婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 109

あー……でも、ボーッとする……
小さくステータスと呟き、ステータスチェックをする。
レベルも上がってるけど……MPが鬼の様に減ってた……さすがにあれだけの物を造り上げれば減るのか。
あえて言うなら赤ゲージまで減ってた。MP切れ目前です。体力あるけど、魔力切れとかぶっ倒れる寸前だったのかも。

「エリーゼ、本当に大丈夫？」

「大丈夫じゃなさそうです。晩ご飯食べ終わったらすぐに自室に戻ります」

ぶっ倒れはしないけど、早く寝よう。
頭がシャッキリしないまま黙々と晩ご飯を食べ、出された甘味を平らげ立ち上がりフラフラと家族に頭を下げて食堂から出る。

「エリーゼ様、大丈夫ですか！何かフラフラしてます！」

「んー……頭が疲れてるのよ……部屋に戻ったらすぐに休むわ……」

「畏まりました」

アニスが隣に来るとグッと腰を掴んで手を繋いで来た。

「さ、早く戻りましょう」

アニスに支えられる様に歩き出し、いつもより時間が掛かったけれど部屋に戻る。
ただアニスにされるがままドレスを脱がされ、ベッドに追いやられ眠りに落ちた。

……明るい……
え？何で？え？……朝？ガバリと起き出して周りを見回す。

「おはようございます！エリーゼ様」

「え……ええ、おはようアニス」

「さすがに今朝は私の方が早起きでした。エリーゼ様、いつもの走り込みは今日はお休みなさいますか？」

「いえ、行くわ」

そうだ。昨日はMPを使いすぎて、ヘロヘロになってたんだ。
モソモソとベッドから抜け出し、簡単なストレッチをして普段着を着て窓を開けて文字通り飛び出してルーチンワークを行う。
冬の冷たい空気が気持ち良い。
体を動かし、いつも通りに過ごす事でいつもの自分になる気がする。
こうしていつも通りにこなして、自室に戻り湯浴みをしていつもの格好になる。
今日はあちこちの部屋の浴槽を弄るから手早く出来る格好じゃないとね。
循環システム……と言うか、クリーンの魔法を封じた魔石を埋め込めばずっとお湯キレイだよね。
後、空気の魔石も埋め込んだらジャグジーっぽくなるかな？……側面と底に幾つか埋め込んだらマッサージ効果あるんじゃない？私、天才かも。
そんな事を考えながらアニスと一緒に食堂に向かい、朝ご飯を食べた。
勿論、一人じゃないです。トールお兄様もキャスバルお兄様も一緒でしたよ。