婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 137

お母様も良く見ればちょっと照れてる……エミリもシンシアもソニアすらも……やっぱり皆、一度は通った道って事？
でも憧れるかも……自分の子供……女の子が生まれるとは限らないけど、娘とかに言い聞かせるのとか……
子供……子供かぁ……ルークとの間だったら、どこをどうやっても可愛いよね？成長したらどんな美人に？あー……でもでも男の子だったら、滅茶苦茶イケメンになっちゃう？
私に似たらキャスバルお兄様みたいになるかしら？ルークに似るのも良いわ！
息子は特別って言うけど、本当かしら？溺愛しちゃう？あ～ん♡どっちでも良いから丈夫で元気な赤ちゃんが欲しいわ！
そんな事を考えてるうちに時間が進んだようです。

「エリーゼ様、昼食ですよ。食堂に行きましょう」

「ハッ！え？もう、そんな時間？！」

「そうですよ。ずっと嬉しそうに考え事をしてたのでお声を掛けないでおいたんです。でも、さすがに昼食となればお声を掛けるしかありませんから……」

そう言ったアニスはキョロキョロと回りを見やる。

「あ……」

お祖母さまもお母様もオリーも侍女トリオも私を見てる！また！またなの！もぅ～！

「エリーゼ、さ、行きますよ」

「はい……お母様」

クスクスとお祖母さまとお母様が笑って立ち上がり私を待っていてくれる。
侍女達もお母様達の後ろに控えて立っている。
私も立ち上がりアニスと一緒に食堂までの廊下を進む。
アニス達と食堂の扉の前で別れ、食堂に入って見たのは疲れた顔したお父様とお兄様達でした。

「ああ……来たか……」

掠れたお父様の声……エッロ！ジョージボイスが掠れるとこんなに殺傷能力上がるのかっ！疲れ切った前髪パラリも加点してて、ますます殺傷能力上がってますよ！
お父様は存在だけで喪女が殺せますね。

「どうなさったの？」

「ああ、早馬が来て……報償の事とかをな……今回は二頭同時討伐だから弾まないとな……」

メッチャお父様疲れてる。でも、そっか……通常なら一頭だけの討伐だものね。隊員だって頑張ったから、ボーナス弾まないとって事よね。

「ルークが強い男で安心したよ。腰抜けは二度と御免だからね。ま、一緒に旅をして来たから信じてはいたけどね」

キャスバルお兄様メェ……帰ってくる間に一緒に戦って来たでしょうよ。
でも……お父様もお兄様達も疲れてるけど、何処かホッとしてる。
ねぇ、ルーク。皆、貴方の帰りを待ってる。
口には出してないけど、きっと皆心待ちなんだと感じる。