婚約破棄されまして(笑)

連載

春が来た！ 2

イソイソとサロンへと向かえば、今日はお祖母さまもいました。

「お母様、お祖母さま、お待たせ致しました」

そう言って軽くお辞儀をしてあいてる場所へと回り席につく。

「あら、今来た所だもの気にする事は無いわ」

お母様が微笑んで言ってるので、そんなに待たせた訳じゃないのかも。

「ええ。私ものんびりと今来た所なのよ」

「お祖母さま、今日の調子はどうですか？」

お祖母さまは基本、午後のお茶しか一緒にしません。午前中はのんびりお一人でお茶してるんです。
え？お祖父さま？お祖父さまは朝早くに港に行って、漁師達と仲良く漁に行っております。そして晩ごはんにお祖母さまの好きな魚貝類をご一緒に取ってるんですよ。
なので食事も最近は別なんです。
あ！私達が魚貝類の時は一緒に食べてますよ！

「ふふ……調子は良いわよ。最近、暖かくなってきましたしね」

お祖母さま……春の日差しの様な笑顔、可愛いです！

「お祖母さまの調子が良いと私、嬉しいですわ」

目の前にお茶が置かれ、様々なお茶請け……甘味がテーブルに置かれていく。
ジムの腕も上がり、見た目も味もオシャレスイーツへと進化してきたのです。

「本日はエリノユからイチゴが届いたのでイチゴの甘味を多めにご用意したとの事です」

あの石垣イチゴ、もう実ってきたのね。確かに日当たりも良かったし、石垣が温まるから成りも良いのかしら？

「美味しそうね」

「はい」

お母様がイチゴのショートケーキにフォークを入れていく。

「あら、美味しいわね」

お祖母さまはイチゴそのものを食べてます。
チラッとお母様のショートケーキを見れば半分消えてました。相変わらずスイーツを食べるお母様は高速優雅で、気が付くと次の物になってます。凄いですよね。

「ええ、今まで作っていた物とは違って農家から若者が何名もイチゴ作りに携わりたいと申し出があったようよ」

農家はっや！いや、前世でもやり手の農家はいち早く新しい品種とかに食い付いてたわ……
品種改良とかってやってるのかしら？そこら辺もどうなってるのか聞いてみたいわ……

「これ程美味しいなら沢山作って流通させたいわね」

お祖母さまがニコニコしながら希望を言ってきました！

「ええ。エリーゼが作った保存の効く箱を他の者も作れれば良いのだけど、作れないのよね？」

「はい、お母様。あそこまでの物は作れないと思いますし、たとえ作れても移動の最中に傷付いたりすれば折角のイチゴももったいないですし……」

輸送問題浮上です。街道を整備してますが、やっぱり馬車を改良しないとダメです……