婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新天地を! 191

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「え……」

ルークがキョトーンと私を見ます。

「追加オーダー来たら困るでしょ」

「そう……だったな……」

クルゥリと首だけ振り返らせお母様達を見る。

「違う物出すから、ここから離れましょ」

「ああ……」

そっと手を繋いでテーブルの方へと移動する。トコトコと着いてくるルークが可愛く感じてどうしても顔がニヤけてしまう。
テーブルの上には追加のカラアゲが置かれてる。
そのカラアゲはまだ湯気がホカホカと立っている。

「ハイボールとカラアゲって合うよね!」

そう言って一つフォークで刺してパクリと食べる。
ニンニクとショウガの効いたカラアゲはモモ肉(鶏肉だけど地鶏っぽい)みたいでジューシーで美味しかった。
中々食べないルークが気になって見上げれば、メッチャ見つめられてました。

「もぅ!見てないの!ほら、ルークも食べて!」

そう言って新しいカラアゲを一つ刺してルークの口元へと差し出す。
いわゆる『あ~ん♡』だけど、こっちの世界に来てから抵抗感はどんどん薄れて今はへっちゃらで出来る。

「ん……」

パクッと一口でカラアゲを食べるルークはいつもと違ってヤンチャで皇子様っぽさが薄れてただのイケメンに見える。
今までだってルークは前世の食べ物が絡むとこんな感じだった気がする。

「ふふっ……」

私の笑い声にツイと頬を撫でられ、その流れで顎が持ち上げられた。

「エリーゼの笑顔、可愛いな」

「なっ……何言ってるのよ!」

「んー……嘘じゃないよ。エリーゼはどんな顔してても可愛いけど、笑顔が一番可愛いな」

ヒャーー!!あっ……甘いセリフを恥じらう事無くサラッと言えるって、やっぱり攻略対象のイケメン皇子様だよ!
被爆して降参するしか無い程の威力なのよ!

「ククッ……照れてるのか?」

うわぁ……どこの乙女ゲームですか!いや、ホントに!あ~!でも、この世界はあの乙女ゲームに良く似た世界なのよ!

「もっ……もう!揶揄って!ヒドいんだから!」

私の精一杯の抗議にあちこちからクスクスと笑い声が聞こえる。
お父様もお母様もお兄様達も優しい顔で私達を見てる。

「仲が良いのは分かるが痴話げんかは二人きりの場で行いなさい」

珍しくお父様がコホンと咳払いして言ってくれたけど……痴話げんかって……痴話げんか?コレって痴話げんかなの?

「ルーク。今のって痴話げんか?」

「まあ、見えるな。揶揄った訳じゃないから。照れてたエリーゼも可愛かった。一緒になったらもっと色んな顔が見れるのかと思うと待ち遠しいよ」

色んな顔!って……バカバカバカ!ルークのエッチィ!
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