婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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春が来た! 50

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「それは良いな!」

ルークが素敵な笑顔で賛成してくれました♡ウフフ……やっぱり、温泉って単語は良いわよねぇ……

「国境付近なら帝国からの観光客も見込めるしな……エリーゼ、どうせだからサロンで話そうか」

「ええ!デザートも食べ終わってサロンで軽く何か摘まみながら話したいわ」

何だかんだで実はデザートまで完食しております!勿論、和スイーツでしたよ。小さなくず饅頭に抹茶色……ではなく、抹茶味のミニロールケーキに小さなお椀に品良く盛られた善哉。
に、私とルークは緑茶が出されました。
私とルークは食後に良く緑茶を飲むので、何も言わずとも和食や和スイーツの時は緑茶が出されます。
良く出来た使用人には感謝しかありません。
静かに立ち上がって、家族にちゃんと聞こえる様に食堂を退室する挨拶をして優雅に食堂の扉前まで行きます。
ここはのんびり移動です。アニスとキースが来るまで待ちですから!
執事も扉を開けてくれませんしね。
ルークと並んで待ってます。
おっと、小声で執事に指示を出しておかないと……

「今からサロンに二人で向かう。紅茶と軽く摘まめる物を持って来てくれ」

やぁん♡ルークが言ってくれたわ。何か……何か、こう言うの良い……
前婚約者様、こういった事してくれなかったのよね。
デキる男って違うわよね。

「畏まりました。迎えが来たようなので」

そう言うと扉を開けてくれました。
廊下に立っているアニスとキースは息を切らしてる風でもなく、二人共微笑んでます。
私の手を取って、エスコートしてくれるルークはやっぱりイケメンで半歩先に歩いて食堂を後にしたのだけど……
ペースは私に合わせてくれてるのよね!これよ!これ!この優しさよ!

「早くないか?」

あえて聞いてくれる優しさも嬉しい!

「大丈夫よ。それよりも早くサロンに行きたくて、つい早足になりそうで困っちゃうわ」

「そうか」

そう言ってクツクツと笑うルークの目が優しい。あー……イケメンの優しい流し目とか、ご褒美でしかないのだけど……
ジンワリ伝わるルークの手の温もりとか、リアルで目眩がしそう……

「どうした?」

「ルークがイケメン過ぎて、目眩で倒れそう」

「安心しろ、倒れたらお姫様抱っこでサロンに連れてくから」

それ、もっとダメなヤツーー!
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