婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 207

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ちょっとだけ残念なお昼ご飯を食べて食堂を出る。
あのお昼ご飯はタマもトラジもちょっと不満気だった。特にトラジからすればライバルが失敗したみたいでおヒゲをたらーんと垂らして尻尾がヘニョンとなっていた。
実に分かりやすい凹み方をしていた。
タマがトラジを慰めていたし、うーん……料理長は辛い系の料理苦手なのかな?

「エリーゼ様、お待たせ致しました」

やって来たアニスもどうもパッとしない顔だった。

「とりあえず行きましょう」

「はい」

そう言って邸からサッサと出る。

「今日のお昼……」

アニスから話し出して来ました。

「そうね。ジムと比べるとちょっとね……」

「はい……何か合わなかったって言うか……」

私もアニスもぶっちゃけるとラーメン的な料理や辛い系の料理はそれなりに食べてきて口が肥えてると言って良いと思う。
その辺りジムが一つ抜きん出ていると言っても良い筈。賄いとかで作ってないのだろうか?いや、賄いシステム自体が無いのかも知れない。
それこそ主人である私達の料理よりも劣った料理しか口にしてないなら、上達は難しい筈。ジムにはそんな事が無いように、あるものは使って良いから日々美味しい物を作りなさいと言ってきた。
料理長だってその様に言われてる筈なのに、今日のお昼ご飯は残念だった。
……まさか若い料理人の料理だった?
分からないわ。とにかくジムと料理長で何とかして貰わないと。

「まあ、お昼ご飯は軽い物でって事だもの夜に期待しましょう」

「そうですね」

後ろでブツブツ言ってるトラジとタマは放置しておきましょう。ピカ太郎だけが少し喜んでただけです。
……激辛料理はピカ太郎に請け負って貰うのが一番ね。作らないし、作らせないけど(笑)
天蚕の巣の近くでカワイコちゃん達と分かれ、私達は午前中にいた工房に向かう。

「アニスは何色が良いとかある?」

ウェディングドレスの概念が殆ど無いので色とか形とか割と自由なのです!
でも私はやっぱり白が良いのでドレスもお着物も白いですし、お色直しとかもします!……でも私とルークの婚姻式ってどれ位の期間やるのかしら?
近しい貴族家を呼ぶだけで一日じゃ済まないし、ルークのお父様やお母様が来るってなるとトータルで一週間は婚姻式期間になると思うのよ……
その後にアニスとキースの婚姻式か……私とルークのお式が済んで、落ち着いてからじゃないと無理よねぇ……
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