婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

嫁入り支度 101

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チロリとお母様を見れば、何とも無いような顔で微笑んでます。怖いです!何を考えてるのか読めません!

「あの……新婚旅行ですよね?……」

「と言う建前よ」

はぁん!建前よってサラリと言われたぁ!何よ、もう!お母様のいけずぅ!新婚旅行でキャッキャウフフする暇ってあるの?無いですよね?馬車も別ので移動だって知ってますから!
ウッウッウッ……新婚旅行が建前ってハッキリ言われたら涙が出ちゃうでしょ……
ちょっと位夢見させてくれたって良いじゃない……てっ……この世界の新婚旅行って、どうなってるんだっけ?
……?………ぬ……?なんてこったぁ!夢見るような甘いもんじゃなかった!どこをどうやってもキャッキャウフフとは縁遠い旅行だったぁ!
良く思い出すのよ、エリーゼ……旅行の日程とかスケジュールよ……
うん……親戚になる予定の貴族家に皇宮にお母様の実家を回る。しかも知らされて無いけど、パーティーとか夜会とかお茶会とか何か色々きっちりスケジュール組まれてるんだ……そうに違いない……

「お母様……私、ルークと一緒に過ごせる時間はあるのでしょうか……?」

つい気弱になって聞いてしまいました……だって新婚さんなんだもん……

「勿論あるに決まってるでしょう。折角婚姻したのだもの、一緒に挨拶したり踊ったりしなければね」

え……挨拶したり踊ったり……だけ?ねぇ、お母様……それだけしか時間無いの?泣きそうなんですけど!

「ホホホ……エリーゼったら。何、泣きそうな顔になってるの、一緒に床に入るのも新妻の勤めでしょう。旅の間中、夜は一緒にいて良いのですよ」

「夜……」

何か不穏な気がするけど、夜の間中って……間中……新妻の勤め…………

「おっ!お母様っ!」

「ホホホ……若いのだもの励むのよ」

ウワァァァァァッ!おっ……お母様ったらあけすけに何て事言うのようっ!励むって、その……子作りって事よね……ルークと?励……励む……

「最初は殿方に任せておけば良いのです。頑張る殿方と言うのも一興ですからね」

え……お母様何言ってるの?え?お父様の事も?

「ああ、そう言い忘れてました。シュバルツバルト家直系の男性は王国や帝国の男と違って、何処も彼処も逞しく雄々しくてよ。だからね、エリーゼが心配するような事は一つも無いのよ」

……どこもかしこも雄々しくて……ってかっ……らだだけじゃなくてソッチもって事?
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