婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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春が来た! 97

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さて、ドレスもお飾りも決まって着替えです。
一式持ってアニスが付いてきます。

「アニス、今日は晩ごはん多めに食べたいからコルセットは緩めで!」

「畏まりました」

このコルセット緩めは腕力でキュッキュッと締める程度なので、息苦しいとか何も食べれない!とかじゃないのが良いです。
今日はアニスもあっさり認めてくれて良かったです!夜会とかならアニスが滅茶苦茶抵抗して、締めよう締めよう!もっと締めよう!と頑張るんですもの……負けて締められる事の多さよ……ドレスだって、そんなに締め上げなくても入るのに締め上げて余った部分を後ろに寄せて布飾りとか付けるとかどうなってるのかしら?そんなにウエスト強調する必要性って理解不能なんですけど!

「エリーゼ様のお体って本当に惚れ惚れする位美しいです……」

アニスがキュッキュッと締め上げながら言ってきます。

「それ程じゃないでしょ?」

美しい方は他にもいるし、体型に気を付けている人は私以外にもいるもの。
ドレスを着付けて貰い、靴を履く。後は髪とお飾りなのだけど、今日は本当に支度が楽チンで助かるわぁ。
鏡台へと移動し、座って鏡越しにアニスを見る。
シャッシャとブラッシングされる気持ち良さにウットリとしてしまう。

「少し結い上げますか?」

「ええ、そうね。任せるわ」

任せてしまった方が楽チンです!しかも美しく仕上げてくれるので、悩まなくて良いのも助かります!
てかアニス!編み込んだり結い上げたりとか止めてよ! ヘッドドレスを装!着!したら派手派手よ!
鏡越しのアニスがしてやったり!な顔してます。うぬぅ……。

「ドレスの質が落ちてもエリーゼ様の美しさが引き立つ様に仕上げました!」

褒めて!褒めて!の顔です。もえ、仕方ないわねぇ……。

「ありがとうアニス。とてもキレイに仕上がってるわ」

柔らかい水色のドレスに真珠のお飾り。鏡に映る私はじきに婚姻式を迎える幸せそうなお嬢さんに見える。
まさかここまで来て更なる婚約破棄とかあり得ない。ルークはお婿さんとしてお父様やお兄様達と一緒に仕事をしているし、私と一緒にいつか別の場所に邸を建てて暮らす事を考えている。
ルークと二人っきりでも良いけど、早く子供を作って家族で暮らすのも素敵だと思ってる。
でもそこまでの道のりは大変かも……お父様とキャスバルお兄様がねぇ……
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