入れた漬け汁に漬け込んでおいてちょうだい」
かしこまりました」

 これだけで、伝わるのがありがたい。

「今からトムじいのところに行って、頼みごとをしたら厨房に戻るから」
「お待ちしております。お気をつけて!」

 阿吽あうんの呼吸ってこれかしら? とにかく、食材などの発注はかけてくれるでしょう。
 はっ! いけない! 厨房を覗いて叫ぶ。

「料理長! 酒もよ!」
「ガッテン!」

 これでヨシ! 酒は調味料としても使えるからね! 次はトムじい!
 トムじいはこの王都のやしきの庭師長です。領地のやしきに双子の庭師がいる腕っこきのおじいちゃんです。
 ダッシュで移動! 秘密の畑にはいません。まだ、朝早いからかしら?
 うーん? トムじいの作業小屋に行ってみるか。またもや、ダッシュでGO! です。

「いたぁ! トムじい‼」

 作業小屋の前で、トムじいが何かを出してました。

「トムじい、おはよう!」

 振り返って、しわ深い顔でくしゃっとした笑顔を見せてくれます。

「おーぅ、嬢様! おはようございます。こんな朝早くにどうなさった」

 トコトコと近づいて、トムじいが出していた荷物を見てみる。

「うん、こっちで収穫したものとかトムじいが取っておいてくれたものを、持てるだけ持って行こうと思って」

 トムじいはさっき出していた荷物を見た。小さい箱だ。

「あんまり嵩張かさばるもんは持っていけんと聞いたで……せめてこれだけでもと……」

 トムじい……嬉しいけどミカン箱一個とか、私的に無理!

「トムじい! ありがとう! でもね、私はたくさんの荷物運べるから。持って行けるだけ持って行く。……とりあえず、これもらうね。この箱一個、無限収納にイン」

 ――ヒュンッ

〈無限収納にトムじいの箱 1 入りました〉
「はい、収納完了! ありがとう、トムじい」

 トムじいは箱のあった場所を見て、プルプル震えてます。

「嬢様……一体、どこに……」
「うーん? たぶん、こう……見えない空間があって、そこに入れた……みたいな?」

 説明できないなぁ……そんな難しいことは、分からないよ……

「どれだけ入りますか? 持たせたいものは小屋にたくさんあるんじゃ……」
「どれだけでも、入るわよ」

 パァァァァァとトムじいの顔が輝いた。嬉しいのね。
 トコトコと小屋の中に進み、荷物がギッシリ積まれてる棚の前に来た。

「小屋のこっちの棚に積んであるものを嬢様に持たせたかったんじゃ。この間の荷馬車には、載せられんと言われたからの……」

 そう言って、トムじいは寂しそうに肩を落とす。そうか……トムじい的には、残念な出来事だったのね……良い! 持って行こう!

「これ、全部いいの?」

 そう聞いた私に大きく頷き、こちらをキラキラした目で見つめてくる。トムじい、期待してるのね……ならば期待に応えよう!

「目の前にある棚の中の荷物を、全部無限収納にイン!」

 ポポポポポンッと棚にギッシリあった荷物が消えた。


小豆あずき 5キロ入り袋 30〉
大豆だいず 5キロ入り袋 40〉
〈ギンナン 5キロ入り袋 3〉
〈ガラの実(三種) 各10キロ入り袋 各10〉
〈ナガイモ 5キロ入り袋 5〉
〈干しシイタケ 5キロ入り袋 50〉
〈いんげん豆 5キロ入り袋 20〉
〈干し柿 5キロ入り袋 60〉
〈わさび根 5キロ入り袋 2〉
〈サトイモ 5キロ入り袋 80〉
〈黒豆 5キロ入り袋 6〉


 次々と表示されました! なんと、豆類がたくさん!

