婚約破棄されまして(笑)

連載

嫁入り支度 111

とか何とか考えてる内にドレスを着せられ、靴を履き替えカワイコちゃん達を連れて晩ご飯食べて……で湯浴みして寝る。
昼間、お出かけしていたからかぐっすり眠れました。

まぁ、数日間は特に何かしら変化も無く過ぎて行きました。

あれから十日程過ぎた当たり、ドワーフのおっちゃんが一人やって来て新館改装終了の報告を受けました。

「思ったより日数がかかりましたね！」

うん、アニス。意外と鬼発言ですね。て言うか、十日でも早いと思ったのに……これで時間掛かってるの？どんだけよ！

「そうかしら？でも見にいけるのは嬉しいわね」

「そうですね！」

弾けるアニスの笑顔。うん、この笑顔が大切なのよ！
そして、ただ今お昼過ぎの三時近くです。所謂、午後のお茶の時間です。
でもまだ肌寒いので室内です。
まだまだ春は近いようで遠いのです……

「エリーゼ様、そろそろお茶の時間ですがサロンに行きますか？」

「そうねぇ……後で新館も行きたいし、ここで軽くお茶にしたいわね」

私の一言で侍女やらメイドやらが一斉に動き出します。

「どちらのテーブルに致しますか？」

「窓際で」

窓際の丸テーブルが日当たり良いので、そちらを希望します。
メイドがテーブルクロスを掛けたり、諸々の準備をしだしました。
貴族令嬢（高位）ともなれば、これ位は慣れておかないと……です。
で、そんなこんなでお茶やらお茶菓子（と言うよりケーキやら何やらです）が運ばれ侍女達の手でセッティングされていきます。

「もう少し丁寧に」

アニスがビシッと注意したかと思ったら、近づいて小声であれこれ指示してます。
私は何一つ言わずに待つだけです。
そんなに……とか言いたくても、言ったらダメなんです。面倒です。
早くお茶したいと思っても、グッと我慢です。

「エリーゼ様、お待たせ致しました」

やっとアニスのOKが出ました。侍女達も神妙な面持ちでアニスの後ろに立ってます。

「ありがとうアニス。いつも通り美しい配置だわ」

そう言えばアニスも侍女達もホッとしたような笑顔になる。
サッとアニスが動いて椅子が引かれる。出来るだけ優雅に座る。
何てったって侯爵令嬢ですからね！

「紅茶を」

アニスの言葉で一人の侍女が丁寧に紅茶を淹れてくれるけど……ちょっと手が震えてます。
ポットとカップが当たってカチカチいってますよ……