婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 155

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「姫様よ!山に行ってみると良いぞい!」

「おお!中々の見晴らしぞい!」

「そうね、行って来るわ」

石を彫る事に夢中になりそうなドワーフのオッチャン達を放置して山目掛けて歩き出す。
道は分かりやすく出来てる。
毎日の運動量のおかげで楽勝です。あちこちにいる隊員達が頭を下げてては入れ替わり立ち替わり動いてる。
最後に見た時よりも良い感じに手が入って、すぐにでも作業が出来そう。
この段々畑は田んぼになって、秋には黄金色に染まる……米作りは全くの素人じゃない。
うちは作ってなかったけど、親戚にはいたから種籾の選別からお手伝いはしてた。
種籾は無限収納に入ってるお米を出すから、手間はそんなに掛からないけどね。
海側は田んぼ、裏は果樹園……振り返って見れば同じような段々畑に若い苗木が植えられてる。
その向こうには高い石壁。魔物除けが施された石壁は結界の様。
後十年もすればこの若い苗木が育って石壁も目立たなくなろう……
海側へと振り返って街中を見ればあちこちへと動き回る人々が見てとれる。
沢山の建物にバランス良く配置された公園、分かりやすい街並みに寒いけれど雪の少ないこの開拓地は彼等の救いになるだろうか?
便利な都会暮らしから基本農業の田舎暮らし……夢を持ってやって来て挫折した人達を前世では何人も見た。
夢見る田舎暮らしは不便で闘いの毎日で、濃密な人間関係も初体験で……そう言えば、雑草と虫と害獣で暮らせないって言って出てった人もいたな……
こっちも似たような環境だけど仕方ないわね、だって助け合わないと死んじゃうもの。
田舎暮らしもこの世界も助け合わないとあっという間に死んじゃう。
だからこそ土地を納める領主は大変なのだと思うけど……思うけど、ダメ領主もいるから大変なのよね。
王都は王様が納めてるようなもんだけど、各領主をどうにも出来なくて手遅れになって王都民がどんどん倒れて……今はどうなってるのか分からないけど、少しでも助けれる命は助けたい。
陛下が手助け出来ないなら、余力なり何なりある貴族が助けたって良いよね?と思ってお母様に進言したけど……思ったより多そうで慌てて開拓したり何だり……

エリーゼェェェ!

山の麓から大きな声が聞こえて見てみればトールお兄様とルーク(勿論、側近付き)とカワイコちゃん達がワラワラと山を登ってくる姿が見える。
その姿に何だかおかしくて、笑いながら手を振った。
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