「トムじい……なんか、豆類結構あるんだけど……」

 トムじいは頭をボリボリといて、ちょっとだけ困った顔をした。

「何か、育て方が悪かったんじゃろ。大して美味くなくてなぁ……じゃから、わしがこっそり取っておいたんじゃが……」
「いいのよ。私はとても嬉しいわ。急がせてごめんなさい。今から、庭仕事よね? 私、厨房に行かなくっちゃ! また、あとでねトムじい!」

 そう言ってダッシュで走り去り、人目につかない場所にコソッと隠れ八丈島の画面にすると、収穫を催促するメッセが出たので収穫した。
 まだ、レベルアップしないのか……ジャガイモの種を全面にまいて、ジャガイモを増やすことに決めた。
 私は新たな素敵食材を手に入れた! 厨房にダッシュだ! 領地に帰る準備? そんなのすんでる!
 ドレスとかお飾りとかそれに合わせた靴も、送った! 残ってるドレスはこっちに来たとき用。
 普段着よろしく、着まくってるシャツやら何やらは、専属侍女のアニスに任せてある。
 私専用の馬車の物入れには武器(両刃の片手剣と双剣)と、防具(ワイバーンの皮を真っ黒に染めて作った革よろいと材料の分からない金属製の丸盾)が入れられている。私の希望だ‼
 同乗するアニスの武器は弓でした。
 ……馬車……家族全員、一人一台ずつあるわけだけど……さらに使用人たちが乗る馬車と荷馬車となかなかの大所帯での旅。これに護衛の騎馬隊がついて……大名行列やん! 歩きはいないらしいけど。
 ……ルーク殿下って、馬に乗ってきたのかな? どうなんだろう? ……まぁ、いいか! あとで分かるでしょ!
 ちなみにルーク殿下は隣国であるゴルゴダ帝国の皇子様だ。ひょんなことで私と同じ転生者であることが判明。縁あって? 一緒にシュバルツバルト領に行くことになった。
 あっという間に厨房前に到・着!

「あっ! お嬢、頼めるだけ頼んでおきやしたぜ! ひょっとして、朝食もお作りになるんで?」
「あぁ、そうね。朝食は任せるわ。ちょっと、作りたいものがあるから隅の方を借りるわね」

 我が家の厨房は広くてよ! まぁ、夜会とか開くんだから当然と言えば当然なのだけど。
 …………晩餐ばんさん会も開くしね…………料理人、ウチは男性が半数以上なのよね。
 この世界、伯爵家くらいだと使用人はほとんど女性らしいのだけど、さすがに大人数を呼ぶ回数が多いおおやけ・侯爵家では男性がたくさんいないと回らないのだ。王宮はほとんど男性らしいですよ。
 らしいってことだけで、使用人区域に近寄ることもできないから良く分からないのよね。

「お嬢、隅の方の支度ができました。もぅ使えますぜ」
「ありがとう」

 使える状態にしてもらえないとね! よぉし! 小豆あずき煮るぜ!

小豆あずき一袋出して」

 ステータス画面に向けて呟くと、私の腕の中に小豆あずき一袋がポスンと出てきた。

「砂糖をよろしくね」

 ちょっと大声で言えば、誰かが出してくれる。小豆あずきを洗って……と。

「待ってくれ! お嬢、今どこからそれ出したんですか?」

 そのとき、そばでこちらの様子をうかがっていた料理長が目を大きく見開いて、話しかけてきた。
 あれ?

「料理長、私……荷物持てるって今朝話したわよね?」
「あっ……あぁ…………」

 びっくり顔でガクガクと頷いた。ちょっと、面白い。

「さっきトムじいのところから、もらってきたの。それを必要な分だけ出したのよ」
「すげぇ……」
「さ、そんなことより料理長は朝食作るんでしょ。私はこれで作りたいものがあるのよ」
「はっ! はいっ!」

 アーンコアンコー! さぁ! 久しぶりのアンコ作り。上手にできるかな?
 紅茶にアンコかぁ……大丈夫だと思うけど、それだけってなぁ……
 パンケーキ的なやつに挟んだらどうだろう? ……どら焼き……?
 ちょっと待てよ……今日の午前のお茶けと使用人たちの試食分を小鍋に移して。
 それ以外はぜんざいにしよう! もちのかわりに、練った小麦粉を平べったい……ニョッキっぽいやつにして茹でて投入して……鍋ごと無限収納に入れてしまえば、旅の最中のいいおやつになるじゃん! ナイスアイデア!

