婚約破棄されまして(笑)

連載

春が来た！ 48

微妙な距離だったのよね……ルークの前世の実家と私が生活してた地域……遠いと言えば遠くて、近いと言えば近いのかな？って距離なのよね……
でも聞かれても困っちゃうよね……？詮索好きな女だって思われるのもちょっと嫌だけど……
気になるーーっ！
私も前世のあれやこれや聞かれてもちょっとだけ困るし……田舎者とか思われるの嫌だし……あーーっっ！
なんか、もう！モヤモヤするーーっっ！転生モノのヒロインとか悪役令嬢とか、その辺何とも思わずに生きていけたの？もう！なんか色々思うとこあるのは私が前世それなりに年くってたからなの？性格？性格なの？どうすれば良いのよーーっっ！

「クックッ……さっきから百面相だな」

「誰が怪盗きっ……じゃなくて……」

「それは百面相じゃない」

「その通りです」

ルークのツッコミにも慣れました。このちょっとした前世ネタのボケとツッコミが気持ち良いのよね。

「で、どうした？」

「ん……えーと……ルークの前世が気になっちゃって……」

ふ……と真面目な顔で見詰められてドキッとします。嫌？嫌なの？

「あー……それはお互い様かな？気にならないって言ったら嘘だしな」

ちょっと小声で言ったルークの目が興味深そうに私を見てます。

「そうよね……」

「ま、でも婚姻してから深い話ししても良いかな？って思ってる。今とは違うしな、色々」

「そうね……色々違うわね……」

年齢とか状況とか立場とか……後は趣味嗜好かしら？

「今は立場もお互い厳しいし、それに見合った振る舞いを求められるし……自分の前世を思い出した瞬間、マジかよ！って思ったな」

「あー……それは……」

「そこは、まぁお互い大変だったって事で。それよりも先の事だけ考えて生きた方が良いだろ？」

「それもそうね」

やっぱりルークの前向きな所、私好きだわ。私、時々後ろ向きになってしまうもの……

「エリノユの街の発展とか見てると、あのレベルの街を後何ヶ所か作ったら領地経営としては上々じゃないかな？」

！！前向きって言うか、既に領地経営とか考えてる！やっ……やっぱり男の人なんだわ……いや、私だって考えてたし！
それにしても何ヶ所とか……そこまでは考えて無かったわ……

「せめて後、三ヶ所は欲しいな！」

キラキライケメンスマイル来ました！イケメンスマイルで言われたら私が困るでしょ！