婚約破棄されまして(笑)

連載

春が来た！ 197

「く……腐って……一体いつ……」

キョドってますね、ラーラルーナ様。そういう所、可愛いと思います！

「ルークから、何度かどこに出しても恥ずかしい妹さんは腐女子だと聞き及んでいます。私も前世ちょっと嗜んでましたから分かります」

「同志よ！」

……いきなり同志呼ばわりです。勢いありますね。

「乙女ゲームの……」

「あ！私、乙女ゲームの攻略者様達で萌えてなかったので分かりません」

ラーラルーナ様の言葉を遮ってズバン！と言い切りました！
分かりやすく肩を落とすラーラルーナ様。うん、分かりやすくて良いです。

「……ではアニメから？漫画から？ですか……」

声のトーンすら落ちてます。顔も若干俯いてます。

「跳ねる系の漫画とかファンタジー小説とかでしょうか？ああ……でもBでLなのはそれ系漫画とかでもちょこちょこ読んでましたしね……オメガバ？とかも面白かったのは覚えてますよ」

ガバッと顔を上げたラーラルーナ様の瞳がキラッキラしてます。
オメガバとかツボだったのかしら？

「良いですよね！オメガバ！私達ソウルメイトになれますね！」

まさかのソウルメイトと来ましたよ。

「頼む……もう、それ以上エリーゼに関わらないでくれ……」

ルークが半泣きです。えー……この程度は全然余裕でしょ？

「ルーク。この程度で泣き言言ってたら領主隊で本当にツラくなるわよ？キースだっているんだし、現実を見てドーンと構えないと」

チラッとキースを見るルークの目が何となく死んだ様に見えたのは気のせいかしら？

「ルーク様（笑）キースは側近なのでしょう？やっぱりヤッたの？」

んー……前世兄妹でも基本は今世での名称だし、位も重視しますよね。
まあ、物心ついた頃から淑女教育さらてれば当たり前ですよね。
高位貴族の令嬢となれば息をするように礼儀作法も出来て当たり前でしものね。

「ラーラルーナ様、当然ですわ。その辺りの事が出来ない側近等、お話しにもなりません。側近はその身も心も主に捧げるのですもの。まあ……ただ主となっても卑しい心根の者は何か勘違いして側近を簡単に捨てる者もおりますけどね」

キースの前の主は最悪ですからね。今の側近だって気に入らないと捨てるんでしょうね。

「そうなのね……そっか……ふぅん……あそこの彼がルーク様とね……ふぅん……」

目が！目が真剣です！ゾワリと背筋に冷たい物を感じました！