婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

春が来た! 49

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「後、三ヶ所……さすがにそれだけ増やしたら仕事山積みになると思うのだけど……」

ん?とイケメンが笑顔のまま首を傾げました。現状を思い出して下さい。
お父様とお兄様達でいっぱいいっぱいなのに、何言ってるのかしら?
只でさえ仕事山盛りの所にエリノユを作ったのだけど……スッゴイ大変な事になったの知ってる……
ハッ!と真顔に戻って目だけがキョロキョロと忙しなく動いてます。分かりやすいキョドリ方です。

「ルーク?」

口元を手で隠して少し俯き加減になると、小さな声で恐る恐る「忘れてた……」って何言ってるの!

「忘れてたの?」

とりあえず、きちんと聞いておきましょうか!

「忘れてた。すっかり抜けてた。そうだな……人材育成と仕事の分散とかやらないと回らないぞ……」

おお!なんか格好いい単語聞こえたわ!

「結構人材育成出来てると思うけど……」

「全然だな!」

「全然とか言うな!」

これでも他領よりかは良い人材育ってるんですけど!

「いや、まぁ……もう少し頑張らないと……帝国と王国の差だと思うけどな……」

あ?あー……

「帝国って実力主義って聞いた事あるわ……」

王国は割とこう……ちょっと、こう……賄賂って言うか、貴族優先って言うか……忖度って言うのがね……

「まぁ、ある程度学力無いとろくな仕事も無いし。皇宮勤めするなら一日学力、二に気力。三に体力、四に忍耐力とか言われるな」

「何ソレ?キビシー……」

「見た目でどうにかなるような所じゃないから大変だって話しだよ。ま、高位貴族は漏れなく美形揃いだから見た目は文句なしで良いけどな」

……身も蓋もない事言うわね。でも高位貴族の見た目が良いのは王国も同じなのよね。

「こっちは見た目重視のトコあったからか、ちょっと大変な所があったってのは言えるわね」

でなかったら、第三王子の残念振りが許される訳ないもの……

「あー……そうだな……」

何か思い出した様ですが、聞きません!聞きたくありませんから!
それよりもです!

「ね!何処か候補地とかあるの?あるなら今の内に抑えて置いて、のんびり開発しない?私ね!国境付近に一大温泉リゾート地を作りたいのよ!」

あそこには火山があるから、絶対源泉沢山あると思うのよね!
ルークもニヤッと笑ってくれてます!言わなくても伝わるの、有難い!
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