「料理長! この鍋、もらっていいかしら?」
「構いやせんぜ!」
「ありがとう! 旅に持って行くから!」

 これで良し! あとは作って、収納するだけ! イエーイ!
 はい、できた!
 間、飛ばしたな! って長いんだもん、飛ばすよ。ちゃんとアク取りもしたし、美味しいアンコができましたよ。ぜんざいにもち……というより団子? すいとん? 的なのも作って投入したし。
 小っさいパンケーキみたいなのもたくさん作ってもらったし(私一人じゃ無理があります。なので、作ってもらいました)。
 今から魅惑の試食タイムです。料理長をはじめ、厨房内はソワソワしてます。

「まずはこのアンコを挟んだものを試食しましょう。料理長、こぅ……十字に切って四つにしてちょうだい」

 コクンと頷いて、カットしていく料理長。四分割されたどら焼きもどきがいくつもできる。
 人数分できたところで、それぞれに紅茶が配られる。しょっちゅうやらかしてるので、皆慣れたものだ。

「皆、紅茶は行き渡ったかしら? では、少ないけど試食しましょう」

 そう言って、一口大になったどら焼きもどきを手に取る。
 あぁ……つぶつぶアンコ……パクッと口の中に放り込む。口の中に広がる、アンコの柔らかい甘さ。これ! これよ! ん~! 涙出そう! 幸せ!
 紅茶を一口飲む、あぁ……ホロリと口の中で甘さが解けていくようだわ……

「美味ぇ……お嬢……なんて美味いもん作るんだ……」

 料理長の両目から、透明な液体がっ‼ いい年した男が、どら焼きもどきで泣くなよ!
 ……あれ? 他にもなんか同じように泣いてる奴いるやん……これからぜんざいの試食もあるのに。
 口々に、美味しいとか食べやすいとかボソボソ言ってるのが聞こえる。新しい甘味だからね!

「さて、皆食べ終わったかしら? 次はこちらを試食しましょう」

 ぜんざいの鍋は、すでに持ってくやつは収納しました!
 試食分は小鍋に移して、ちょっと冷ました。いい感じの温度になりつつあります。カップにちょっとずつ入れて回してもらいます。
 ティースプーンも回してもらいますが、皆のこの不安と期待の入り混じった顔! どんな顔になるのかな~(笑)

「さ、試食しましょう。スープみたいなものよ」

 小豆あずきすくって、食べてみる。うん、ちょうどいい甘さ。次に汁ごとすくって、口の中に入れる。

「ん~! 美味し~い!」

 温かいうちに食べきっちゃおう! カップに口をつけて、口の中に流し込む。
 ちょっとだけだから、大丈夫!

「甘~い! 温まる~!」

 気が付けば、皆……同じようにしてました。

「美味ぇ! 美味ぇよ! お嬢~!」

 料理長が泣きながら叫びました。ムサイですね。でも……他の料理人もびっくり顔でカップを見つめてました。あ~体がポカポカしてきたなぁ。
 アンコに気を取られすぎた…………小豆あずき、増やせないかな? 島の畑で種まけないかな……

「料理長、あとはよろしく」
「へい、承知いたしやした」

 ここで色々しでかすのは、ツラい……どこか……サロンにでも行くか……
 朝食まで、もう少し時間がかかるだろうから……カツカツと大股の早歩きです。
 ドレスじゃないから、許されます。そろっとサロンに入室! 無人です。
 さっそく八丈島にアクセスです。……ジャガイモの成長早いです。
 収穫して、無限収納に収納です。
 まだレベルアップしないのか……とりあえず種まきです。
 うーん? 小豆あずきって種まきできないのかな? 試す! 色々試す!
 そうだ、小豆あずき一袋を島に移して……畑に種まき……できたぁ! 収納先を変更するといいんだな! よぉーし! それぞれ一袋ずつ収納先を島にして……と、どのくらい時間がかかるか分からないからちょっとずつにしよう。
 ……イチゴ食べたい……アンコと一緒に食べちゃおうかなぁ……でも、まだ収穫できない。
 やっぱり時間かかるか……ジャガイモとは違うな! だが、私の勘が訴える!
 小豆あずきは必ず足りなくなる! と(笑)
 だから、小豆あずきの種をまこう! でも一面だけ長芋の種もまこう。トロロとかは無理でも、長芋短冊とか食べれるじゃん! 醤油しょうゆもわさびもあるし、領地に帰ったら魚と一緒に丼とかにするんだ!
 カルパッチョとかも食べたいけど、寄せ鍋とかも食べたいんや!
 よし、まき終わった。これでしばらくしたら何かできるでしょ。
 それにしても…………この世界ってカニはいないのかな? 図鑑にも載ってなかったんだよね……エビはあったのになぁ……お魚……さてと、食堂行くか。朝食を食べたら、再度厨房に行って色々しないとね! そろ~り……サロン脱出!
 フンフン♪ 鼻歌交じりに進むと、トールお兄様と側近のフレイ…………が…………
 いるけど……なんて言うか……こう……当てられる感がすごい。クラクラしそうな甘~い雰囲気が二人の間に流れている。
 トールお兄様は、私の二番目のお兄様です。
 そうですね、見た目はお母様似の優しげなイケメンですのよ。
 フレイはその側近。オレンジ色の巻き毛が印象的な、やっぱりイケメンです。
 ……昨日の夜、何があったの? そりゃあ、トールお兄様とフレイがイチャラブなのは良く知ってますけど!

