婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 193

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自分のジョッキを見て殆ど飲み終わってるのを確認する。もう一杯だけ作って貰ってスイーツピザ食べて終わりにしよう……ってあるよね?
ジョッキを持ってお母様の近くを通って見てみる。
ハイ!ありませんでしたー!残念ーーッッ!

「エリーゼ、今ねジムに頼んでるのよ」

お母様……テレパス能力あるんですか?私の心を読まないで下さい。

「何を……」

出されたピザは縁が高いピザで……コレってピザって言って良いの?
ピザカッターで切れる厚さじゃないわよ……

「奥様、ナイフ切るんで……」

ちょっと待って!ナイフで切るのは良いわよ!明らかに高さが三センチはあるピザって何なのよ!

「あっ……」

ナイフで切られたピザ……もう良い!ピザで良いわよ!チクショウ!
フンワリ漂う甘い香り。

「さ、お嬢。最初はお嬢から……」

そう言って新しい取り皿に一切れ乗せられたピザを見てゴクリと喉が鳴る。
断面は黄色いカスタードクリーム。その中に赤いイチゴやブルーベリーが見える。
上に美しく並べられてるのはリンゴ?洋ナシ?どっちかしら?
取り皿を受け取り、差し出されたフォークを手に取って一口分切り取ってパクリと食べる。
タルト生地とは違うピザ生地にタップリのカスタードクリーム、だけどイチゴやブルーベリーが入ってる事で酸味が足されて……上に載ってたのは洋ナシだった。
うん。甘いだけじゃない酸味や爽やかな甘味……

「美味しい……」

そう感想を述べてジムを見た。
……ジムはお母様のお皿にピザを三切れ載せてました。
お母様……コレは確実に太りますよ。
既に普通のピザでカロリーは滅茶苦茶オーバーしてますからね。

「あら?ジム、一切れ残ってしまうわ」

侍女トリオも一切れで十分そうです。チラチラとアイコンタクトだけで会話してます。
どうやら決まったようです。

「では奥様、もう一切れ」

「あら?エリーゼはもう良いのかしら?」

お母様。私そんなに甘いピザは得意じゃないです。一切れで十分です。

「はい。この一切れで十分です。どうぞお母様が食べて下さい」

「まあ!では有難く頂くわ」

ホホホ……と上品に笑ってるお母様。
ジムは最後の一切れを丁寧にお母様の取り皿に乗せると一礼してコンロへと歩いて行った。
……私、このままドリンク無しでこのスイーツピザを完食出来る気がしない。
ルークもコンロの近くから寄って来る気配が無い。お母様をチラ見してるのが分かる……警戒してるのね。
ならば私が行こう!
スイーツピザの載った取り皿とジョッキを持ってコンロへと歩く。
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