「甘い時間を過ごしたようですね」

 ふいに背後から話しかけられた。
 びくーんっ! だっ! 誰! ……って、ソニア……? フレイの奥さん……だよね? 普段はお母様の後ろにいるからアレだけど、お母様の三人の専属侍女のうちの一人なのよね。
 ニコッと笑った顔は可愛いのです。お人形さんのようです。
 でも、自分の夫が他の男性と関係を持っているというのに、この笑顔……

「な……んで……」
「愛しているからです。あの人が甘ったれた顔して甘えるのはトール様だけですから。私、あの顔が良くて婚姻を申し込んだのです……他にもありますけどね……」

 何も言わなくてもサッと理解されました。それにしても意外でした。まさか妻公認とは。

「そう……ソニアの愛はちょっと特殊なのね」

 あぁぁ! 私のバカァ! 特殊とか⁉ ニコッとソニアが笑って……

「私にはフェリシア様がいる。フレイにトール様がいるように。だから、いいのです」
「そっか……そうなのね……」

 フェリシア様とは私のお母様のことで、侍女はお母様を『フェリシア様』って言うのよね……
 私はソニアを見てから、トールお兄様を見た。ソニアも私を見てから、フレイを見た。

「私たちは敬愛する主もいて、愛する家族もいる。たくさんの給金に豊かな食事。いずれ子供ができても、やしきで見てもらえる。とても恵まれていますし、幸せですわ」
「そうなのね」
「だからエリーゼ様、心配無用です」
「分かったわ」

 私たちがしゃべっているのに気が付いた二人が、こちらに近づいてくる。私が思うより、幸せなのかもしれない。穏やかに微笑みを交わすフレイとソニアを見て、そう思った。

「おはよう、エリーゼ。こんなところにいるなんて、珍しいね」

 トールお兄様が私に向かってニコッと笑った。フンワリした、いつもの雰囲気です。さっきまでの甘~い雰囲気が吹き飛んでます。フレイもいつものチャラい雰囲気です。

「トールお兄様……私、実は新しい力に目覚めましたの。ですから、いつもと違うことをしていましたの」

 あっ! ちょっとだけトールお兄様がキリッとしました! キリッとすると、いきなりイケメン度が跳ね上がります。

「新しい力だって? 教えてもらえるかい? エリーゼ」

 声のトーンも少しだけ落ちるのですね。
 いえ、昨夜夜会から帰った後、夜食として食べたラーメンのトッピングのありさま……チャーシューでふたをするという暴挙でになったときの、ビックリするほど低いトーンには本気で驚きましたけど(笑)

「はい、トールお兄様。実は……私……生きていないものならば結構持ち運べる力があるようなんです」
「まさかっ! エリーゼ様、それは無限収納ではっ⁉」

 ソニアよ……いきなり正解とか、すごかろう……てか、ビックリしたわ。

「無限収納?」

 トールお兄様はキョトーンです。フレイも言わずもがなです。
 ソニアだけが、正解をフライングで言い放ちました。これは……知ってるな! なーんでかな?

「うん。ソニア……当たってるけど、どうして分かったのかな? 気になるわ」

 逃がしゃしねぇぞ……答・え・ろ!
 ……うん? どうした? 両手を胸の前で組んで……ハハッ、まるで祈っているかのようだな!


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